【週末趣味 ソト遊び&イエ遊び】
スマートフォンのカメラ機能が高性能になり、誰でも手軽にある程度きれいな写真が撮れるようになった。それが逆風となり、純粋なカメラの出荷台数は減っている中で、実はミラーレスカメラだけが売り上げを伸ばしている。
ビックカメラ有楽町店の藤本さんは「一番の理由は小型で軽量になったことです」と話す。趣味として撮影を楽しむ人以外は、大きくて重い一眼レフを持ち歩くのは苦痛。だからある程度のクオリティで撮影できて、アプリで加工もできるスマホ撮影が主流になったのだ。
「ところが最近、ミラーレスカメラを使えばスマホでは撮影できない微妙なニュアンスを表現できることに、みなさんが気付かれたのだと思います」
取り回しの良さと撮影画質のクオリティが進歩し、プロでさえミラーレスを使う人が増えた。さらに動画撮影を楽しむ人が多くなったのも一因だ。
「ほとんどのカメラが両方撮影できますが、スチールメインと、ムービー主体でスチールも撮れるモデルが出ています」
言い方を変えれば、写真・映像撮影の目的が分化し、それを楽しむ潮流ができてきた。つまりメーカーの機能設計の割り切り方が、ユーザーに新しい撮影の楽しみを与えてくれたのだ。
地下2階のカメラ売り場担当者。自らもカメラが大好きで撮影歴10年以上。カメラと撮影についての豊富な知識を持つフォトマスター準1級でもある
ビックカメラの中でも最大級の売り場面積を誇る。地下2階のカメラ売り場は、メーカーごとの広い専用ブースがあり、展示品も豊富で充実している。実機を見て、触れて、納得のいくカメラ選びができる場所だ。
住所:東京都千代田区有楽町 1-11-1
TEL:03-5221-1111
営業時間:当面の間10:00〜21:00 無休
価格は全て取材時のビックカメラ有楽町店のものです
■ムービーがきれいに撮れるモデル
【初級者向】
1. Vログ向けに開発され、静止画も撮影できる
ソニー
「VLOGCAM ZV-E10L」(8万8200円)
リアルタイム瞳AFで高精度に被写体にフォーカスするので、本当に動画撮影に向いたモデルです(藤本さん)
動画撮影に特化したモデル。一般的なスマホ用センサーの約10倍、APS-Cサイズの有効約2420万画素CMOSセンサーを搭載しているので、質感描写や解像感、ボケ表現に優れている。(現在受注を一時停止中)
【中級者向】
2. 革新技術搭載で映像表現の可能性を大きく広げる
パナソニック
「LUMIX GH6」(33万6600円)
60〜70万円する上級機種と同じように、4Kの120fpsで撮影できてこの価格ということで、かなり注目の機種です(藤本さん)
イメージセンサーとエンジンを刷新。それに小型軽量と高画質を両立させるマイクロフォーサーズレンズ群を組み合わせることで、ムービー、スチール共に多種多様な映像表現ができる。
【上級者向】
3. フルサイズCMOSセンサーでシネマ映像表現を実現
ソニー
「Cinema Line FX3」(ボディのみ:50万4900円)
完全にムービーをメインに設計されたカメラです。別売のマイク端子付きのハンドルもセットできます(藤本さん)
ムービーをメインにしたシネマラインシリーズの最小・最軽量モデル。裏面照射型35mmフルサイズCMOSセンサーと、最新画像処理エンジン“BIONZ XR”を搭載。シネマレベルの映像表現ができる。
■スチールがきれいに撮れるモデル
【初級者向】
4. 往年の名機、FM2をオマージュ
ニコン
「Z fc 16-50 VR SLレンズキット」(14万9600円)
天面にシャッター速度とISO感度、露出補正のダイヤルがあり、設定と確認が素早くできて使いやすいです(藤本さん)
ボディサイズやペンタプリズム部、アナログ感がある操作部がスマホとは違う“カメラで撮影する楽しさ”を感じさせてくれる。静止画/動画に有効な瞳AFと動物AFを搭載している。
【中級者向】
5. フラッグシップモデルの高画質性能を継承する機種
ソニー
「α7 IV」(ボディのみ:32万8900円)
スチールはもちろん動画も高画質な、あらゆる部分でバランスが取れている優等生です(笑)(藤本さん)
新開発のCMOSセンサーとフラッグシップモデルの「α1」や「α7S III」に搭載された画像処理エンジン“BIONZ XR”を搭載。また、常用ISO感度100〜512000と広い感度領域を実現している。
【上級者向】
6. クラシックなフォルムと革新的な機能が融合している
ライカ
「ライカQ2」(75万9000円)
握りやすくて一目でライカだとわかるデザインが最高です。ライカらしい画質も相まって所有感が満たされます(藤本さん)
ライカのミニマルなフォルムに新開発35mmフルサイズセンサーと“ズミルックスf1.7/28mm ASPH.レンズ”を搭載。さらにボタン一つで焦点距離を35、50、75mmから選択できる機能も備えている。
■「映える」動画や映像を押さえるためには、周辺アクセサリーも用意しよう!
もし動画をメインに撮影したのなら、再生したときに一番問題なのが“手ブレ”。最新モデルは高精度な補正機能が付いているが、やはりスタビライザーなどを使うと、もっときれいな一歩進んだ撮影ができるはず。
また室内で撮影してネットにアップしたいなら、明るく撮ったり陰影をつけたりと、照明の工夫もしたほうがいいだろう。それから、音声や環境音を良い音質でしっかり拾うためには外部マイクも揃えておくと、きっと役立つ。さあ、準備して動画デビューしよう。
【リングライト】
■ムービーからスチール、メークアップにも使える
Phottix
「Phottix Nuada Ring60 LED Light」(3万2780円)
最近は室内で撮影される方も多いので、リングライトを用意しておくときれいな映像や画像にすることができます(藤本さん)
直径約49cmリングに、各216個の5600KクールカラーLEDと3200KウォームカラーLEDが配置されている。AC電源のほかに別売のバッテリーも2個装着できるので、屋外でも使用できる。
【ワイヤレスマイク】
■スマホやPCにも対応。カメラから離れてもしっかり録音
RODE
「Wireless GO II」(4万5100円)
ムービーでは、カメラの内蔵マイクだけでは音が弱くなります。ワイヤレスは固定の外部マイクよりも便利に使えます(藤本さん)
デュアルチャンネル対応の受信機と2個の送信機で構成されるワイヤレスマイクシステム。ムービー撮影時、被写体がカメラから離れていても音声や周辺音を録音できる。
【スタビライザー】
■さまざまなアングルでスムーズな撮影ができるプロ仕様
DJI
「RSC 2 Pro コンボ」(7万3700円)
プロユースを前提としたスタビライザーの中では価格と性能のバランスが取れていて、ハイアマチュアの方々に人気です(藤本さん)
折りたたみ&分解できるので、コンパクトに持ち運び、すぐに組み立てることができる。カメラを手元で操作しながら、さまざまなアングルで撮影をサポートしてくれる。
■背面の液晶タッチ画面で撮影をコントロールできる
DJI
「RS 2 Pro コンボ」(10万5600円)
ほかの機材と組み合わせ、さまざまなアングルや方法で撮影できるので、まるで映画のような映像を撮影できます(藤本さん)
カーボンモノコック構造で重さ1kgと軽量性を実現。最大積載量は約4.5kgで大きなカメラも載せられる。同社製に加え多くのサードパーティ製にも柔軟に対応し、多彩な撮影が可能。
■まずは手持ちのスマホでムービー撮影を体験することもできる
藤本さんは「動画は撮影してみたいけど、そのコツがわからない、予算的にミラーレスカメラは少し二の足を踏んでしまう、という方はこのジンバルにスマホをセットして撮影体験するのもいいと思います」と話す。
搭載された5つの強力モーターと高度なアルゴリズムが被写体の動きを捉え、スムーズなムービー撮影を可能にしてくれる。また、ロッドを215mm伸ばすこともできるので、セルフィーや少し高い視点からの撮影などもできる。
DJI
「OM 5」(1万7930円)
※2022年4月6日発売「GoodsPress」5月号64-66ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/松尾直俊 写真/増本雅人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/447794/
- Source:&GP
- Author:&GP