キリンホールディングス株式会社は、調剤薬局向けAI置き薬サービス「premedi(プリメディ)」のテスト展開を4月26日(火)より開始。まずは首都圏を中心に展開し、1年間で薬局100店舗への導入を目指します。
医薬品の需要をAI予測、約100種類を提案
「premedi」は、同社独自のAI予測リコメンド手法で調剤薬局に医薬品の適正な在庫管理を提案するサービス。患者への医薬品の安定提供、在庫管理業務負担と在庫欠品リスク低減を実現し、調剤薬局の価値を再定義します。
同サービスでは、調剤薬局の出荷データをもとに医薬品の需要をAIで予測し、需要の高いものから低いものまで約100種類の医薬品をリストアップして調剤薬局に提案。そのリストを参考に、調剤薬局が仕入れる医薬品を選定するという流れです。
小ロット販売や買い取りも
使用した分はオンラインで発注して補充可能。使用期限が近付いた医薬品は販売パートナーが買い取るため、調剤薬局は常に十分な期限のある医薬品を確保できます(買取には条件あり)。
この仕組みにより調剤薬局は、取り扱い頻度が低い医薬品の在庫リスクと欠品リスクを同時に減らせるというわけです。
困難な医薬品の在庫管理
さまざまな医療機関の処方せんに対応している調剤薬局では、医薬品の需要を正確に予測することは難しいといいます。欠品によりg薬剤師がほかの薬局へ調達に出向くケースもあれば、在庫が処方されないケースもあるようです。
こういった状況を鑑みて開発されたのが「premedi」。キリンの社内新規事業公募制度「キリンビジネスチャレンジ」から誕生しました。
同社は、食・ヘルスサイエンス・医という3つの領域で事業を展開しており、「premedi」はヘルスサイエンス領域の事業として展開していくようです。ちなみに、ヘルスサイエンス領域では「iMUSE」などを提供中。
厚労省「患者のための薬局ビジョン」にも貢献
「premedi」は、厚生労働省が2015年に策定した「患者のための薬局ビジョン」にも貢献するといいます。
「患者のための薬局ビジョン」において、調剤薬局は医療機関の近くにあるという立地的な理由で選ばれる存在を脱却し、適切な服薬指導などによって“かかりつけ薬剤師・薬局”として機能することが掲げられました。
つまり、幅広い医療機関の処方へ対応することや質の高い服薬指導・接客などが重要になるということでしょう。これを実現するには、適正な在庫管理と業務効率化による時間創出をサポートする同サービスが有用かもしれません。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/177779
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口