スタンフォード大学発のエイターリンク株式会社(以下、エイターリンク)は、ワイヤレス給電によって配線のない“デジタル社会”の実現を目指しています。
そんなエイターリンクは株式会社竹中工務店と共に、4月20日~7月末の期間、大手町ビルInspired.Lab内にて長距離ワイヤレス給電「AirPlug」の実証実験を実施中です。
空調管理に重要な温度データ
オフィス空調の基準となる温度データは、天井付近にある空調機内部や壁のサーモなどで計測するのが一般的。しかし、窓からの太陽光などが要因となり、同じ室内でも温度の差が生じるといいます。
解決策としては、デスクやイスなど利用者に近い場所にセンサーを設置し、より体感に近いデータを取得すること。しかし、デスクなどは移動する可能性が高いため配線は困難なようです。
また、バッテリー交換にかかるコストを削減するためにも、多量のセンサーをワイヤレス給電で一括給電することが望まれているといいます。
デスク裏の温度を基準に温度設定
AirPlugからデスク裏に設置した小型環境センサー(温湿度・照度・CO2)にワイヤレス給電。環境センサーは空調機と連携し、生産性を向上させる快適なオフィス環境を実現するようです。
ちなみに「AirPlug」は、1台の送信機から100台以上の受信機へ同時に給電可能。
多様なセンサーに対応、工場でも有用
今回「AirPlug」は、環境センサーへの給電をおこなっていますが、このほか人感センサーやCMOSカメラなどにも対応しています。オフィス空間のさまざまなセンサーなどに給電し、よりきめ細かいセンシングを可能にします。
また「AirPlug」は、製造現場への導入にも最適とか。工場では、複数の生産ラインやロボットなどが稼動し、そのデータを収集するべく随所にセンサーが必要となります。
しかし、可動部や狭い場所への配線は困難なうえ、断線による機会損失もあるようです。そのため、長距離ワイヤレス給電が有用とされています。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/180413
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口