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ニコンら、AIで動物画像を検出するアプリ開発。野生動物のモニタリング調査で活躍

株式会社ニコン(以下、ニコン)と公益財団法人日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、AIを活用して撮影画像から動物を検出するアプリを開発。精度検証の結果を発表しました。

膨大な時間がかかる画像選別

自然環境のモニタリング調査を実施しているNACS-Jは、センサーカメラを使った動物の調査もおこなっています。

センサーカメラは熱を発する動物の動きに反応して撮影しますが、風に揺れた植物に反応してしまい、動物を写していないというケースもあるようです。

こうして収集した画像は、目視作業によって動物が写っているかどうかを判断します。ところが、調査で撮影される画像が年間数万枚におよぶ活動地もあるとか。これでは、膨大な労力と時間がかかってしまいます。

2万枚以上の画像データ活用

こうした課題を解決すべく両者は、2018年よりセンサーカメラ画像に対する動物検出技術の共同研究をスタート。約2万2500枚の画像データとニコンが有する画像解析技術を活用して、同アプリを完成させました。

そして2021年4月、NACS-Jが生物多様性の復元と持続的な地域づくりを目指す「赤谷プロジェクト」に取り組む群馬県みなかみ町にて精度検証を開始。

検証では、撮影した画像のなかから「動物が写っていないもの」を正確かつ効率よく判断できるかを主として検証しました。

「動物が写っていないもの」を判断できるか

検証では、イヌワシ・クマタカ・ツキノワグマなどの生息地にもなっている“赤谷の森”にセンサーカメラを設置。そのうち2000枚以上が撮影された8地点、計3万809件の画像データをアプリで処理しました。

結果、アプリが「動物が写っていない」と判断したデータは3万108件。それらを人がチェックしたところ、動物が写っていなかった画像データはそのうち2万9983件で、正解率は99.6%となりました。

また、従来ならば約1週間かかっていたという約3万枚のチェックと整理を2日間に短縮し、大幅な労力削減を実現しています。

ちなみに、検証の主目的ではありませんが、「動物が写っているもの」の判別と「動物の種類」の判定にも挑戦。動物が写っている画像の判別における正解率は21.0%、種類の判別に関しては正解率74.1%となったようです。

PR TIMES
「赤谷プロジェクト」

(文・Higuchi)

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