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順天堂大学とIBM、メタバースでの医療サービス提供へ向け連携。まず“バーチャル医院”構築へ

順天堂大学と日本アイ・ビー・エム株式会社は、メタバースでの医療サービス構築に向けた共同研究を開始。これに伴い「メディカル・メタバース共同研究講座」を設置し、時間と距離を超えた新たな医療サービスの研究・開発に取り組みます。

“バーチャル医院”を起点としたサービス開発へ

同研究におけるメインの取り組みとも言えるのが、実際の順天堂医院を模した「順天堂バーチャルホスピタル」の構築。この“バーチャル医院”を起点にした新サービスの開発や研究を進めていくようです。

たとえば、患者や家族が来院前にバーチャルで病院を体験できるサービスなどを想定。また、バーチャル医院で治療の疑似体験をすることで、説明が複雑になりがちな治療に対する理解促進・不安解消を促せるかを検証予定だといいます。

さらに、メタバース内でアバター化した医療従事者や家族、友人などと交流できる仕組みも構想中。バーチャル医院内はもちろん屋外環境を再現した「コミュニティ広場」を構築し、外出困難な入院患者と家族が集える場を提供したいとのことです。

メンタルヘルスへの効果を学術的に検証

以上の取り組みは、同研究における“短期実施テーマ”となっています。それと並行して行われるのが“中長期実施テーマ”です。

その内容は、メタバース空間での活動を通じて、メンタルヘルスなどの疾患を改善できるかを学術的に検証するというもの。対面ではない出会い・交流などを通じて心がどう変化するのか気になるところです。

今後の展開としては、まず“短期実施テーマ”に関する試作品を今年中に発表予定。そして“中長期実施テーマ”も含めた研究成果をメタバースでの医療サービスとして社会実装し、患者の体験向上やメンタルヘルス改善などに貢献したいとのことです。

メタバースを活用したヘルスケアと言えば……

メタバースを活用したヘルスケアという広い観点で言えば、株式会社comatsunaが今年2月にオープンした「メタバースクリニック」もそのひとつでしょう。ここは、“クリニック”となっていますが医療行為を行う場ではありません。

「メタバースクリニック」は、医師による悩み相談・自助グループ・座談会などに匿名アバターで無料参加できるコミュニケーションの場です。

医師とマンツーマンで健康や人生について対話したり、同様の問題を抱えている人と自発的につながる自助グループに参加したりできます。

なお「メタバースクリニック」は、3月よりNTTのXRプラットフォーム「DOOR」にて展開。スマートフォンからの参加を可能としました。

今後、メタバースを活用したヘルスケア事業は成長していくかもしれません。

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(文・Higuchi)

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