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水の波紋や木の年輪……自然が生み出す形状を機械とペンで再現。京都・蔦屋書店の個展がユニーク

3DプリンターやVR技術など、テクノロジーを活用したアートが増えているなか、注目を集めているのが「Plotter Drawing(プロッタードローイング)」という独自手法を通して新しい表現領域に挑戦するデザイナー・深地宏昌氏。

そしてこのたび、同氏の個展「NATURE/CODE/DRAWING in KYOTO」が、京都岡崎 蔦屋書店にて開催されます。期間は、2022年8月19日(金)~9月5日(月)です。

自然の形状をプログラミングで再現

水の波紋や地面のひび割れ、木々の年輪など、自然が生み出す美しい形状や現象は、一見複雑で再現性のないように見えます。

しかし、その仕組みをよく観察すると何かしらの規則性があり、じつはシンプルなルールの組み合わせであることが多いようです。

それらを数理的に読み解くことで、プログラミングによって人工的に再現することが可能になるといいます。

デジタルとリアルの間に生じる“美しさ”

今回の個展で深地氏は、自然界のあらゆる形を意図的に再現し、絵画に落とし込む新しい表現領域に挑戦します。

プログラマー・アルゴリズミックデザイナーである堀川淳一郎氏が開発した「自然アルゴリズムによる3次元プログラム」で創り出した自然現象を、Plotter Drawingで物質的な動きに変換。

デジタルとリアルの間に生じる偶発的な美しさを集積した作品群を発表します。

独自手法「Plotter Drawing」

Plotter Drawingは、プロッター(ベクターデータを変換・出力する機器)でデジタルデータを物理的な動きに変換し、鉛筆、 ボールペン、筆ペンなどの筆材で紙上に書く独自手法。

デジタルデータの緻密な線情報が、さまざまな描画材によって紙に描かれることで、摩擦や重力、湿度や気圧などの物理的要因が作用し、「にじみ」「かすれ」などの偶発的表現が生まれます。

人の手で描いたものとも機械的なデジタルプリントとも違う、緻密でありながら暖かみのある筆致が特徴です。

今回の展示会場では、Plotter Drawingで活用するプロッターを設置するため、来場者は実際に制作の様子を見ることができます。

PR TIMES
NATURE/CODE/DRAWING in KYOTO

(文・Haruka Isobe)

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