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イオンおよびイオンスタイル全店舗・約360店でVR従業員教育を導入、140カ国5万社が採用するInstaVRを活用

イオンリテールは3月31日、新人および既存従業員教育にInstaVR提供のVRプラットフォーム「InstaVR」(インスタブイアール)を導入すると発表した。対象は、イオンおよびイオンスタイル全店舗(約360店舗。同社が運営する北陸信越、関東、東海、近畿、中四国エリアの店舗)。全店舗にVRを従業員教育に導入する取り組みは国内小売業で初という。

同社は、顧客視点と現場を基盤とする全員経営を重視するとともに、業務プロセスの標準化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による生産性改善に取り組む構造改革を加速させているという。

そううした中、さらなる「お客さま満足」の実現に向けて、従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化を目的に、人材育成においてもDXを推進する。今後も、VR学習コンテンツの拡充を進めることで現場力を強化し、顧客満足度の向上に取り組むとしている。

2015年12月設立のInstaVRは、VRの事業活用を推進するVRコンテンツ制作・配信・分析プラットフォーム「InstaVR」の製品開発・導入支援を行う、日本発のVRスタートアップ。世界140カ国5万社に採用されているという。

イオンリテールは、VR導入のポイントとして「『やり方がわかる』だけでなく『できるようになる』OJT教育へ」「多様な業務に対応する1000以上の研修コンテンツを共同制作」「入社時の導入教育における教育時間を約40時間削減(1店舗/1カ月あたり)」の3点を挙げている。

「やり方がわかる」だけでなく「できるようになる」OJT教育へ

VR従業員教育では、場所の制約や教育担当者の数にとらわれず、これまでのEラーニング動画では対応しきれなかった実務トレーニングが可能になることで、従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化につながるという。また、多くの業務手順が「わかる」だけでなく実際に手を動かしながら「できる」ようになるための実習を1人でも行えるため、教育担当者の負担も減らしながら、実務レベルの向上が期待できるとしている。

同社は、2020年12月から一部店舗において、約5000名の従業員を対象にレジ操作や接客基本応対などの入社教育をVRで行う実証実験を実施。一般的に、VR活用の効果として、実際の機器がなくてもVR上でレジ操作をしたり、顧客がいなくてもVR上で応対をしたりなど現場で「体験」している感覚で学習ができることや、没入感が高く集中して学習でき、学習定着率が非常に高くなるとされる。体験後のアンケートにおいても、約9割が「テキストや動画での学習より作業手順の理解が深まった」「事前に体験できることで自信を持って売場に立てる」「何より楽しく学習できた」との回答があったという。

多様な業務に対応する1000以上の研修コンテンツを共同制作

InstaVRが提供する高速VR化システム「100倍速VR化」を活用し、レジ業務や接客などの顧客対応、売場作り、防災・防犯など、多様な業務に対応する1000を超えるイオンリテールのオリジナル学習コンテンツを、企画からシナリオ作成・撮影に至るまで共同で制作。同夜がすべての工程に入り込み、ともに制作を行うことで実務に即した効果的なVRによるOJT教育を実現した。

入社時の導入教育における教育時間を約40時間削減(1店舗/1カ月あたり)

VRを入社時の導入教育プログラムに組み込むことで、1人でも学習が可能になったこと、また入社日時に関わらず随時個別に導入学習が可能になったことから、指導者側の業務時間を平均約40時間(1店舗/1カ月あたり)削減することにつながったという。今後配属後の教育もVR化することで、さらなる業務の効率化も進めるとしている。

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