2月末にウクライナに侵攻して欧州で陸戦を開始したロシアが、外国のソーシャルメディア大手に対する最新の攻撃として、反ロシア的な「情報攻撃」がYouTubeを通じて広まっていると主張し、同国のインターネット検閲当局からGoogle(グーグル)に警告を発した。同国は動画共有プラットフォームの広告がロシア国民への脅しに利用されることをGoogleが許容しているとして、米国のハイテク企業が「テロ行為」に関与していると非難している。
ロシアの通信情報技術監督庁Roskomnadzorは現地時間3月18日、同庁ウェブサイトに掲載した声明の中で、YouTubeがロシアとベラルーシ間の鉄道接続を遮断するよう人々に呼びかけるターゲティング広告を配信していると主張している。
「YouTube管理者の行為はテロ行為であり、ロシア国民の生命と健康を脅かすものです」と規制当局は書いている(ロシア語から機械翻訳)。
「このようなアピールの発信は、米国企業であるGoogle LLCの反ロシア的な立場を明確に示しています」とも。
規制当局はまた「反ロシア動画」の配信をできるだけ早く停止するよう、Googleに警告した。
その声明はさらに、米国のIT企業全般、特にテック大手のGoogleとFacebook(フェイスブック)を所有するMeta(メタ)が「ロシア軍、メディア、公人、国家全体の信用を落とす」ことを目的とした「情報攻撃」の標的キャンペーンを展開し、ロシアとの「対立の道」を選んでいると非難している。
「Meta Platforms Inc.とGoogle LLCによる同様の行為は、ロシアの法律に違反するだけでなく、一般に受け入れられている道的規範にも反しています」とRoskomnadzorは付け加えている。
Roskomnadzorの警告について、YouTubeからすぐにコメントを得ることはできなかった。
国家インターネット検閲機関からGoogleへの直接の警告は、ロシアがYouTubeへのアクセスをブロックする前兆である可能性がある。
最近、FacebookとInstagram(インスタグラム)がRoskomnadzorによってブロックされている。ウクライナ戦争と並行して、ロシア政府がデジタル情報領域への支配を強化しようとしているためだ。
FacebookとInstagramは、Metaがヘイトスピーチポリシーを緩和し、特定の地域のユーザーがロシアに向けた特定の種類の殺害脅迫を投稿できるようにすると発表した後にブロックされた。Metaのグローバルアフェアーズ担当社長であるNick Clegg(ニック・クレッグ)氏は、これを「自衛の表現としての言論の権利」を守るために行われた一時的変更だと弁明した。
ここ数週間、RoskomnadzorはTwitter(ツイッター)にも制限を加えている。
しかし、YouTubeはウクライナ侵攻以来、同社がロシアでのサービスにいくつかの制限を加えているにもかかわらず、大きな検閲を受けずに済んでいる。例えばユーザーへの支払いサービスを停止するなどだ(同社はロシアの銀行に対する西側諸国の制裁の結果、この措置を取った)。
この状況が変わりつつあることを示す1つのシグナルとして、18日ロシアの報道機関が、Roskomnadzorに近い情報筋の話として、早ければ今日か来週にもYouTubeがブロックされる可能性があると伝えており、ブロックが迫っていることを示唆している。RIA Novostiの情報筋は、来週末までにYouTubeがブロックされる可能性が「最も高い」と述べている。
ロシアとウクライナの間で激化しているサイバー戦争のもう1つの小さな指標かもしれないが、今日この記事を執筆していた際、Roskomnadzorウェブサイトの読み込みが著しく遅かった。また、CAPTCHAを導入したようで、DDoS攻撃を防止・軽減しようとしている可能性がある。
画像クレジット:TechCrunch
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(文:Natasha Lomas、翻訳:Den Nakano)