サイトアイコン IT NEWS

未来の犯罪と発生場所を予測。福岡市でパトロール支援ツール「CRIME NABI」の実証実験

多くの自治体では、犯罪対策として防犯カメラの設置やパトロールなどを実施していますが、いつ・どこで犯罪が起きるのかを的確に察知することは難しいといいます。

そこで株式会社Singular Perturbations(以下、SP社)は、犯罪予測を用いたパトロール最適化支援サービス「CRIME NABI」を開発。

2022年9月12日(月)〜 2022月12月31日(土)の期間、福岡県福岡市にて同サービスの実証実験をおこない、安全で住みよいまちづくりの実現を目指します。

犯罪が起こりやすい場所を予測

「CRIME NABI」はいつ・どこで未来の犯罪が起きるかを予測する犯罪予測システム。

同サービスは、過去の犯罪発生情報や人口統計、土地利用データ、天気などのデータにもとづき、2種類の独自アルゴリズムをもとに犯罪を予測します。

さらに、犯罪が発生しやすいと予測された場所を重点的に警備するルートを提示することで、犯罪抑止効果を高めるとのこと。

なお上記は東京都の軽犯罪情報から過去データを集め、その翌日の予測をおこなったデモンストレーション図です。

黒い矢印は実際に翌日発生した犯罪を表示したもので、予測データとほぼ一致する形で犯罪が起きていることが確認できます。

時間・空間情報による高速予測

犯罪者は一度犯行に成功すると同じ手口を繰り返すと言われています。

CRIME NABIでは、犯罪の時間的なパターンを記述できるモデルに対して理論物理の定式化を適用することで、データ件数が少ない犯罪についても安定した計算が可能に。

また、犯罪発生や人口密度などのさまざまな空間パターンを足し合わせ、予測したい犯罪種別を記述できるようモデル化しています。

従来の空間情報を用いたアルゴリズムでは、計算コストが高いことがネックでしたが、SP社はデータを事前圧縮する独自の数理アルゴリズムにより、計算時間の高速化を達成しました。

東京エリア・ブラジルへサービスを提供

SP社は福岡市のほか、さまざまな自治体・警備会社にパトロール支援サービスを提供してきました。

2022年2月~4月には、CRIME NABIをバックエンドにして最適なパトロール経路を選定するクラウドサービス「Patrol Community」の無料トライアルキャンペーンを実施。

東京エリアの防犯パトロール業務をおこなう自治体・警察に対し、データドリブンな警備・防犯活動をサポートしました。

2022年7月~8月には、ブラジル連邦共和国・ミナスジェライス州のベロオリゾンテ市警団とともにCRIME NABIの有効性を検証するなど、海外進出を果たしています。

PR TIMES(1)(2)(3
CRIME NABI

(文・Haruka Isobe)

モバイルバージョンを終了