元Apple最高デザイン責任者のジョナサン・アイブ氏率いるデザイン会社LoveFromとAppleとのコンサルタント契約が更新されなかった、と先日報じられましたが、この契約はあくまでPRのためであり、投資家たちをパニックさせないことが主な目的だった、と米メディア9to5Macは独自の意見を述べています。
アイブ氏の動向を考える上で重要な2つの出来事
今回のアイブ氏のコンサルタント契約終了を考察する上で、タイムライン上の2つの出来事について振り返る必要があります。
まずは、2015年のアイブ氏の最高デザイン責任者への昇格です。このとき、アイブ氏はハードウェアとソフトウェアの両方のデザインチームを他のメンバーたちへと譲り渡しています。これにより、同氏はデザインの仕事のみに集中できるようになるとされていました。
そして、2019年のアイブ氏の正式な退社です。その後、同氏は自身のデザイン会社LoveFromを創業するにいたっています。
アイブ氏はすでに2015年時点でほぼ退社状態にあった?
9to5Macは、実はアイブ氏は2015年時点ですでに退社していたのではないか、と大胆な推測をしています。アイブ氏はAppleの重要なデザイン指導者となっており、工業デザインチームの顔とも言える存在になっていましたが、デザインという仕事自体はチームワークであり、Appleは多くの才能溢れる人々がいつもチームにいるという状態に達していたのではないか、というのが9to5Macの見方です。でなければ、アイブ氏はAppleから従業員を引き抜いたりすることはなかったでしょう。
アイブ氏の影響とデザインへの配慮あるアプローチはAppleのデザインチームの中で生き続ける、だからAppleにとっては何も変わらない、という観測だそうです。
投資家たちのパニックさせないという役割は果たした?
アイブ氏の最も重要な役割は、Appleの投資家たちをパニックさせないことにあり、同氏はその役割を果たしたと言える、と9to5Macは見ています。
今回のアイブ氏のコンサルタント契約の終了は、このPRキャンペーンをすでに終えても良い時期が来たという、ただそれだけのことで、何も失われるものはなかった、というのが導き出された結論のようです。
Source:9to5Mac
Photo:California College of the Arts – CCA/YouTube
(lexi)
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