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北斎の“晩年”がテーマの特別展開催。「鳳凰図」を300億画素のデジタル技術で完全再現

株式会社NTT ArtTechnology(以下、NTT ArtTechnology)と株式会社アルステクネ(以下、アルステクネ)は、長野県小布施町にある岩松院本堂の天井絵「鳳凰図(通称:八方睨み鳳凰図)」を、300億画素のデジタルデータにより実物大で完全再現。

東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は、6月2日(木)~7月3日(日)の期間、このデジタル作品をはじめ北斎の晩年に思いを馳せられるような作品などを展示する特別展を、NTTインターコミュニケーション・センター(以下、ICC)にて開催します。

実物大マスターレプリカ展示

特別展のタイトルは、「『Digital×北斎』特別展 『大鳳凰図転生物語』 − 小布施とHOKUSAI 神妙に達していた絵師 –」です。

最も注目したいのは、300億画素のデジタルデータを活用した岩松院本堂天井絵「鳳凰図」の実物大マスターレプリカ(横6.3m×縦5.5m)。本来は、岩松院でしか鑑賞できない「鳳凰図」をICCで鑑賞できます。

マスターレプリカは、アルステクネの特許技術「高品位三次元質感画像処理技術(DTIP)」を用いて制作。DTIPは、絵画の図像・色彩・質感・立体感などのデータを読み取り、特殊な画像処理システムによって合成する技術です。

北斎が目指したであろう「鳳凰図」を制作、体感型作品も

また、「鳳凰図」の調査・デジタル化の過程で得られた発見・考察についても動画やパネルで紹介。主な発見・考察としては、“一定の方向から光をあてると「鳳凰図」が光る”や“光らせることを意図して用いた線描の手法”、“天井絵が未完成であった可能性”などが挙げられます。

今回は、こうした発見・考察をもとに北斎が目指していたと思われる推定完全復原版「鳳凰図」を制作。岩松院本堂を再現した空間に展示します。

また、正面・左右・床面・天井に映像を投影する体感型作品として、大型3Dダイブシアター「大鳳凰図転生物語」も展示。北斎の意図を最新のデジタル・アートで表現します。

晩年作品のマスターレプリカ、空中投影も

このほか、DTIPを用いて制作した、北斎が晩年に力を注いだ肉筆画作品のマスターレプリカや、生涯に描いた4つの鳳凰図の紹介および関係性の説明なども見どころでしょう。

また、空中に投影された操作画面を非接触で操作し、作品を拡大してモニターで鑑賞するシステム「フローティングギガビューワー」では、原図・天井絵・推定完全復原版の細部を鑑賞できます。

「分散型デジタルミュージアム構想」を目指す

同展は、NTT東日本・NTT ArtTechnology・アルステクネが開催してきた「Digital×北斎【序章】」展と「Digital×北斎【破章】」展に続くもの。ちなみに「Digital×北斎【破章】」展では、「冨嶽三十六景」などを20億画素でデジタル化ています。

今後は、準備期間を経て「Digital×北斎【急章】」展を開催する予定とのことです。

NTT東日本とNTT ArtTechnologyは、ICT技術を活用してさまざまな人々が身近な環境で文化芸術を楽しめる「分散型デジタルミュージアム構想」の実現を目指しています。ICCで岩松院の「鳳凰図」を再現する同展は、これに資する取り組みと言えるでしょう。

PR TIMES
東日本電信電話株式会社
株式会社アルステクネ

(文・Higuchi)

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