放送事業を中核事業とする株式会社RKB毎日ホールディングスは、ネッツフォレスト陸上養殖株式会社とのパートナーシップを構築。サーモンの陸上養殖事業に取り組むことを発表しました。
今後詳細な事業検討をおこない、2022年中を目途に事業会社を設立する予定です。
陸上養殖で海洋環境保全や安定的な食糧確保を
水産庁は、令和2年度水産白書のなかで、世界の1人あたりの食用魚介類の消費量は半世紀で約2倍となった一方、世界の水産資源の34%は過剰利用(適正レベルよりも資源量が少ない)されていると発表。
そのようななか、ネッツフォレスト陸上養殖株式会社によると、年間を通じて水産資源を安定的に供給できる陸上養殖への注目度が高まっているといいます。
陸上養殖とは、海や湖沼などの天然の養殖環境が存在しない場所に養殖場を建設し、地下水などを施設内で循環させて魚を育成する養殖システムのこと。
酸素量、水温、滅菌などを人工的にコントロールした計画的な育成が可能なため、気候や気象など外部環境の影響を受けずに、安心・安全・おいしい魚を供給することができるとされています。
同社代表取締役社長の貴田剛氏は、今回のパートナーシップ構築を受けて、「九州でも最新陸上養殖技術を展開し、海洋環境の保全や安定的な食糧確保など社会課題解決に繋がることを期待しています」とコメントしています。
RKB毎日HD、新事業への挑戦
RKB毎日ホールディングスは、エリア貢献を使命として、中核事業である放送事業に加え、新たな事業の創出に取り組んでいます。
2021年には、グループとして取り組んでいるSDGsをテーマに、「SDGs」「多様性」をキーワードとしたプロジェクトやイベントなどを実施。2022年2月には、「第2回みんなのSDGs展
~こどもFUKUOKA未来博~」を開催しました。
同社は、ネッツフォレスト陸上養殖株式会社とのパートナーシップ構築を通じて、陸上養殖場での雇用創出や生産されたサーモンを通じた地域経済の活性化をはかるとともに、海洋環境の保全や国内での安定的な食糧確保などのSDGsにも貢献していく構えです。
震災復興めざす福島でも陸上養殖の実証中
陸上養殖を通じた地域の地場産業創出をめざす取り組みは、震災復興を進める福島県浜通り地区でもおこなわれています。
JR東日本の列車輸送サービスを活用して品川駅から浪江駅まで、一部の稚魚を輸送する取り組みなども実施しました。
陸上養殖を通じた地域経済の活性化と、持続可能な水産資源の供給体制構築をめざす挑戦に今後も注目です。
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RKB毎日HD 2022年3月期 決算短信
令和2年度 水産の動向 令和3年度 水産施策
ネッツフォレスト陸上養殖株式会社
(文・takuma hanawa)
- Original:https://techable.jp/archives/179169
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:hanawatakuma