【アウトドア銘品図鑑】
キャンプに慣れると、せっかく買ったのにだんだん持っていかなくなるモノが出てきます。いくつも持っていった食器はロッキーカップになり、大型テーブルの代わりにフィールドラックに。ランタンも燃焼系からLEDになって、一泊だったらタープすら持たないことも珍しくありません。
そして早々に脱落しちゃうモノのひとつがジャグ。あるといいのはわかるけど、とにかくかさばるし重い! ソロだったら炊事棟フル活用でウェットティッシュで対応しちゃおうとなるわけです。
そんな脱ジャグ派に一石を投じたのが、Colapz(コラプズ)「2-in-1 Water Carrier & Bucket」(8250円)。
2010年にイギリスで生まれたコラプズ社が作った、折りたためるジャグなんです。
■たたむと厚みは6cm!
「2-in-1 Water Carrier & Bucket」はなんとスタンド付き。収納袋に入れて、なんならほかのキャンプギアといっしょにバックパックに入れて持ち運べます。
「2-in-1 Water Carrier & Bucket」本体とフタや蛇口、スタンドまでついていて、これらを全部収納袋に入れて持ち運びます。収納袋は比較的ゆとりがあるので、キャンプギアにありがちな“一度入れたら元に戻せない”なんてことはありません。
釣りやキャンプで使われる折りたたみバケツと同じようなたたまれ方をしていて、樹脂製のストラップでぺたんこをキープ。
このストラップがとても細く、いつか切れるんじゃないかと不安に感じてしまいますが、普通に使っている分には大丈夫。もっともストラップが切れたとしても収納袋に入れればいいので問題ありません。
開くだけでは、くしゃっとして頼りない感じ。下の方にキャップが付いていて、このままだとバケツとして使えます。ジャグとして使う場合は、フタに取り付けられていた蛇口に取り替えます。取り外したキャップは、フタの蛇口が収まっていた部分に取り付けておけばなくす心配がありません。
水をくめばこの通り、本体がシャンとしました。折りたたみできるウォーターボトルとは違い、底がしっかりしているので安定感が違います。それにテーブルだけじゃなく、スタンドに載せられるのもイイ!
なお、バケツ状態で水をくむと、水を入れたまま本体側面のキャップを蛇口に取り替えることはできません。ご注意を。また、取り付け時に内側のゴムパッキンを紛失すると水漏れします。付け替え時にチェックしましょう。
■スタンドと窓が便利
「2-in-1 Water Carrier & Bucket」のメリットは、たたんで持ち運びが楽であることだけではありません。折りたたみ式バケツや一般的なジャグとはひと味もふた味も違う機能が搭載されています。
付属スタンドは2枚のプレートをV型に折って組み合わせるだけ。キッチンテーブル等がなくても、ジャグを地面に直接置かずにすむので衛生的だし食器に水を注ぎやすくなりますよ。
水が少なくなると蛇口を全開にしても水量はチョロチョロに絞られてしまいます。この対策のため、空気孔が付いているのはハードタイプのジャグと同様。
蛇口の上は半透明の窓が付いていて、ふたを開けなくても水の様子がわかります。これが意外に便利。
水を注ぐときにレバーを横にずらしたりボタンをジャグ側に押し込んだりする仕様だと、硬いレバーではジャグごと倒しそうになるので結局片手では扱えないし、ひねって開け閉めする蛇口は硬く閉めちゃう人がいると大変です。
「2-in-1 Water Carrier & Bucket」の蛇口は上から押す(またはレバーを上げる)と水が出る仕様で、指の力が少ない子どもでも扱えます。調理作業の途中、サッと扱えるのがいいんです。
フタ全体が開くのでフタに付いているキャップは不要なのでは……とも思いましたが、風が強い日など、ほこりっぽいフィールドで水をくむときには、フタ全体ではなくキャップを開いて水をくむほうがゴミが入りにくいわけです。不要に思えますが、やっぱりフタのキャップは必要なんですね。
また、ハンドルはコードを樹脂で包まれています。型崩れしづらいので邪魔になりそうな気がしますが、たたんだ状態はきれいに収まるし、なによりも手に食い込みません。容量8L+ジャグ重量=約8.5kgであっても手が痛くならないのがいい!
ただこのフタ、しっかり閉まっているように見えて、密閉できるわけではありません。倒すと水が漏れるのでご注意を。
* * *
ジャグを持っていかなくなるとペットボトルや大きめのボトルをジャグがわりにするわけですが、これでは鍋を持ちながら片手でボトルのフタを開けるのが難しい。些細なことですが軽くイラッとするし、失敗して鍋の中身をぶちまけることだってあるわけです。
「2-in-1 Water Carrier & Bucket」なら片手操作OK。それに本格的な食器洗いは炊事棟で行いますが、ジャグがあればキッチンペーパーにたっぷり水を含ませて汚れを拭き取れます。ウェットティッシュよりもコスパよし! それにフタを取ればバケツになるので、帰り際に購入した新鮮野菜を持ち帰るのにも使えます。すみずみまで洗えるし、乾燥も早く衛生面での不安もありません。
残念ながら保冷機能はありませんが、その分軽くて持ち運びやすい。煮込みや野菜洗いなど調理に使う水だと割り切り、そのまま飲むのはクーラーで保管した冷え冷えペットボトルの水でいいんです。
あるとないでは大違いだと再認識させてくれる「2-in-1 Water Carrier & Bucket」。なくてもいいと思っていたジャグですが、むしろ積極的に持っていきたいと思わせる名作です。
>> Colapz
<取材・文/大森弘恵>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/449728/
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- Author:&GP