朝日新聞は8月30日、スマートフォンの使用やゲームのプレイ時間の目安を定めた香川県の条例(香川県ネット・ゲーム依存症対策条例)をめぐる訴訟において、高松地方裁判所が「条例は憲法に違反しない」との判断を下したと報じました。
スマホ・ゲーム条例
香川県は2020年4月、子どものインターネットやゲームへの依存防止を目的に、ゲームの利用時間やスマートフォンの使用時間の目安を示し、保護者に家庭内でのルール作りの義務を負わせる「ゲーム条例」を全国で初めて施行しました。
条例においては、子どものゲームのプレイ時間の目安を平日60分・休日90分と定めるとともに、スマートフォンの利用の中学生以下で午後9時まで、義務教育修了後は午後10時までを目安に制限するよう求めています。
香川県のネット・ゲーム条例の一部抜粋は以下の通りです。第6条に保護者の責務を記載するとともに、第18条で家庭でのルールづくりを行うよう求めています。なお、努力義務となっており、条例に違反した場合の罰則はありません。
第6条1項 保護者は、子どもをネット・ゲーム依存症から守る第一義的責任を有することを自覚しなければならない。
第6条3項 保護者は、子どものスマートフォン等の使用状況を適切に把握するとともに、(中略)、子どものネット・ゲームの利用を適切に管理する責務を有する。
第18条1項 保護者は、子どもにスマートフォン等を使用させるに当たっては、(中略)、使用に伴う危険性及び過度の使用による弊害等について、子どもと話し合い、使用に関するルール作りおよびその見直しを行うものとする。
第18条2項 保護者は、前項の場合においては、子どもが睡眠時間を確保し、規則正しい生活習慣を身に付けられるよう(中略)ゲームの利用に当たっては、1日当たりの利用時間が60分まで(学校の休業日は90分まで)を上限とすること及びスマートフォン等の使用(家族との連絡および学習に必要な検索等を除く)に当たっては、義務教育修了前までの子どもについては午後9時までに、それ以外の子どもについては午後10時までにやめることを目安とするとともに、前項のルールを順守させるよう努めなければならない。
原告の大学生とその母親は、香川県の条例が、憲法で定めた基本的人権を侵害していると主張し、損害賠償を求めて提訴しましたが、高松地裁は「条例は具体的な権利の制約を課すものではない」として、条例は合憲との判断を示し、原告の請求を棄却しました。
香川県のゲーム・ネット条例については、各個人の家庭でのスマホ利用等に踏み込んだ内容であったため、制定当初から話題となりました。
なお、中国政府は2021年8月、子どものオンラインゲームのプレイ時間を週3時間に制限する通達を発出しています。
Source:朝日新聞, 瀬戸内海放送, 香川県(PDF)
Photo:香川県(PDF)
(seng)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-481639/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania