【安くても傑作モノ】
昔からオートバイでソロキャンプに出かけるライダーはいた。しかし、ここ数年でブームが再燃。公共交通機関を使うより自由に、クルマよりも気楽に移動できることが人気の理由だろう。そんなツーリングキャンプにピッタリなグッズを、アルペンアウトドアーズ港北ノースポートモール店で聞いた。
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オートバイは自由な乗り物。思いつくまま、気の向くままどこにでも行ける。そして目的地に着いたらキャンプをして過ごす…。そんな思いに駆られたことがある人も多いだろう。しかし、一番問題になるのが、クルマに比べて荷物の積載量が絶対的に少ないこと。
自らもソロキャンプに出かけることが多いという、アルペンアウトドアーズ 港北ノースポートモール店の店長、伊藤和雄さんは「ツーリングキャンプが目的で来ていただくお客様も多いですが、やはり軽量でコンパクトなギアをお勧めしています」と話す。
「いきなりソロでツーリングキャンプをするというのは少し無理があります。どんな形でもいいですから、何回か経験を積んでからのほうがいいでしょう」
野外で過ごす、宿泊する経験がなければ道具選びもできない。つまりキャンプギア選びはトライアンドエラーなのだ。実際に使って、どんな場面でどのような不便が生じるかを繰り返し体験しないと、快適なキャンプにはならない。
「ただ、初心者だからといって安価なものを選ぶと失敗も多い。信頼性のあるブランドの機能がしっかりしたものを選ぶほうが、後々後悔することが少なくて済むと思います」
そんな視点で、伊藤さんにキャンプの食と住に関わるギアをセレクトしてもらった。
自然の中で過ごすことが好きで、最近はもっぱらウルトラライトスタイルで、バッグ一つでキャンプに出かけている。釣り歴35年、キャンプ歴15年のベテラン
アルペンアウトドアーズ 港北ノースポートモール店
2021年3月にオープンした、売り場面積約850坪の関東最大級のショップ。広い店内にはキャンプに必要なウエアからギアまで全てのモノが揃っている。初心者からベテランまで、幅広く満足のいく買い物ができる
住所:神奈川県横浜市都筑区中川中央1-25-1ノースポートモール地下1階
営業時間:10:00〜21:00
【テント】目的地に到着したら、まずは拠点作り
1. ソロキャンパーから圧倒的な支持を誇るロングセラー
コンパクトにまとまるのに、前室もあってゆったり過ごせます(伊藤さん)
キャンパルジャパン
「ステイシー ST-II」(4万8400円)
収納サイズ52×19×19cm、重量約3.9kgと小さくまとめられる。しかし組み立てると、小型のオートバイであれば入れられるくらい広い前室を確保。また別売のタープを組み合わせて使うことも可能だ。
2. 軽さと強度を高次元で融合させた優れたモデル
ソロキャンプやツーリングキャンプに最適な2人用の軽量テントです(伊藤さん)
ムラコ
「ニンバス 2P」(4万2000円)
40Dのリップストップナイロンを採用しているので、軽量で高強度、そしてコンパクトに収納できる。大きな前室も設けられているので、テント内で使わないものを置いたり、そこで簡単な食事をしたりすることも可能だ。
3. 独自のフレームワークで組み立てと撤収時の分解が簡単
耐風性に優れた独特なデザインで、快適に過ごせますよ(伊藤さん)
ヘリノックス
「タクティカル・アタック・ソロ」(7万4800円)
世界的なポールメーカー、DAC社が展開するヘリノックスのテント。フライ部が5000mm、フロア部で10000mmの耐水圧で、耐風性も高いデザインが施されたヘビーデューティーなモデル。上部には大きめの通気口も設けられている。
【スリーピングマット】テントの中で快適に寝るにはスリーピングバッグにプラス
4. コストパフォーマンスと耐久性に優れたマットを敷く
軽量で快適性に優れたエアマットで、別売のポンプも軽量です(伊藤さん)
SEA TO SUMMIT
「キャンプマットS.I.」(9570円〜)
マルチファンクションバルブを採用し、設営と撤収が簡単。さらに空気量によって硬さを調整できる機能も備えている。体圧が掛かかり保温性とサポート性が求められる部分はウレタンフォーム穴を小さくして快適に寝られるようになっている。
5. コンパクトに畳めるフォームパッド
独自形状のフォーム素材で心地よく、断熱性にも優れた製品です(伊藤さん)
NEMO
「スイッチバック レギュラー」(7150円)
NEMO独自の六角形をベースとしたフォームパッドを採用し、快適な寝心地を確保。裏面には熱を反射するサーマルフィルムを貼り付けて、独自のフォーム形状に空気を溜め込めるので、断熱性が高く地面からの冷えを防いでくれる。
6. エアポンプも内蔵し収納サイズも小さくなる
エアの注入が簡単で、すぐに快適な寝心地で使えるモデルです(伊藤さん)
IGNIO
「コンパクトエアマット」(3289円)
アルペンのオリジナルブランドのスリーピングマット。収納時サイズ15×12×26cmとコンパクトだが、使用時は195×60×6cmとゆったりとしたサイズで快適に寝られる。踏み込み式ポンプを内蔵していて簡単に膨らませられるので設営がラクで、重量も600gと軽量で持ち運びも苦にならない。
【スリーピングバッグ】疲れた体を癒すには、快適にしっかり眠ることが重要
7. 春から秋までのシーズンに最適な設計
夏の北海道ツーリングや3000mクラスの山岳行にオススメです(伊藤さん)
イスカ
「ダウンプラス タトパニ X」(2万5300円)
上面にゆとりを持たせた3D構造で体をしっかり包み込み、保温性低下の原因となる無駄なスペースを抑えつつ、内部の適度な余裕が睡眠中の動きを妨げない。また、寒さに敏感な足元にはダウンを多めに充填して保温性を向上させている。
8. 合理的な構造で軽量化された3シーズンモデル
超撥水加工が施された、高品質で高性能のダウンが使われています(伊藤さん)
ナンガ
「UDD 280 DX」(3万4100円)
高機能ダウン(770FP)を使用しているので、ダウン最大の弱点である水濡れを克服。化繊と較べて軽く小さく暖かい。シングルキルト構造で収納時は直径13×20cmになり、重量は280gと持ち運びもラクなモデル。
9. シングル構造でコンパクトになる
ツーリングキャンプだけでなく、夏の中級山岳での宿泊にも使えます(伊藤さん)
イスカ
「ダウンプラス チロル X」(2万900円)
生地の裁断・縫製を内側と外側を異なったサイズで行うディファレンシャルカットを採用。さらに、エリアごとにダウンの充填率を最適化することで、保温性と軽量化を両立させている。
【クッキングギア】長旅で消耗したエネルギーを食事で補給する
10. 2つのクッカーとプレートとして使える
優れたデザインのスタッキングシステムを追求した便利なギアです(伊藤さん)
スノーピーク
「チタンパーソナル クッカーセット」(8690円)
軽量で堅牢、耐食性にも優れたチタン製のクッカー。ハンドルを折りたためるので、ひとつにまとめて収納できる。浅底のクッカーは取り皿やフライパンとしても使えるので便利だ。
11. 調理に必要なものがひとつにまとまる
バーナーヘッドと燃料ボンベがピッタリ収まるアルミクッカーです(伊藤さん)
SOTO
「アミカス クッカーコンボ SOD-320CC」(7500円)
4本ゴトクで鍋を安定して置けるトータルバランスに優れたシングルストーブとアルミクッカーのセット。1000mlと500mlのクッカーは、別売のOD缶も収まるサイズになっており、収納すれば調理に必要なものを一つにまとめて携行できる。
12. サイズ違いの2つがあれば料理の幅が広がる
大小2つを重ねて収納すれば、荷物もコンパクトになります(伊藤さん)
トランギア
「メスティン TR-210」(1980円)
「メスティン TR-209 ラージ」(2970円)
熱伝導率が高いアルミ製なので熱が全体に回りやすく、アルコールバーナーで炊飯しても美味しく炊くことができる。また大小2個を組み合わせて使うことで作れる料理のバリエーションも広がり、ソロキャンプといえども食事の楽しみが膨らむ。
■ゆっくりとくつろぐためのグッズも用意しよう
キャンプの夜といえば、焚き火も楽しみのひとつ。調理もできるし、冬場は暖も取れる。そして焚き火の炎には、“1/fゆらぎ”という効果がある。不規則に揺れる炎のリズムを見たり、薪が弾ける音を聴いたりすると、人はそれを快感と感じてリラックスできるのだ。しかし、今はほとんどのキャンプ場で直火は禁止。小さなものでいいので、焚き火台を用意しておこう。
テントの中や外で作業する時の明かりも必要だ。クルマで行くキャンプであれば、大型で強力なランタンを持っていくことができるが、オートバイではそうはいかない。小さくても照度が高く、ヘッドライトがテント内の照明にもなるタイプを揃えておくと便利だ。
また、地面に直接座るのは意外と疲れるもの。軽くてコンパクトに収納できるチェアを持っていくと、たとえ小さなものでもゆったりと過ごせる。
【焚き火台】キャンプの夜はゆらめく焚き火の炎で癒されたい
13. 焚き火と料理に必要なものが全て揃っている
組み立て不要で、開くだけで簡単に設置できる焚き火台です(伊藤さん)
ダックノット
「焚き火台 B.S.Tスパッタシート SET」(1万5950円)
使い勝手重視の削ぎ落とされたデザインで、開いて置くだけで設置が完了する。火床が船底型になっていて熾火を残すこともできるので、再着火がスムーズに行えるのも便利だ。地面や芝生を熱や火の粉から守るフェルトのスパッタシートも付いている。
14. 側板を外せば大きな薪も使える軽量なモデル
チタン製で燃焼効率も良く、焼き網も付いていて料理もしやすいです(伊藤さん)
ベルモント
「焚き火台 TABI BM-263」(1万1000円)
6本の脚で火床をしっかり支え、安定させられる。収納時のサイズは178×360×15mmで薄くなり、使用時は237×360×170mmになるので、ソロだけでなく少人数のキャンプや渓流釣り、沢登りなど、多彩な用途に使うことが可能だ。
15. 薪や小枝を使って手元で焚き火ができる
燃焼効率が良くて、誰でも簡単に火を熾せる高品質なステンレス製です(伊藤さん)
ソロストーブ
「ソロストーブ ライト」(8800円)
ステンレスの二層壁構造で、小枝や薪などで火を熾すと発生する可燃性ガスを含んだ煙を二次燃焼で燃焼させる。火力が強く、約950mlの水を8〜10分で沸かすことができる。また煙も少なく、服にも匂いが付きにくい。
【照明器具】コンパクトなライトで暗闇に灯をともす
16. 超小型で超明るいアウトドア用ランタン
付属の専用充電池と市販の単三電池の両方で使えます(伊藤さん)
レッドレンザー
「ML4」
「ML4 Warm Light」(各4950円)
高さ約97mmの掌に収まってしまう超小型ランタン。マイクロプリズムリフレクター技術で、眩しさを低減しつつ効率的に照らしてくれる。白色光と暖かみのある光の「Warm Light」の2種類がある。
17. デザインと機能を両立させた小型ライト
クレイモア
「キャップオン」(6050円)
サイズ51.2×50.1×30.4mm、重量43gの超々小型ライトだが、20〜280ルーメンの明るさ。そのうえモーションセンサーを搭載し、発光モードを3通りに切り替えられる。様々な場面で役立つはずだ。
18. 点灯面の切り替えと照度調節に対応したライト
折りたたみスタンドとつり下げ用ハンガーを装備していて使いやすいです(伊藤さん)
ゴールゼロ
「Lighthouse Mini R2」(7480円)
最大で210ルーメンの光量があるLEDライトを搭載。点灯面の切り替えと照度調節ができる多機能ランタン。バッテリー残量が分かるインジケーターが付いていて、フル充電で最大約500時間の使用が可能なので、防災用として用意しておいてもいい。
【チェア】小さな存在だがリラックス度を上げてくれる
19. どこにでも持ち運びたくなる小型軽量設計
開くだけで素早く組み立てることができるので、すぐに使えます(伊藤さん)
ヘリノックス
「タクティカル スピードスツール」(1万4080円)
収納サイズ44×10×10cm、組み立てると36×26×25cm、耐荷重100kgのスツールになる。重量575gと小さく背もたれもないが、地面に直接座るよりは、ずっと楽に過ごせるようになるので、ぜひ用意しておきたい。
20.ゆったり座れるポリエステル製チェア
ポケットやモールテープが配置され、使用シーンに応じて拡張できます(伊藤さん)
5050WORKSHOP
「コンパクトフォールディングチェア」(7700円)
広い座面を持ち、ゆったりと座れるのに重量は約1.35kg。剛性の高いアルミニウム合金のフレームに、高強度ダブルレイヤー仕上げの600デニールポリエステル生地を使用しているので耐久性も高い。
>> 特集【安くても傑作モノ】
※2022年5月6日発売「GoodsPress」6月号50-53ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/松尾直俊 写真/増本雅人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/451067/
- Source:&GP
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