米大統領の警護などを担当する公的機関シークレットサービスが、自分たちの失態と2021年1月に発生した議会襲撃事件を受けて、職員のiPhoneでiMessageを使用できないよう検討していることが分かりました。
Appleもやり取りを監視してはいない
知っての通り、Appleのユーザープライバシー機能は通信に暗号を利用しているため、外部から一切内容を知ることができません。
Appleも会話をモニタリングしておらず(過去にはログを提供していたとの報道もありましたが)、送信メッセージは受信者のデバイスごとに個別に暗号化されているため、やり取りの全容を明らかにするにはかなりの労力を要します。
iMessageのログ取得に失敗
実際、今回はシークレットサービスが新たに導入したiPhoneの管理プラットフォームが、通常の電子メールや画像と違い、暗号化されていたiMessageの内容をバックアップできない仕様でした。
さらに少なからぬ職員が新プラットフォームへ乗り換えるにあたって、その事実を知らずかうっかりしてか、事前にiMessageの手動バックアップを怠ったため、初期化した時点で端末内のメッセージが消去されてしまいました。
この中には、議会襲撃事件の証拠となる通信内容が含まれていたから大変です。シークレットサービスの広報担当者は「我々がとても真剣に着目している問題だ」とし、同機関を統括するジェームズ・マレー長官の命令で、iMessageを無効にすることの実現可能性や、運用上の影響があるかを調べている段階だと語りました。
完全にシークレットサービス側の落ち度であり、Appleにはなんの問題もありませんが、特務機関が手を焼くレベルの暗号性をiMessageが備えていることが改めて明らかとなった格好です。
Source:AppleInsider,Politico
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-472884/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania