株式会社Amadeus Code(以下、Amadeus Code)は、東京都立産業技術大学院大学 佐藤正之特任教授と共に、音楽が高齢者の認知機能に与える効果を科学的に検証する共同研究「音会(おとかい)」プロジェクトを開始しました。
疑似作曲・作品発表・コミュニケーション
同プロジェクトには、65歳以上の高齢者100名が参加。週に1回、10人程度のグループで寄り合います(オンラインも可)。
参加者は、事前に提示されたお題(画像・文章など)から連想する言葉をAI作曲支援ソフトウェアに入力して自動生成された作曲データを活用し、疑似作曲を体験。利用するソフトウェアは、作曲経験に合わせて3つの中から選べます。
完成した曲をグループ内で発表し、先生からの講評や参加者同士の意見交換などを通じてコミュニケーション能力を活性化するようです。
音会の前後で株式会社脳活性総合研究所が提供する「脳活性度定期検査」を活用した認知機能検査を行い、音楽が認知能力に与える効果を科学的に検証するといいます。
自動作曲AIを活用した3つのソフトウェア
参加者が利用する3つのソフトウェアは、Amadeus Codeが有する自動作曲AI「Amadeus Code AI」を活用した音楽生成プラットフォーム「Evoke Music」と「Amadeus Code(Web版・iOS版)」です。
作曲経験がない人は「Evoke Music」を利用。入力ワードをもとにAIが作曲を行い、世界中のミュージシャンが仕上げた曲のなかから、参加者が一番いいと思った作品を選んで発表します。
PCを使って簡単な作曲ができる人は「Amadeus Code Web版」を利用。AIが生成した曲を分解した状態で提示し、参加者が自ら欲しい素材を選択・組み合わせて完成するというフローです。
PCを使って高度な作曲ができる人には「Amadeus Code iOS版」。AIが生成した作曲データから音色を選んで仕上げを行い、曲を完成させます。
「音楽は人間の体にとって有益」を科学的に検証
高齢化が進む日本では、認知症患者の増加が大きな課題のひとつ。認知症は完治が難しい病とも言われていますが、予防することができるとの見方もあります。
そこでAmadeus Codeらは、“音楽の力”に着目。「音楽は人間の体にとって有益」というのは古くから経験知として認められてきましたが、その科学的根拠の提示や立証は十分に行われていませんでした。
こういった背景から、音楽が高齢者の認知機能の維持・改善に効果があることを科学的に検証し、超高齢化を迎える日本の社会課題解決に貢献すべく同プロジェクト発足に至ったようです。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/176878
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口