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iPadでPDFファイルを扱うための5つの基本|iPad Hacks

【iPad Hacks_27】

ビジネスや勉強などを問わず、iPadをパソコン代わりに使ううえで、特定のファイル形式を表示・操作することは欠かせない作業です。特に、電子文書として一般的に使われているPDFファイルの扱いは重要。そこで本稿では、iPadでPDFファイルを扱ううえで、基本となる操作や知識について、概要をまとめました。

 

1. PDFを作成する

サードパーティ製のアプリをインストールせずとも、iPadOSの標準機能だけでPDFファイルを作成できます。ここでは、2通りの手順例を紹介しましょう。

ひとつは「写真」アプリの共有メニューからPDFを作成する方法。もうひとつは「メモ」アプリでスキャンした写真からPDFを作成する方法です。

写真アプリからPDFを作成する場合は、PDF化したい写真やスクリーンショットをひとつ、または複数選択した状態で、共有メニューを開き、「プリント」を選びます。

▲「写真」アプリで画像を選択し、共有メニューから「プリント」をタップ

▲プリンタを選択せず、「プリント」をタップし、表示された共有メニューから適当なものを選びましょう。これで選択した画像がPDFとして保存されます

プリンターを選択していない状態で、「プリント」を実行し、再び表示される共有メニューから「ファイル」アプリなどへの保存操作を選びましょう。AirDropでMacやiPhoneなどに直接送信しても構いません。

「メモ」アプリを使う場合は、新規メモを作成し、右上にあるカメラのアイコンをタップします。

▲「メモ」アプリでカメラのアイコンをタップし、「書類をスキャン」を選択

▲起動した画面で、書類や板書などを撮影すれば、それがPDFとしてメモ上に保存されます。ここでは本原稿を執筆中のMacBookの画面をPDFとして読み込んでみた

「書類をスキャン」を選択して、背面カメラを使って撮影します。すると撮影した画像は、メモの中でPDFファイルとして貼り付けられた状態で保存されるのです。このデータをタップして共有操作を行えば、他のアプリや機器に出力できます。なお、「メモ」アプリの同期をオンにしている場合には、テキストだけの場合よりも消費する通信量が多くなるので、その点は気をつけてください。

 

2. 「ファイル」アプリなどでPDFを管理する

iPadで、PDFをはじめとするファイルを保存・管理できるアプリには、さまざまなバリエーションがあります。いろいろと試してみて、好みにあうものを使えば良いのですが、ここではオススメの3つの方法を紹介します。

ひとつ目は、iPadOS標準の「ファイル」アプリです。各種クラウドストレージサービスとの連携もでき、タグ機能も備えるので、保存するストレージの場所によらず横断的にファイルを管理しやすいのが特徴です。

▲「ファイル」アプリの画面。保存してあるPDFを長押しすることで、名称の変更や圧縮なども行える

ファイル操作としては、名称変更や圧縮、複製、マークアップ、パスワードの設定(ロック)操作などが行えるので、大抵の場合、ファイルアプリさえ使っておけば困らないでしょう。

ふたつ目は、「ブック」アプリ。無理にこちらを使う必要はありませんが、管理するPDFが電子書籍やテキストがメインの書類である場合には、ブックアプリを使うと快適なことがあります。たとえば、複数ページにわたるPDFファイルを横スワイプで切り替えられますし、読んだページのパーセンテージ表示も確認できます。

3つ目は、PDF管理用のサードパーティ製アプリです。詳しくは後述しますが、高度な編集操作を行いたい場合に必要になるアプリです。一般的に、無料でも「ファイル」アプリと同等のシンプルな管理・操作は行えますので、もし高度な編集操作を使うことになるならば、保存・管理も同じアプリで一元的に行った方が良いでしょう。

 

3. マークアップ機能を使う

iPadでは、Apple Pencilなどを使って、PDFファイル上に手書きの注釈を加えられます。これを「マークアップ」機能と言い、「ファイル」や「ブック」などをはじめとする対応アプリでPDFを起動している際に、右上に表示されるペンのアイコンをタップすることで利用できます。ペンツールの扱い方などは「メモ」アプリと同じなので、書き込みする書類のページ数などがあまり多くない場合には、頼りになる機能です。

▲ファイルアプリに保存したPDFに対して、「マークアップ」機能で注釈を書き込んでいる様子。筆者としてもライター仕事には欠かせない機能だ

一方、何ページにもわたって、大量の注釈を記入しなくてはならないような使い方の場合、マークアップ機能では使い勝手が悪くなってきます。たとえば、意図せずアプリが落ちてしまうと、せっかく書き込んだ線が消えてしまうため、これを防ぐためには、こまめに保存操作を行いたいところです。しかし、マークアップ機能の画面を閉じて再度開く、という操作は億劫でしょう。

そんな時には「GoodNotes 5」や「Notability」のようなサードパーティ製の有料ノートアプリの出番となります。こうしたアプリでは、PDFを丸ごとノートに取り込んで、標準のマークアップ機能とは異なるペンツールが利用できたり、こまめな保存操作も少しは行いやすかったりします。クラウドを介してPCと連携できることも特徴です。必要があれば、手に馴染むものを探しておくと良いかもしれません。

 

4. メールなどにPDFファイルを添付する

iPad内でのPDFは、共有メニューやアプリ内メニューなどの操作だけでなく、ドラッグアンドドロップ操作にも対応しています。使用するアプリやサービスによっても差はあるでしょうが、メールにPDFを添付したり、チャットのスレッドにPDFを投稿したい場合などには、ドラッグアンドドロップ操作が利用した方が直感的に扱える場面は多いでしょう。

▲Split Viewで並べたアプリウィンドウ間を、ドラッグアンドドロップで移行させた様子。PDFをメールに添付するにはこの操作が便利だ

例えば、「ファイル」アプリに保存されているPDFファイルを、iPadOS標準の「メール」アプリで作成した新規メールに添付したい場合には、ドラッグアンドドロップが活用できます。その際には、Split Viewなどでアプリウィンドウを並べておくか、アプリウィンドウの切り替え操作などを行うと操作しやすくなります。

ちなみに、メールに添付されたPDFにマークアップを加えて返信する場合は、PDFを長押しして表示されるメニューから「マークアップして返信」を選ぶことで、操作手順を短縮できます。誤操作に気を付ける必要こそありますが、ファイルアプリへ保存→マークアップ操作→メールへの添付という手順が億劫な場合には便利なので、あらかじめ使い勝手を試しておくと良いでしょう。

 

5. 有料アプリが必要になる操作もある

前述の通り、PDFの高度な編集機能を利用したい場合には、サードパーティ製アプリを使う必要が出てきます。例えば、複数のPDFを連結させるといった操作は、iPadOSの標準機能としては提供されていません。

▲「Adobe Acrobat Reader」で、iPadのローカルストレージに保存されているPDFを選択し、メニューを表示している様子。筆者は仕事用にAdobe Creative Cloudのコンプリートプランを契約している関係で、有料版ライセンス(Adobe Acrobat Pro DC)が有効になっているので、「ファイルを結合」といった機能も利用できる

ただし、サードパーティ製のPDF編集用アプリでも、無料版では使える機能は「ファイル」アプリと大差ないことが多いですね。こうした高度な機能を利用するには、有料サブスクリプションの契約が必要となるので、その点は理解しておきましょう。

*  *  *

一気にすべての手法を覚える必要はありませんが、こうした手順や知識は、iPadでPDFを扱わなければいけない場面で必ず役立ちます。利用する可能性があるものは、メモしておき、時間のあるタイミングで一度試しておくと良いかもしれません。

>> [連載] iPad Hacks

 

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter

 

 

 

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