仕事をしていて集中力が続かない、だらだらと長く仕事をしてしまうという悩みを持っている方には「ポモドーロテクニック」がおすすめです。
25分の仕事と5分の休憩の繰り返しにより仕事の効率を高めるこの技術は、世界中の多くの方々に使われています。
「Focus To-Do」はそんなポモドーロテクニック用のタイマー機能に加え、タスク管理機能や作業時間の統計取得機能を備えたアプリであり、iPhone、iPad、Mac、Apple Watchを始め、さまざまなデバイスで利用可能です。
今回はFocus To-Doを実際に1カ月以上使ったレビューをお届けします。
25分の作業と5分の休憩の繰り返しで集中力を高める「ポモドーロテクニック」
ポモドーロテクニックは、1980年代にイタリア人のフランチェスコ・シリロ氏によって開発された時間管理術です。
特徴は25分の作業と5分の繰り返しでタスクをこなす点にあり、これにより集中力を高く保ちながら作業をおこなうことができます。
「ポモドーロ」はイタリア語でトマトを意味し、シリロ氏が大学生時代にトマト型のキッチンタイマーを使いポモドーロテクニックを開発したことからこの名前が付きました。
当時は紙とタイマーでポモドーロテクニックをおこなっていましたが、現在ではポモドーロテクニックを支援するためのスマホアプリが多数リリースされています。
ポモドーロテクニックの詳細については、シリロ氏の著書である「どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門(CCCメディアハウス)」などを参照してください。
ポモドーロテクニック支援アプリの決定版「Focus To-Do」
そんなポモドーロテクニック支援アプリの決定版ともいえるのが「Focus To-Do」です。
※アプリの金額については記事執筆時の価格を記載しております。インストール前に、「App Store」での表示価格をご確認いただきますようお願いします。
まずはこのFocus To-Doの特徴を解説します。
ポモドーロテクニックのタイマーが簡単にセットできる
Focus To-Doはポモドーロテクニックで必要とされる25分の作業と5分/15分の休憩のためのタイマーを簡単にセットできます。
タイマーをスタートするとカウントダウンが始まり、Macの場合は上のスクリーンショットのように右上に残り時間が表示されます。
25分の作業時間が終わると自動的に休憩のためのタイマーがセットされ、スタート後にカウントダウンが0になると再び作業用のタイマーがセットされる仕組みです。
この「25分」、「5分」、「15分」といった時間は自分好みにカスタマイズできます。
何回作業を繰り返したら長い休憩を取るかについても変更可能です。
ポモドーロテクニックに必要な機能がシンプルかつ柔軟に実装されているので、誰でも簡単に使えるでしょう。
タスク管理機能を搭載
ポモドーロテクニックで求められる予定しているタスクをリストとして書き出すことに対し、Focus To-Doにはプロジェクトおよびタスクの管理機能が備わっています。
上の画像はその1例です。
各プロジェクトにはタスクを設定でき、期限やかける予定の時間(ポモドーロ数)もセットできます。
また、タスクにはサブタスクを作成できるほか、繰り返しやリマインダーのセット(課金版のみ)も可能など、本格的なタスク管理機能が利用可能です。
この機能を活用すれば、多くの仕事を抱えても優先順位を間違えることなく実行できるでしょう。
作業の統計を取って効率改善につなげられる
Focus To-Doのタイマーは、各(サブ)タスクに紐付けて実行することが可能です。
これにより、各プロジェクトにかかった時間の統計を取ることができます。
たとえば、筆者の5月の統計は以下のようになりました:
この機能を使えば自分がどのプロジェクトに時間を多く費やしているのかがわかり、効率改善へとつなげることができます。
数多くのデバイスに対応
仕事ではさまざまなデバイスが使われますが、Focus To-Doが対応しているデバイスは多彩です。
- iPhone/iPad
- Apple Watch
- Mac
- Windows
- Chromeブラウザの拡張機能
- Androidスマートフォン/タブレット
仕事で使う可能性のあるほぼすべてのデバイスに対応しているといっても過言ではないでしょう。
また、Focus To-Doは基本機能を無料で使えるアプリですが、課金することでデバイス間の同期が可能です。
これにより、仕事でさまざまな端末を使ったり、仕事とプライベートで異なるデバイスを使ったりしても、タスク管理を一元的におこなうことができます。
課金でさらにパワーアップ
Focus To-Doは無料でも利用できますが、課金することでさらに便利な機能が追加されます。
そのなかには、
- デバイス間同期
- データのクラウドバックアップ
- 統計表示の詳細化
- タスクへのタグ付け
- プロジェクトを無制限に作成可能
- ポモドーロ記録の手動での追加と編集
などがあります。
価格はこの記事執筆時点で3カ月版が490円、期間限定版が2,960円です(iPhoneおよびAndroidスマホで確認)。
期間限定なし版は50%オフセールをおこなっていることがあります。
実際にFocus To-Doを1カ月以上使って感じたメリット
それでは筆者が実際に1カ月以上Focus To-Doを課金した状態で使って感じたメリットについて述べたいと思います。
休憩をしっかり取れるようになった
筆者はどちらかというと、休憩を取らずに仕事をやり続けてしまうきらいがあるのですが、Focus To-Doを使ってポモドーロテクニックを実践することできちんと休憩を取れるようになりました。
仕事や作業をおこなっていると、なかなか切れ目がなく、休憩のタイミングを逸して長時間仕事をし続けてしまうことがありますが、Focus To-Doを使うと決まった時間でアラームが鳴るため、それをきっかけに休憩を取ることができます。
このおかげで、過度に疲労することが減ったと感じています。
作業への集中力が上がった
疲労の蓄積が少なくなった上に、25分という短い作業時間のため、1回の作業(ポモドーロ)への集中力が増しました。
また、1日の仕事は長いものですが、これを25分という短い単位で切ることにより、1日でおこなう仕事の時間が短く感じられるようにもなりました。
仕事の時間が長くてやりたくない、仕事になかなか集中できないと感じている方にもおすすめです。
スタンディングデスクとの相性が抜群
筆者はスタンディングデスクを使って作業をしているのですが、スタンディングデスクとポモドーロテクニックの相性が抜群です。
スタンディングデスクの欠点は疲れるという点ですが、ポモドーロテクニックを使ってこまめに休憩を取ることで、立って仕事をすることが苦ではなくなりました。
スタンディングデスクとポモドーロテクニックが相乗効果を生んでさらに作業効率が上がったと感じます。
淡々と作業をこなせるようになった
Focus To-Doはタスク管理、ポモドーロテクニック、作業時間の統計が1つのアプリにまとまっているため、自分が今何をやらなくてはいけないかが明確化されます。
このため、複数ある作業のうちどれから手を付ければいいかで悩むことなく、淡々と作業をこなすことが可能です。
こなさなければいけないタスクが多すぎるとやる気をそがれ、集中力を落とすことにつながるため、きちんとタスクが整理されることで作業効率を上げることができるでしょう。
Focus To-Doアプリの不満点
非常に有用だと感じたFocus To-Doですが、不満点もあります。
タイマーがデバイス間で同期されない
Focus To-Doは課金することでデバイス間のデータ同期ができるようになりますが、タイマーについては同期されません。
たとえばMacでタイマーをスタートした場合、その終了通知はMacにしか出ません。
これが困るのが15分の長い休憩時で、これだけ長い休憩を取るとMacがスリープ状態に入ってしまい、休憩終了のアラームが鳴らず、次の作業開始のタイミングがわからないという状態に陥ります。
かといって、Macで作業をするのにわざわざiPhoneやiPadでタイマーをセットするのも面倒です。
タイマーが同期する、あるいは終了通知がすべてのデバイスで出るよう改善してほしいと思います。
Googleカレンダーなどの外部カレンダーと連携できない
Focus To-Doが持つタスク管理機能は独自のものであり、Googleカレンダーなどとの連携ができません。
このため、場合によっては1つのタスクを複数のアプリで設定および管理する必要があり、面倒です。
Googleカレンダーにもタスク機能があるので、それと連携してくれるとより便利になると思います。
ご褒美機能があまりうれしくない
Focus To-Doのスマホ/タブレットアプリにはモチベーションを上げるため、ポモドーロをこなすと木が育つ機能が実装されています。
しかしながら、なかなか育たない上に育てても木なので、個人的にはまったくモチベーションが上がらないです。
また、世界中の利用者とポモドーロ時間を競うランキングもあるのですが、上位が遠すぎてこちらもモチベーションを上げるきっかけになりません。
もう少しモチベーションが上がる仕組みを導入してくれるとうれしいです。
仕事にメリハリを付けたい、集中力を上げたいと考えている方におすすめ
Focus To-Doはポモドーロテクニックを利用して仕事にメリハリを付け、集中力を増す効果があるアプリです。
特に自宅でリモートワークをしているとだらだらと仕事をしがちですので、基本機能は無料で使えることもあり、Focus To-Doを利用する価値があると思います。
筆者のようにスタンディングデスクとの組み合わせで使うのもおすすめです。
仕事をより効率的にこなすために何かきっかけがほしい、と考えている方はぜひお試しください。
Source: Focus To-Do
(ハウザー)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-459712/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania