最近はスマートフォンやスマートウォッチで睡眠時間や睡眠の質を測定できるようになっており、Apple WatchもwatchOS9で睡眠ステージ判定に対応します。
しかしながら、それらの多くはあくまで睡眠の状態を解析するだけで、具体的な改善案を提示してくれません。
「ブレインスリープコイン」は寝返りと睡眠時の温度に着目することで睡眠をどのように改善すればよいかがわかり、さらに腰に取り付ける方式のため睡眠への影響が少ない睡眠測定デバイスです。
このブレインスリープコインを実際に試してみましたので、レビューしたいと思います。
一般的な改善案しか提示してくれないスマートフォンやスマートウォッチの睡眠解析機能
最近はスマートフォンアプリやスマートウォッチで睡眠時間や睡眠の質を手軽に測定できるようになっています。
iPhoneには数多くの睡眠関連アプリがありますし、Apple Watchでも測定可能です。さらに、watchOS9では睡眠解析機能がパワーアップし、睡眠ステージ判定に対応します。
アプリやスマートウォッチの機能は確かに自分の睡眠を省みるには便利なのですが、少なくとも筆者が使ってきたものは睡眠の質を改善するための具体的な改善案を出してくれない点が不満でした。
「運動をしろ」、「寝る前にスマートフォンの画面を見過ぎるな」など、一般的なアドバイスしかしてくれず、一人ひとりにあわせた具体案を出してくれません。
睡眠の解析をするのは、睡眠の質改善が目的である人が多いはずです。
スマートウォッチが気になって睡眠の質が下がることも
また、スマートウォッチの場合は寝ている間に腕につけておかなくてはなりませんが、これが気になってよく眠れないという方もいるでしょう。
スマートウォッチが気になって睡眠の質が下がってしまっては本末転倒ではないでしょうか。
かといってスマートフォンだけでは得られるデータが少なく、正確な睡眠の解析が難しいのも事実です。
腰につけて寝返りや温度を解析できるブレインスリープコイン
そんななか、「ブレインスリープコイン」という新たな睡眠解析デバイスが登場しました。
筆者はこのデバイスをクラウドファンディングで入手しましたが、価格つき(8,800円(税込))の一般販売サイトも用意されており、現在は品切れ状態ですが一般販売もおこなわれそうです。
このブレインスリープコインは、従来のスマートフォンやスマートウォッチによる睡眠解析の欠点を改善し、補完するものとなっています。
寝返りの回数を正確に測定できる
ブレインスリープコイン最大の特徴は、寝返りの回数を正確に測定できるという点です。
寝返りは睡眠中に同じ姿勢で寝続けると特定の場所に負担がかかりすぎることから、身体をほぐす目的でおこなわれます。
適度な寝返りは睡眠の質を改善するとされ、また腰痛を改善する効果もあるそうです。
しかしながら、スマートウォッチは腕につけていることから、動きを感知したとしてもそれが寝返りによるものなのか腕を動かしただけなのか判定するのは難しいでしょう。
スマートフォンも振動を検知できたとしても、寝返りかどうか正確に判定するのはやはり簡単ではないと考えられます。
これに対し、ブレインスリープコインは腰に取り付けるタイプの睡眠測定器のため、睡眠中に感知した動きはほぼ確実に寝返りであると判定可能です。
寝返りが少なすぎる場合は、寝具や寝るときの服装を改善すべきとわかり、睡眠の質改善に直接つなげられます。
寝ているときのふとんのなかの温度を測定
ブレインスリープコインには動きを検知するための加速度センサーに加え、温度センサーが内蔵されています。
これにより、ふとんのなかの温度を測定可能です。
エアコンにも温度センサーは内蔵されていますし、最近はさまざまなIoT温度計が販売されていますが、それらはあくまで部屋の温度を測定しているのに過ぎません。
一方、ブレインスリープコインは腰に取り付けることで、より人間の睡眠に直結するふとんのなかの温度を測定できます。
理想的な温度は33度±1度といわれており、これに対して高いか低いかに応じて寝具を変えたり寝具を調節したりすることで睡眠を改善できるでしょう。
睡眠ステージと重ねて表示することもでき、より具体的に自分がよく眠れていたときの温度を確認できます。
腰に取り付けるので違和感が少ない
また、ブレインスリープコインは腰に取り付けるタイプの睡眠測定器のため、腕につけるものよりも違和感が少ないです。
さらに、大きさはCR2032コイン電池より少し大きい程度、重さは17グラムと小型軽量で起きたときにつけていたことを忘れてしまいます。
本体は柔らかい素材のバンドに包まれており、うつ伏せになってブレインスリープコインが身体とふとんに挟まれたときも違和感を覚えませんでした。
スマホとの組み合わせでいびきや環境音を測定可能
ブレインスリープコイン自体の機能ではありませんが、専用アプリでスマートフォンからいびきや環境音を測定できます。
いびきは睡眠時無呼吸症候群という睡眠の質を落とす病気の兆候といわれていますし、睡眠時の騒音はそのまま睡眠の質を落とすでしょう。
いびきや騒音を録音する機能もあり、改善へとつなげられます。
アプリの利用でコインが貯まり寝具購入などに使える
ブレインスリープコインのアプリを利用することでコインが貯まり、寝具の購入などに充てることができます。
たとえばデイリーミッションとしてログイン、睡眠の計測、記事を読む、計測結果を確認する、睡眠ダイアリーを記入するというものがあり、これらだけで1日に50コイン獲得可能です。
さらに各種ボーナスミッションも用意されており、使えば使うほどコインが貯まります。
貯まったコインはたとえば、ブレインスリープの枕を割引価格で購入するためのクーポンなどに交換できます。
こちらのクーポンの場合、750コインで1,500円オフのクーポンなので、デイリーミッションを5つこなせば1日に100円分貯まる計算でしょうか。
ちなみにこちらのアプリはブレインスリープコインなしでも利用できます。
※アプリの金額については記事執筆時の価格を記載しております。インストール前に、「App Store」での表示価格をご確認いただきますようお願いします。
寝返り回数や温度は測定できませんが、いびきや環境音、睡眠ステージの判定は可能です。
また、クーポンのなかにブレインスリープコインが割引になるものもあるので、まずはアプリ単体で使い、クーポンを手に入れたら購入して使うのもありかと思います(記事執筆時点では在庫なし)。
実際にブレインスリープコインを使った感想
実際にブレインスリープコインを使った感想を記します。
寝返り回数や温度の測定は役に立つ
このデバイスの売りである、寝返り回数や温度の測定は睡眠の質を改善するのに役立つと感じました。
ほかのスマートフォンアプリやスマートウォッチのように一般的な提案ではなく、具体的ですので改善しやすいです。
特に温度についてはエアコンの設定やふとんの調整に使えますので、即効性が高そうです。
筆者を含め腰痛持ちの方は寝返り回数の判定が役に立つと思います。
いびきや環境音の録音機能も有用
いびきや環境音の録音機能も有用と感じました。
「いびきをかいていた」と言われただけでは信じない方も、実際に録音されれば認めざるを得ないでしょう。
また、環境音を録音することで何が音を立てたのかわかり、具体的な改善につなげられます。
スマートフォンのバッテリー消費は大きい
残念な点としては、スマートフォンのバッテリー消費量が大きいところが挙げられます。
筆者のiPhone13 Proの場合、100%まで充電した状態から一晩で16%消費しました。
いびきや環境音の録音のためにマイクをつけっぱなしにするためと考えられ、メーカーは充電しながらこのアプリを使うことを推奨しています。
不要であれば録音機能をオフにできるとバッテリー消費が少なくなりそうなので、今後のアップデートに期待したいです。
アプリがまだ不安定
このブレインスリープコインアプリはつい先日リリースされたばかりなのですが、動作が不安定なところが散見されます。
たとえば画面がスクロールできない、ブレインスリープコインをペアリングしたのに勝手にペアリングが外れてしまうなどの現象が見られます。
実はこのクラウドファンディングのプロジェクト、当初は2022年6月末のお届けの予定が、ブレインスリープコイン本体の出荷が計画よりも遅れ、アプリはバグが取り切れずにさらに遅れてつい先日のリリースとなっていました。
発売間もない製品なので、今後のアップデートでどれだけ改善されるか動向を見守りたいと思います。
睡眠を本気で改善したい方におすすめ
この記事で紹介したように、ブレインスリープコインは睡眠改善の具体案を提示してくれるデバイスです。
寝返りやふとんのなかの温度といった、これまで測定が難しかった睡眠の質に直結する要素を提示してくれるため、測定結果をそのまま改善につなげられるでしょう。
本気で睡眠を改善したいと考えている方にぜひ使ってほしいと思います。
いびきや環境音の検出および録音機能や、アプリを使うとコインが貯まる機能など、このデバイスなしでも使える機能がありますのでまずはアプリ単体で試してみてはいかがでしょうか。
Source: ブレインスリープ (1), (2)
(ハウザー)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-477161/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania