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スマート工場でサステナブル野菜を生産するスプレッド、シリーズAで40億円調達

人工光型の自動化植物工場を展開する株式会社スプレッドは、シリーズAラウンドにて、事業会社およびエンジェル投資家からの第三者割当増資により総額40億円を調達。

同社によると、国内フードテック業界の資金調達ラウンドにおいて1度に調達した金額としては過去最大とのことです。

今回は、同社の事業内容や今後の展開などを紹介します。

人工光型植物工場を拡大中!

同社は、天候などの外的環境に影響されない生産システムを採用した人工光型植物工場を展開。2007年に稼働を開始した“亀岡プラント”では、実現困難と言われていた植物工場単体での黒字化を6年かけて達成しました。

2018年には、自動化栽培や環境制御技術、独自IoTによる栽培管理システム「テクノファームクラウド」などを導入した“テクノファームけいはんな”を始動。野菜の生産性向上と作業標準化を実現しています。

また2021年6月、ENEOSテクノマテリアル成田工場敷地内に“テクノファーム成田”を開設。さらに2024年には、静岡県に日産10トンを実現する“テクノファーム袋井”を開設予定です。

こうして、パートナー企業との協業により生産拠点を拡大することで、新鮮な食材の安定供給を目指すといいます。

「ベジタス」を販売中、カット技術で消費期限延長なども

同社の工場で生産しているのはレタス。フリルレタスやプリーツレタスなどの品種を栽培し、サステナブル野菜「ベジタス」として約4500店舗のスーパーで販売しています。

「ベジタス」は、露地野菜と比べ水使用量を約1/100まで低減できることや可食部が約90%でフードロス削減に貢献できることなどが特徴です。

また、カット野菜の加工技術も独自開発。これにより、消費期限の延長、生産工程での廃棄ロスや水使用量の削減を実現しています。

いちごや代替肉など新規事業開発など加速

同社の次なる新商品は、農薬不使用栽培の高品質いちご。レタス栽培のノウハウを水平展開し、2021年に量産化技術を確立しました。また、将来的な食料需要に応えるため代替肉などの開発にも積極的に取り組む姿勢です。

今回調達した資金は、先述の“テクノファーム袋井”へ向けた新技術開発をはじめ「ベジタス」の販路拡大、いちごや代替肉など新規事業の研究開発および海外事業開発に投資するといいます。

同社の強みは、研究開発・技術開発・商品開発チームを統合した開発体制と、生産・流通・販売といった業務を統合した運営体制を相互に連携させる事業戦略。開発から供給までワンストップで展開する同社の今後に注目したところです。

PR TIMES
株式会社スプレッド

(文・Higuchi)

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