消費電力が低く黒色の表現に優れることからスマートフォンへの採用が増えてきた有機ELディスプレイですが、2022年は普及速度が鈍化するとの予測が出ています。
チップ価格などの高騰によるしわ寄せがディスプレイに来ているとのことです。
2022年は前年比2%ポイント増にとどまる有機ELディスプレイの採用
調査会社のCounterpointによると、2022年にスマートフォンのディスプレイとして採用されるパネルの方式は、液晶が56%、有機ELが44%になるとのことです。
有機ELのシェアの予測値は2021年から2%ポイントしか増えておらず、2021年は前年比10%ポイント増加していたのに比べると大幅に普及が減速しているといえます。
Counterpointはこの理由として、端末価格値下げ圧力のしわ寄せがディスプレイに来ていると考えています。
チップ価格などの高騰によりスマートフォンの原価が上がる一方、競争激化や景気の低迷により各スマートフォンメーカーはコスト削減に必死になって取り組んでおり、ディスプレイの仕様を妥協するメーカーが増えているとのことです。
長期的には有機ELディスプレイの採用が増える
ただ、長期的に見ればスマートフォンのディスプレイの方式は有機ELに置き換わっていくとみられています。
特に5G通信対応スマートフォンでは4G通信対応のものよりも通信によるバッテリー消費が大きいため、液晶よりも消費電力が低い有機ELが好まれる傾向にあるといいます。
実際2021年第4四半期(10月~12月)において、4G(LTE)通信対応スマートフォンのなかで有機ELディスプレイを採用した端末は18%に過ぎなかったのに対し、5G通信対応スマートフォンは80%が有機ELディスプレイを採用しました。
Source: Counterpoint
(ハウザー)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania