【達人のプラモ術】
バンダイスピリッツ
1/32 ティラノサウルス&トリケラトプス
04/04
前回完成したティラノサウルスの“スタン”とトリケラトプスの“レイン”の骨格模型。それぞれ単体でも実にカッコ良いので、デスクに飾りたくなります。キットにはそれぞれ白亜紀をイメージしたリアルな展示ベースが付属しているので、それを使わない手はありません。完成編となる今回は“スタン”と“レイン”の対決シーンをより引きたてる展示ベースを製作しましょう!(全4回の最終回/1回目、2回目、3回目)
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中。
【ステップ1】それぞれのキットのベースを合体!
キットに付属している展示ベースには、倒れた樹木や柔らかな地面に残されたティラノサウルスとトリケラトプスの足跡などがリアルにモールドされています。まずそれぞれのキットに付属している展示ベースを組み合わせて接着し、ベースの接着部分とティラノサウルス用ベースのスタンド用に開けられている穴を、ジオラマ用素材を使用して不自然にならないように隠しています。組み合わせたベースを塗装することで今から約1億年の白亜紀後期の世界を再現していきます。
【ステップ2】情景用テクスチャーペイントでリアルな地面を再現
さて白亜紀の地面はどんな色なんだ…、などと考えだすと完成しなくなるので、自分のイメージでどんどん進めていきましょう。
調べてみると温暖な気候だったらしいので、まぁ高温多湿の南米アマゾンのジャングルみたいな世界だったんじゃないかなぁ、といったイメージでベースの色調を決めていきます。主役の骨格模型は素材の色をそのまま利用した暗い茶色で仕上げているので、ベースは恐竜が目立つような色で仕上げていきます。
ベースの地面は、まずタミヤの造形テクチャーペイント(塗るだけで泥や土の質感をリアルに再現できるジオラマ製作用のテクスチャー素材)を全体に塗布し、より泥の質感を強調します。
【ステップ3】岩や倒木、植物の葉を塗装
テクチャーペイントが乾燥したら、岩や倒木、植物の葉を塗装していきます。特に色が決まっているわけではないので、絵を描く感覚で色を塗り重ねて質感を再現していくのがコツです。
塗装面の上で直接色を混ぜる、グラデーションをつけるといった油彩的な塗装にはラッカー塗料に比べて乾燥が遅いアクリル塗料がオススメ。ミリタリー系のジオラマでは、油絵の具を使っているモデラーも多いです。
【ステップ4】スミ入れとドライブラシで陰影を強調
塗装が完了したら、スミ入れ塗料(今回はダークブラウン)を使い恐竜の足跡や地面の凹部分などに影色を入れていきます。さらにMr.ウエザリングカラー(サンディウォッシュ)を使い、岩の凹凸にドライブラシでハイライトを描いていきます。
■白亜紀の大地が完成!
白亜紀地面が仕上がりました。ここにティラノサウルスの“スタン”とトリケラトプスの“レイン”を配置して接着固定すれば、白亜紀の死闘を再現した骨格模型ジオラマの完成です!
背景となる展示ベースがあると、作品の見栄えが各段よくなるのと同時に、作品の物語が見えてきます。果たしてレインはスタンの顎から逃られたのか? 完成したジオラマを前にそんな白亜世界に想像を巡らせるのも楽しいものです。
さて次回は何を作りましょうか…
■今週のオマケ
前回紹介したカンブリア紀に生息したモンスターのアノマリカリス。全長40cm程の原寸大モデルがこちら(現在は入手困難)。
ずっと放置していたので、塗装が剥げてホコリまみれで尾びれも折れていたので、せっかくなのでこの機会にレストアしております。頑張ってリアルに仕上げたらプールに持っていって…。
まぁそれはともかく太古の生物はロマンがありますなぁ。
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/474711/
- Source:&GP
- Author:&GP