サイトアイコン IT NEWS

Ubuntu上のZabbix5.0から6.0へアップグレードする手順

upgrade-to-zabbix5

以前、CentOS 8にインストールしたZabbix 3.0を、5.0アップグレードしました。
今回は、Ubuntu上にZabbixサーバーを再構築しましたので、今すぐアップグレードは必要ありませんが、6.0LTS)がリリースましたので、将来に備えてアップグレード手順をもう一度整理したいと思います!

アップグレード手順

Zabbix公式サイトの手順を参考に、Zabbixメジャーバージョンをアップグレードする手順は以下の通りです。

Zabbixアップグレード手順
  • 1
    Zabbixプロセスを停止
  • 2
    既存のZabbixデータベースをバックアップ
  • 3
    構成ファイル、PHPファイル、Zabbixバイナリをバックアップ
  • 4
    リポジトリ構成パッケージを更新
  • 5
    Zabbixコンポーネントをアップグレード
  • 6
    コンポーネント構成パラメーターを確認
  • 7
    Zabbixプロセスを開始
  • 8
    WebブラウザのCookieとキャッシュをクリア

1. Zabbixプロセスを停止

Zabbixサーバーを停止して、データベースに新しいデータが挿入されていないことを確認します。

# service zabbix-server stop

2. 既存のZabbixデータベースをバックアップ

これは非常に重要なステップです。
データベースバックアップがあることを確認してください。
アップグレード手順が失敗した場合(ディスク容量の不足、電源オフ、予期しない問題)に役立ちます。
MySQLデータベースmysqldumpによるバックアップの方法はこちらが参考になります。

3. 構成ファイル、PHPファイル、Zabbixバイナリをバックアップ

Zabbixバイナリ、設定ファイル、PHPファイルをディレクトリごとバックアップコピーを作成します。

構成ファイル

# mkdir /opt/zabbix-backup/
# cp /etc/zabbix/zabbix_server.conf /opt/zabbix-backup/
# cp /etc/apache2/conf-enabled/zabbix.conf /opt/zabbix-backup/

PHPファイルとZabbixバイナリ

# cp -R /usr/share/zabbix/ /opt/zabbix-backup/
# cp -R /usr/share/doc/zabbix-* /opt/zabbix-backup/

4. リポジトリ構成パッケージを更新

更新を続行するには、現在のリポジトリパッケージアンインストールする必要があります。
※著者の場合は上書きしたので、特に消さなくても大丈夫でした

# rm -Rf /etc/apt/sources.list.d/zabbix.list

次に、新しいリポジトリ構成パッケージをインストールします。

# wget 
# dpkg -i zabbix-release_6.0-1+ubuntu20.04_all.deb

リポジトリ情報を更新します。

# apt-get update

5. Zabbixコンポーネントをアップグレード

Zabbixコンポーネントアップグレードするには、次のコマンドを実行します。

# apt-get install --only-upgrade zabbix-server-mysql zabbix-frontend-php zabbix-agent

PostgreSQLを使用している場合はmysqlをpgsqlに、プロキシをアップグレードする場合はserverをproxyに、agent2をアップグレードする場合はagentをagent2にそれぞれ置き換えてください。
次に、Apacheを使用してWebフロントエンドを正しくアップグレードするには、次のコマンドも実行します。

# apt-get install zabbix-apache-conf

Ubuntu 18.04bionic)より前のディストリビューションは、Zabbixフロントエンド6.0に必要なPHP7.2以降を提供していません。
UbuntuのバージョンとPHPのデフォルトバージョンの関係は以下の通りです。

UbuntuバージョンPHPバージョン
Ubuntu 20.04 (focal)7.4
Ubuntu 18.04 (bionic)7.2
Ubuntu 16.04 (xenial)7.0
Ubuntu 14.04 (trusty)5.5
UbuntuとPHPのバージョン関係

6. コンポーネント構成パラメーターを確認

必須の変更の詳細については、アップグレードノートを参照してください。

特に気になったのは、アイテム名のユーザーマクロがサポートされなくなったことでしょうか。
Zabbix 4.0以降廃止されたアイテム名(検出ルール名を含む)でのユーザーマクロのサポートは完全に削除されてます。
あとは、Zabbixエージェント2のプラグインやユーザーのパスワードの複雑化くらいです。
今後、様々な新機能が紹介されると思います。
興味のある方は読んでみてください。

7. Zabbixプロセスを開始

更新されたZabbixコンポーネントを起動します。
※自分に必要なものだけ記載しています

# service zabbix-server start
# service zabbix-agent start

または、Zabbixエージェント2の場合
# service zabbix-agent2 start

8. WebブラウザのCookieとキャッシュをクリア

アップグレード後、ZabbixのWebインターフェイスを正しく機能させるために、WebブラウザのCookieキャッシュをクリアする必要がある場合があります。

【おまけ】マイナーバージョン間のアップグレード

6.0.xマイナーバージョン(たとえば、6.0.1から6.0.3)に簡単にアップグレードすることができます。
Zabbixのマイナーバージョンをアップグレードするには、以下を実行してください。

# apt install --only-upgrade 'zabbix.*'

Zabbixサーバーのマイナーバージョンをアップグレードするには、以下を実行してください。

# apt install --only-upgrade 'zabbix-server.*'

Zabbixエージェントのマイナーバージョンをアップグレードするには、以下を実行してください。

# apt install --only-upgrade 'zabbix-agent.*'
または、Zabbixエージェント2の場合
# apt install --only-upgrade 'zabbix-agent2.*'

以上でZabbixアップグレード手順になります。
お疲れ様でした!

モバイルバージョンを終了