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アニバーサリーイヤーに登場した『グランツーリスモ7』。レーシングゲームを徹底的に遊び尽くすデバイスを紹介

3月4日にレースゲームファン待望のシリーズ最新作『グランツーリスモ7』が発売されました。

PlayStation独占タイトルの「グランツーリスモ」シリーズは、今年で25周年。アニバーサリーイヤーに登場する最新作は、プロデューサーの山内一典氏が「シリーズの頂点」というほどの仕上がりになっています。

グランツーリスモをはじめ、車を題材にしたゲームは多数存在しますが、ほとんどの人はコントローラーでプレイしているでしょう。ですが、本格的にプレイをしようとすると、そこには沼ともいえる数々のデバイスが用意されています。

ハンドル型のコントローラー

通称「ハンコン」と呼ばれるハンドルコントローラー。文字どおり、ハンドルの形をした入力デバイスです。ハンコンはさまざまなタイプがありますが、ハンドル部分に加えて、ペダルやシフト(変速機)がセットになっているものが多いです。

価格帯はさまざまで、数万円程度の入門機から10万円オーバーの本格仕様のものまでラインナップされています。価格差の違いは、セット内容の違いに加えて、ハンドルの駆動方式やフォースフィードバックの仕様などに差異があります。

ハンドルの駆動方式には、ベルトドライブとダイレクトドライブがあります。ベルドドライブは比較的安価なハンコンに用いられる駆動方式で、ダイレクトドライブはより強力でしなやかな感触を味わえるのが特徴です。

また、フォースフィードバックとは、路面から伝わってくるハンドルの振動や衝撃の再現を指し、レースゲームでは没頭感やタイム短縮につながる大きな要素の1つでもあります。フォースフィードバックは通常のコントローラーでも味わうことができますが、ハンコンのそれとはまた違った感触です。

グランツーリスモ公式ハンコンも

『グランツーリスモ7』にピッタリのハンコンが、「Gran Turismo DD Pro」です。Fanatecが開発しているGran Turismo DD Proは、ダイレクトドライブ方式を採用したグランツーリスモ公式のハンコンです。公式なだけあって、ハンドル本体はグランツーリスモに合わせた特別設計になっています。

Gran Turismo DD Proにはいくつかの製品ラインナップがありますが、最も安価なタイプでも9万円以上。ですが、PlayStation以外にもXboxやPCに対応しており、1台あるとこうしたプラットフォームでも使用できます。

また、名称こそグランツーリスモですが、これ以外のカーレースゲームのプレイもでき、ゲームやプラットフォームに応じたセッティングファイルなども公開されています。セッティングファイルを導入することで、より没入感のあるカードライビングを楽しむことができます。

沼注意!?のコックピットベース

とはいえ、ハンコンは比較的大型のデバイスのため、簡単に設置できないという難点もあります。ドライビングポジションはレースゲームにおいて大きなインパクトを与えるので、無理やり設置してもデバイスを導入する意味が薄れます。

こうしたニーズに対応するために、コックピット型のフレームも販売されています。コックピットベースとも呼ばれる商品には、ペダル類やシフターをより実車に近い適切なポジションに設置できるようになっています。

価格帯は、1万円前後の入門用から50万円以上するプレイ状況に応じて動くタイプまでさまざま。また、モニターを1つだけではなく、左・中央・右といった3画面設置できるタイプや自分の体型や好みに合ったシートを設置できる本格派までそろっています。

腕に自信のある人は、DIYでコックピットベースを作成しているようですが難易度が高いので、最初はこうしたコックピットベースを購入してカスタマイズしていくほうがいいでしょう。

しかし、コックピットベースの導入にはいくつか注意点があります。

1つは価格です。試算の一例ですが、PlayStation5本体(デジタルエディション)が約4万円、『グランツーリスモ7』(スタンダードエディション)が約9000円、ハンコン(Gran Turismo DD Pro)が約9万円、コックピットベースが約3万円としても、導入だけで17万円近い投資が必要です。

また、部屋のスペースの問題があります。なかには折り畳めるコックピットベースもありますが、強度や剛性の面を考えるとあまりおすすめできません。そうなると、ある程度部屋のスペースに余裕がないと設置できません。

それでも、こうした商品がこれだけラインナップされているということは、本格的なドライビングのためには導入する価値があるということでもあります。アニバーサリーイヤーに登場した『グランツーリスモ7』をとことん楽しむために、導入を一考してみるのもいいかもしれません。

(文・辻英之)

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