【ガジェット深掘りレビュー】
チューナーレステレビ
「ORION SAUD501」
01/04
気になるガジェットのレビューや使いこなしを短期連載でお届けする「ガジェット深掘りレビュー」。今回は、ドウシシャから登場の「ORION AndroidTV搭載 チューナーレス スマートテレビ」50V型モデル「SAUD501」を、基本性能から活用法まで紹介していきます。
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昨年末から薄型テレビ界隈で注目を集めるキーワードが、テレビ放送用のチューナーを搭載しない「チューナーレステレビ」。流行の火付け役は某ディスカウントストアのPB製品でしたが、「NHK受信料を徴収される心配がない」と予想以上の大ヒット。確かに今は、テレビで観るのは放送じゃなくYouTubeやサブスク動画配信の方がメイン…という人も多いんですよね。
そんな人気を受けてか、ドウシシャから「ORION AndroidTV搭載 チューナーレス スマートテレビ」が登場します。
シリーズは50/40/32/24V型のサイズ展開ですが、最大サイズの50V型「SAUD501」のみが3840×2160の4Kパネル搭載の本気仕様。ドウシシャの直販ストアの販売価格は5万4800円で7月下旬発売。同じ50V型で、国内大手メーカーのチューナー搭載テレビが家電量販店で9万円程度からなので、価格面でもチューナー付きモデルよりかなり安めです。
7月下旬の発売よりひと足早くサンプルを借りられたので、実機レビューと活用法をお届けします。
■ピュアなAndroidTVである点が魅力
まずはセットアップ。発売前のサンプルなので無地ダンボールで届きました。同梱品をチェックしてみると説明書もありませんでしたが、貸出機にはよくあることです。
50V型のサイズながら本体重量は9.9kgと軽く設置は簡単。本体下面の左右に金属製のスタンドをネジで取り付ければ準備完了です。
接続端子はHDMI×4、アナログビデオ入力端子×1、光デジタル音声出力、ヘッドホン出力、USB 2.0、有線LAN端子という構成。
HDMI端子はHDMI 2.1でHDMI 1はARC/eARC。そしてALLM対応と、今どきのテレビに近い仕様。チューナーレスなのでアンテナ端子は存在しません。ネット接続はWi-Fi(2.4GHz/5.0GHz)対応で今回はWi-Fiで接続予定。セットアップ時に接続するケーブルは電源一本のみなので簡単です。
実際に電源を入れてみるとORIONのロゴが表示されて、そこから先はAndroidTV 11のセットアップ画面に進んでいきます。
途中にあるリモコンのペアリング(最初から赤外線で操作できるのですが、Bluetoothでペアリングすると常時接続になり音声操作対応に)は、画面通り進めても上手くいかなかったのでスキップ推奨。あとはWi-Fiの接続、Googleアカウントにログイン(スキップ可)と進めます。今回はWi-Fi接続以外はひとまずスキップで進めておきました。
そして起動して現れたのは、ピュアなAndroidTV 11の画面。Google標準のYouTubeやGooglePlayストアなどの他に、Netflix、Amazonプライム・ビデオなどを搭載。これらのアプリはGoogleアカウントへのログインなしでも使えます。
ORION独自アプリとして入っているものがいくつかありますが、“Live TV”というアプリが、選択しても黒画面で起動しない!? と思ったら、どうやら外付けチューナーをつなげている人向けの、外部入力切り替えショートカットの模様。AndroidTVのUIとしては、画面右上に入力切り替えボタンがあるのですが、気づかない人もいますからね。
それから“AI POINT”というアプリもあって、これはアプリ一覧へのショートカット。あとは“TV Manager”というストレージ容量などをチェックできる管理アプリもあります。
ただこれらはあくまでアプリ。操作性はAndroidTV 11そのままだし、メモリ2GBでUIの操作感はヌルヌル。YouTubeアプリの起動は初回でも約5秒、レジュームが有効なら約1秒できるなど、快適です。
チューナーレスのメリットでもある、起動後すぐにAndroidTVのホーム画面が表示される点もシンプル。リモコンも放送波やチャンネル切り替えの数字ボタンがない。放送の呪縛がなくなると、テレビってこんなシンプルになるんですね。リモコンペアリング後はBluetoothで常時接続になるため、テレビの方を向けずに操作できるところも便利です。
「チューナーレステレビ」とはいえ、画質や音質というクオリティは気になります。テレビチューナーは内蔵していないので、地デジ感覚でYouTubeで公開されているニュース番組(1080p配信)を視聴してみます。
ひと目で分かるのが、4Kで50V型の大画面としては画面全体のぼやけ感がありノイズも残っているということ。4Kアップコンバートの性能は、国内大手メーカーほどの性能ではなさそうです。液晶テレビなので黒いところは白浮きもあるし、視野角の影響もあります。
ただ、安いテレビには多かれ少なかれ存在する問題だし、直販価格5万4800円相応と考えれば許せるかなと。
色は出荷時設定の“ビビット”設定が、人肌がわずかに赤色に寄る程度で実用十分。もう少し地味な方が好みなら“ユーザー”の初期値がおすすめ。“標準”は若干黄色寄りで要調整です。他に“高画質動画”という設定があって、さまざまな項目でRGB個別の微調整が可能。ただ設定画面がAndroidTVのホーム画面経由でしか入れないので、試行錯誤はやりにくいかもしれません。
音質は、スピーカー位置が画面下の下向きで、後ろ寄りに鳴っているのが分かるレベル。人の声は若干こもり気味ですが、聞けない訳でもないので、これなら妥協できるかなと思います。
ORION「SAUD501」は、映像はDolbyVision、サウンドはDolbyAudioに対応。実際にNetflixアプリで確認すると、映像はDolbyVision、サウンドは5.1ch扱いです。画質や音質に関しては、テレビとしての性能がソコソコなので期待は禁物。
テレビ本体にはDolbyAmotsのロゴマークもプリントされていますが、これは外部出力専用のようです。
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ピュアなAndroidTVテレビとして活用できる「ORION AndroidTV搭載 チューナーレス スマートテレビ」ことORION「SAUD501」。次回はGooglePlayストアからのアプリ導入、音声操作、スマホとの連携などを深掘りしていきます!
<取材・文/折原一也>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/463930/
- Source:&GP
- Author:&GP