【部屋と趣味が充実する傑作買い得モノ】
住居を自分の思い通りに居心地の良い空間にデザインする…。誰もが憧れる夢を実現したのが窪川勝哉さん。60年以上前に作られた建物をリノベーションする際に心がけたことを聞いた。
雑誌やテレビのスタイリングを手がけるスペシャリスト。インテリアのみならずクルマや家電にも詳しく、イベントのディスプレイなども手がける
■リノベーションしたとはいえ、古いだけに室内に問題が起こることも。そんなとき、DIYするしかないんです(笑)
日本のモダニズム建築の旗手と呼ばれ、戦後日本に数々の名建築を残した前川國男。彼は大きなビルばかりではなく、当時の住宅公団(現JKK)のために東京都内に3つの分譲住宅を設計した。その中で唯一現存するのが、最初に竣工した中野区の鷺宮住宅だ。
そんな物件を入手し、リノベーションしたのがインテリアスタイリストの窪川勝哉さん。
「仕事柄というか、趣味というか、不動産や建築物が好きなんです。古い物件がどれだけ残っているか調べていたら、偶然見つけてしまったんです(笑)」
三角屋根が特徴的な2軒続きテラスハウス。外観からして、昭和のモダニズムを感じさせる。
「内覧に行ったら部屋は全部和室。でも、気に入って購入しました。最初に考えたのが採光をどうするか。そしてどの部屋に何を置くか。リノベやDIYで部屋を変えようと思ったら、この二つを考えるのが最適です」
壁や床は直線で構成されているため、そこに曲線を取り入れると変化が出るのだという。そんな思考で空間設計を考えた。ベースプランは窪川さん、設計図は友人に引いてもらった。
「基本的なリノベーションは専門業者に頼みました。一番大掛かりな工事は、2階の一部屋をなくしてダイニングを吹き抜けにしたこと。そこからDIYして、今でも少しずつ改造しているところなんです。それにリノベーションしたとは言え、建物自体が古いので修理が必要なこともあります。それは自分でやるしかないんです(笑)」
仕事では室内を模したディスプレイの制作や、既存の家具を改造して独自の形を作り出したりすることもある窪川さん。工具類を使っての少々のDIYなど、お手のものだ。
「工具はブラック・アンド・デッカーのマルチツールです。本体が一個あれば、必要に応じてヘッドの交換で何通りもの作業ができるから便利なんです。収納場所も取りませんし」
まだまだ変化を加えていきたいという窪川さん。これからどんな部屋になるのかが楽しみだ。
※前川國男=1905〜1986年。ル・コルビュジエ、A・レーモンドに師事し、戦後の日本近代建築をリードした。「東京文化会館」や「東京都美術館」などを設計。
※2022年3月4日発売「GoodsPress」4月号58-59ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/松尾直俊 写真/湯浅立志(Y2)>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/439705/
- Source:&GP
- Author:&GP