私にとって、リモートワークが主流になってから生じた弊害のひとつが「ホワイトボードが使えない」ことでした。
ホワイトボードを利用して打ち合わせを進行したり、議論を整理したりすることはもちろん、付箋を貼って複数人で進行するワークもできなくなりました。
本格的に仕事で利用し始めたのは、ここ2カ月程度ですが、個人でも2年以上前から利用する機会はあり、何度か使ったことがあります。
共同作業のためのボード「miro」
miroは、時差や場所に関係なく、いつでも、どこでもコラボレーションを実現できるオンラインホワイトボードです。
「無限に広がるキャンバス(ホワイドボード)」、「リアルタイムでのコラボレーション」、「お気に入りのツールとも連携可能」などが特徴として挙げられます。
プランは以下の5つです。私は、「Consultant」プランを利用しています。
無料の「free」プラン
チームで使う「Team」プラン
シングルサインオンや追加の図形パックがなどが利用できる「Business」プラン
高度なセキュリティ機能やプレミアムサポートが利用できる「Enterprise」プラン
クライアントを招待して共同作業できる「Consultant」プラン
それでは詳しく見ていきましょう。
リアルタイムでのコラボレーション
miroの最大の特徴は、ホワイトボードを複数人で同時に編集できることです。
他の人の操作がリアルタイムに同期されるため、打ち合わせ中に、参加者が付箋を貼ったり、コメントを残したりすることが可能です。
私は、「振り返り」がテーマの打ち合わせでは、個人で入力する「個人ワーク」と、それを共有する「グループワーク」をおこなっています。miroは、メンバーの操作がタイムリーに反映されるため「個人ワーク」の入力状況を見ながら、「グループワーク」に移る時間をコントロールすることができるのも魅力的です。
また、打ち合わせ以外の場でも、ワークショップの中で「付箋に書いて、ホワイトボードに貼っていってください」ということをしていたのですが、それがそのままオンラインで実現できます。
以下の動画では、デモユーザーに別のパソコンで操作してもらっています。利用者のネットワークの状況にもよりますが、入力とほぼ同時に反映されていることがわかるかと思います。
無限に広がるキャンバス
miroのホワイトボードサイズに制限はありません。
対面のワークでホワイドボードを利用すると、枠に収まりきらないこともありましたが、気にすることなくどこまでも広げることができます。
また、スケジュールや課題、議事録など多くの情報を管理しなければならないプロジェクトでも、それらをひとつのホワイドボードにまとめておくことができます。
あまりに図形を増やしすぎると、読み込みに時間がかかるため注意が必要です。
繰り返し利用できるテンプレート
ホワイトボードを使い始めるときには、テンプレート機能が便利です。
miroでは、プロジェクトのキックオフ、OKRの計画作成、カスタマージャーニーマップなど多数のテンプレートが利用できます。現在は、ほとんどが英語のテンプレートですが、日本語のテンプレートも追加されはじめています。
また、目的にあったテンプレートがない場合、自分で作成することも可能です。
たとえば、振り返りでよく利用する「KPT」のフレームをテンプレート化してみましょう。
手順は、3ステップです。
テンプレート化したい図形などを選択する
右クリックして、「テンプレートとして保存」をクリックする
テンプレートの名前と、概要、共有範囲を設定して保存する
保存したテンプレートは、画面左側のメニューからいつでも呼び出せるようになります。
業務フロー図や、Webデザインの作成も可能
私が、2年前miroを本格的に利用しなかった背景のひとつは、業務フロー図を書くために必要な図形がなかったことでした。
現在は、ER図が追加され、業務フローを書きながらその横にデータベース設計のメモを残せるようになりました。
そのほか、Azureや、AWS、GCPといったクラウドプラットフォームの図形も使えたり、Webデザインのためのワイヤーフレームを使えたりと、大変充実してきています。
また、IconFinderとも連携しているため、業務整理にアイコンを使いたいときにも活用することができます。
※ER図、Azureや、AWS、GCPといったクラウドプラットフォームの図形は「Business」「Enterprise」「Consultant」プランの契約が必要です。
※ワイヤーフレーム、IconFinderは「free」プランで利用可能です。
資料のフレーム化による整理整頓
miroは、任意の範囲を「フレーム」として、まとめることができます。
たとえば、提案資料を作成するときに、「概要」「課題」「解決策」のようなフレームでまとめることで、無限に広がるホワイトボードのなかでも必要な情報にアクセスしやすくなります。
アクセスしたいフレームを選択すると、一瞬でそのフレームに移動することもできます。
そして、個人的にいちばん気に入っているのは、フレームにURLでアクセスできることです。miroは、図形一つひとつにURLが紐づくので図形単体にもアクセスが可能ですが、フレーム単位でURLが発行されるのもうれしいポイントです。
たとえば、Slackで「このリンクの資料をご確認ください!」というコミュニケーションを取ることで、必要な情報にすぐにアクセスしてもらうことができます。
待望の日本語対応
日本企業にとって、英語表記のみだと導入の障壁になる場合がありますが、その心配も不要になりました。
2022年6月13日、miroは日本語版を正式リリース。購入画面など一部日本語化されていない箇所もありますが、ユーザーが使う分にはとてもわかりやすくなりました。
1分でわかる「miro」まとめ
miroは「無限に広がるキャンバス」を使って、「リアルタイムでのコラボレーション」をすることができるオンラインホワイトボードです。
テンプレートを利用した効率的な打ち合わせ、多様な図形を使った業務フローの整理やWebサイトのデザインが可能です。
プランは、組織のニーズにあわせて無料で利用できる「free」プランから、規模の大きな企業でも使うことができる「Enterprise」まで用意されています。
オンラインの打ち合わせでホワイトボードを利用したい方、業務整理や企画提案をされている方は、ぜひ「free」プランから体験してみてください!
(文・岩澤樹)
認定NPO法人で情シス・経理の経験を経て、現在はフリーで活動中。クラウドサービスの活用を前提とした業務フローの整備や、ツール導入をおこなっています。情シスとしては、Salesforce、LINE WORKSをはじめとした全社横断のツールの導入運用管理を、経理としてはfreee会計の導入などをおこなってきました。
どのSaaSを選べばいいかわからない……。あのSaaSが気になっているけれど、検証する時間がない……。そんな方の一助になるように、私が感じた魅力をわかりやすく届けます。
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- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:amano