Apple(アップル)のビッグイベントから1週間弱、同社は3つのOSの最新バージョンをドロップした。米国時間3月14日、 iOS / iPadOS 15.4とmacOS 12.3がついに公開された。ベータテストに参加していない人たちにとって、これはマスクを着用したままで使えるFace IDによるロック解除や、iPadとMac間のさらにシームレスな統合を提供するユニバーサルコントロールなどの主要機能の数々を意味する。
これらのOSは、新しいiPhone SE(先にレビューした)とMac Studioに先駆けて登場した。マスク着用時のロック解除の件は、過去2年ほどの間、かなり大きな悩みの種となっていた。AppleはApple Watchでロックを解除するという応急処置としては悪くないソリューションを提供していたが、この新バージョンでより多くのユーザーが利用しやすいものになる(しかし再び、SEで親指にこだわり続けるのももちろんアリだ)。
筆者はベータ版を数週間使ってみたが、満足のいく結果が得られている。マスクとメガネを着用しても問題なく動作するので、パンデミックが始まってから初めて行った本格的な旅行では役に立った。もちろん、メガネが曇ったときは苦労したが、それはおそらくHoneywell(マスク)とWarby Parker(メガネ)のせいだろう。OSは、当然ながら顔全体に頼った方が安全であることを警告しつつ、このオプトイン機能のセットアップ過程を案内してくれる。
また、携帯電話側の新機能として、カードリーダーを介さず、iPhoneユーザーがNFCチップを介して支払いを受けられる「Tap to Pay」機能が搭載されている。また、新しい絵文字は全部で37種類。とろけるような顔や、覗き込むような顔が収録されている。先週のイベント「Peek Performance」の名前は、まさかこれからインスパイアされたものではないだろうが(訳註:Peek=覗き見、チラ見を「Peak」とかけていた)、誰も確かなことは言えない。
もうひとつの大きなニュースは、iPadOS / MacOSサイドにある。AppleはこれをSidecarキラーと位置づけているわけではないが、多くのユーザーにとってその役割を果たすことは間違いないだろう。この機能により、MacとiPadの間でキーボード、トラックパッド、マウスを同期させることが可能になる。つまり、デバイスとOSの間でファイルをドラッグ&ドロップでき、よりシームレスなバージョンのAirDropを効果的に使用することができるのだ。
どちらのオペレーティングシステムも、対応するデバイスで現在配信が開始されている。
編集部注:ベータ版と同様であれば「マスク姿でFace ID解除」が可能なのは、TrueDepthカメラの性能が改善されたiPhone 12と13に限られる。
画像クレジット:Nora Tam/South China Morning Post / Getty Images
[原文へ]
(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)