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凸版、長距離輸送用の温度管理ラベル開発。低価格で回収不要、生鮮食品などの品質保持支援

凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)は、温度を一定時間ごとに測定・記録し、その履歴データを無線通信によりデータベースに転送できる薄型カードサイズの「温度ロガーラベル」を開発しました。

なお、販売開始時期は2022年6月を予定しています。

厳格な温度管理が求められる食品の長距離輸送

通常の物流とは違い、食品の長距離輸送では厳格な温度管理が求められているといいます。

とくに、肉や魚、野菜などの生鮮食品、乳製品や総菜などの要冷蔵食品は、鮮度の維持と品質劣化の防止のために、商品ごとに設定された温度で輸送することが必要とされているようです。

これまで輸送時の温度を管理するツールとして、一定間隔で温度を測定し記録する温度ロガー機器は市販されていましたが、「コストがかかる」「使用後の回収に手間がかかる」といった課題があったようです。

そのため、国際輸送など長距離にわたる温度管理が求められるシーンでは、使用後に回収する必要がなく「ワンウェイ」で利用できる、低価格な温度ロガーの需要が高まっています。

そんななか、凸版印刷が開発したのが「温度ロガーラベル」です。

輸送品の表面温度の変化を自動で記録

温度ロガーラベルは、貼付された輸送品の表面温度の変化を任意のタイミングで自動的に記録し続ける無線通信ラベルです。

データダウンロード用の端子や表示用ディスプレイを省くことで構造と機能をシンプルにし、既存の温度ロガー機器の10分の1以下の低価格を実現。また、使い切り型バッテリーを搭載することにより、配送後にラベルを回収しない「ワンウェイ利用」を可能とします。

温度測定の間隔は1秒ごとから60分ごとまで、22段階から選択可能。温度測定の開始をタイマー設定できるため、冷蔵保管庫内での作業時間を短縮し、作業者の負荷を軽減するとのことです。

「クラウド型管理システム」で温度履歴を管理

凸版印刷は、温度ロガーラベルに保存した温度記録を読み取る専用のアプリケーションと、読み取った温度記録を可視化するクラウド型の管理システムを統合的に開発。

クラウド型管理システムには、温度ロガーラベルへの不正アクセスを防ぐ「アクセス認証機能」や、輸送品の状態を管理する「トレーサビリティ管理機能」など、長距離輸送時の温度管理に求められる機能を搭載しています。

メーカーや販売会社などの担当者は、離れた場所でも輸送品が適切な保存状態を保っているかどうかを把握できるでしょう。

2023年度に5億円の売上を目指す

凸版印刷は、「温度ロガーラベルとすでに開発・提供しているID認証プラットフォームを組み合わせることで、輸送中の温度管理だけでなく、商品の真贋判定やトレーサビリティ、顧客接点の強化など、サプライチェーン全体を最適化する包括的なサービスを実現します」と語っています。

今後は、ソフトウェアやシステムを含めた温度管理ソリューション関連事業で、2023年度に5億円の売上を目指す構えです。

PR TIMES

(文・Haruka Isobe)

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