火星探査機というと最先端技術の結晶のように感じますが、実は欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機のソフトウェアはWindows 98がベースになっているそうです。
ESAは、火星探査機の機能向上のためにこのソフトウェアをアップグレードしたと発表しました。
Windows 98ベースのソフトウェアで動作するマーズ・エクスプレス
Windows 98ベースのソフトウェアで動作しているのは、ESAが2003年に打ち上げた火星探査機「マーズ・エクスプレス」です。
マーズ・エクスプレスはMARSIS(Mars Advanced Radar for Subsurface and Ionospheric Sounding)と呼ばれる装置を搭載し、火星の氷の下に埋まった塩水湖など、水の痕跡の探索と発見に重要な役割を果たしました。
このMARSISには20年以上前にリリースされた、Windows 98ベースの開発環境で作られたソフトウェアが搭載されています。
約20年ぶりにソフトウェアをアップグレード
MARSISは今後も火星探査に使われる予定ですが、古いソフトウェアが探査上のボトルネックになっています。
そこで、打ち上げから約20年を経て、ESAはWindows 98ベースのソフトウェアを新しいソフトウェアにアップグレードしました。
新しいソフトウェアが依然としてWindows 98ベースなのか、別のOSをベースにしているかは不明です。
しかしながら、アップグレードにより必要ないデータを削除できるようになり、5倍の動作時間を得ることができ、より広い範囲を探索できるようになったとのことです。
また、より高解像度での探査ができるようになり、まるで新しい観測機器が火星に到着したかのように進化しました。
Source: 欧州宇宙機関 via Neowin
(ハウザー)
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