Appleは現在のところ、iPhoneに搭載している近距離無線通信(NFC)の使用をApple Payに限って許可していますが、欧州委員会をはじめとする規制当局がこれは反競争的であるとの見方を強めています。Appleの動向に詳しいBloombergのマーク・ガーマン記者は、iPhoneのNFCがサードパーティーに開放される日は迫っていると推測しています。
次の戦場はNFC
App Storeでの決済方法をめぐって、ゲーム開発者や規制当局からその正当性を疑問視する声が高まっていますが、次の戦場はiPhoneのNFCをつかさどるチップになるだろう、とガーマン氏はBloombergの記事の中で述べています。
NFCとは近距離無線通信の略で、iPhoneでのコンタクトレス決済を可能にする技術のことです。現在、NFCを使用できるのはApple Payのみとなっていますが、これは独占的ではないのかとの見方をサードパーティー決済サービスおよび規制当局が強めており、Appleが変革を求められる日が迫っているとのことです。
NFCの開放は将来的に収益に大きく影響
現在のところ、Apple Payをはじめとする金融サービスの売上がAppleのサービス事業の中で占める割合は比較的小さく、Apple Payがもたらす手数料は年間10億ドル(約1,312億円)ほどとされています。
しかしながら、Visaが今年初めに米国の取引の20%が非接触型であると発表しているように、コンタクトレス決済の割合は増加傾向にあります。この比率が3年後、5年後、10年後にどうなっていくかを想像すると、NFCのサードパーティー開放によってAppleが失う収益はかなり大きくなると予想されます。
セキュリティ性を損なわずに開放することは可能
AppleはNFCを他社サービスへと開放しない理由として、セキュリティ性の確保を挙げていますが、ガーマン氏いわく、AppleにNFCをサードパーティーに開放する安全な方法を見出す技術的な手腕はあるはずとのことです。
Apple Payがサードパーティー製サービスよりも便利であり続けることはおそらく間違いないが、少なくとも消費者が選択肢を持つことに害はないだろう、とガーマン氏はコメントしています。
Source:Bloomberg
Photo:Apple
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-454118/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania