iPadOS16の新マルチタスキング機能「ステージマネージャ」が、M1チップ搭載iPadでしか使えない理由について、Appleのソフトウェア・エンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏が、米メディアTechCrunchのマシュー・パンザリノ氏との対談において、さらに詳しく説明しています。
M1 iPadでしか使えないステージマネージャ機能
ステージマネージャはアプリとウィンドウを自動的に整理し、タスク間の切り替えをすばやく簡単にできるようにするのに加え、最大6Kの解像度を備えた外部ディスプレイをサポートします。
しかしこの機能はM1チップを搭載したiPad ProとiPad Airでしか使うことができません。
この理由について、テック系YouTuberのリネ・リッチー氏がAppleに質問、「ステージマネージャには膨大な内部メモリ容量、非常に高速なストレージ、柔軟な外部ディスプレイI/O」が不可欠であり、これをすべて実現しているのがM1チップ搭載iPadのみだから」という回答を得ています。
フェデリギ氏が理由を詳しく解説
フェデリギ氏はパンザリノ氏との対談でiPadOS16で導入されるステージマネージャに触れ、M1 iPadにしか対応しない理由をさらに詳しく解説しました。
「超高速の仮想メモリスワップを実現する、非常に大きな容量のDRAMと、大容量かつ高パフォーマンスのNANDを組み合わせているのはM1 iPadだけだ。(ステージマネージャによって)ディスプレイ上で4つプラス4つ、つまり最大8つのアプリが即座に応答できるようにしつつ、かつ十分なメモリ容量を保つ。これは(M1 iPad以外の)他のシステムにはない能力だ」とフェデリギ氏は述べています。
同氏によれば、ステージマネージャはM1チップの機能を最大限に活かせるよう設計されているそうです。
ステージマネージャ機能により、ディスプレイ(外部ディスプレイを接続した場合は2つのディスプレイ)上で複数のアプリを開き、それぞれにおいてアニメーションを高いフレームレートで動かすことが可能になりますが、動画やグラフィックを最高に美しい状態で表示することができるのはM1搭載iPadだけで、それにより性能の低いiPadでは不可能だとフェデリギ氏は続けます。
「こうしたことをすべて鑑みると、性能の低いシステムではステージマネージャの完全な体験を提供することができない。できる限り(多くのユーザーに)提供したい。しかしこれ(M1チップ)は必須要件だ。この体験は未来につなげたい。性能の低いものに合わせることで設計を制限したくないし、(M1に限定することが)未来に向けたベンチマークを設定することになるのだと思う」(フェデリギ氏)
ちなみにステージマネージャはmacOS Venturaでも利用可能となりますが、macOSはすでに多数のマルチタスキング機能を備えているため、iPadとは少々事情が違うのだそうです。
Source:TechCrunch via MacRumors
(lunatic)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania