<&GP編集部員が買ってみた!使ってみた!>
持っているコンパクトチェアの中で一番のお気に入りが、ALITE(エーライト)のマンティスチェアです。
購入してから、かれこれ12年ほど。子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥と、一周したと考えると長いですね。その分、あちこちにガタが来て、脚カバーは4個中3個に穴が開き、1つは突き破っていたのでテープで補修し使っていました。
が、一昨年、アルミフレームの一部が裂けて収納不能に。ALITEが2018年で事業を終了したこともあり、それ以降、部屋に置物として飾ってあったのです。
ところが今年、なんとALITEが復活! 「マンティスチェア」はもちろん「モナークチェア」「メイフライチェア」の定番も一緒にです(残念ながら「カルパインチェア」「バイソンチェア」はラインナップされていません)。
復活させたのは「GRAND TRUNK(グランドトランク)」というハンモックを中心に扱うアメリカのトラベルギアブランドで、「Alite by GRAND TRUNK」として帰ってきたのです!
ALITEの創業者兼デザイナーだったテイさんが参加しているそうなので、名前だけの復活ではありません。ということで、早速購入しました。
座面のカラーは、スプルースグリーン、ブラック、アーバンカモ、ホライズンの4色。アーバンカモに惹かれたのですが、持っている道具を考えてたら無難なブラックにしてしまいました。
ということで、オリジナルの「マンティスチェア」と復活版「マンティスチェア」とでは何が違うのか比べてみました。
■そもそもマンティスチェアって?
ALITEは、2008年アメリカのサンフランシスコで創業した小さなモノづくりブランド。元祖テントポールチェアといわれた「モナークチェア」を初めて見た時はびっくりしました!
それまでディレクターズチェアかガダバウトチェアぐらいだったのが、まさにテントポールのように組み立てて、しかも2本脚で自立しないんですもん。とはいえ、自分の脚でバランスをとって前後にスイングすればユラユラと揺れ、ボーッとする時にはぴったり。結局、3脚も買ってしまいました。
このモナークチェアを4本脚にして、安定感を高めたのが「マンティスチェア」です。背もたれ、座面ともに大きくて包み込まれるような座り心地で、ヘリノックスが登場するまで、コンパクトチェアといえばALITEでした。
素材は、フレームが7000系アルミニウム、210Dリップストップナイロン、450Dポリエステル。復活モデルも同じですが、当時とは工場が違うそうです。
■オリジナルモデルとの違いは?
さてAliteのマンティスチェア(以後、オリジナルモデル)とAlite by GRAND TRUNKのマンティスチェア(以後、復活モデル)は何か大きな違いがあるでしょうか。
並べてみるとほぼ同じようですが、オリジナルがH73.7xW54.6xD55.9cmなのに対し、復活モデルが約H62×W55×65cmなので、低くなり、より腰を深く埋められるようになっています。収納サイズはほぼ同じくらいですが、昔と変わらずポールはちょっとはみ出します。
収納されているのは、シートとフレームのみ。収納袋に組み立て方が描かれていますが、見なくても簡単に組み立てられます。
細部を見ていくと、フレームの繋ぎ目と前フレーム、脚カバー、タグ、収納袋にイラストが描いてある点が違っていました…が、復活の元になったのは初期のマンティスチェアではなく、「マンティスチェア 2.0」のようでした。
持っていないので比較できなかったのですが、もしかしたらマンティスチェア 2.0に忠実なのかもしれません。
上写真が、オリジナルのポールのジョイント部分。下が復活モデル。丸い形状から平らで穴の空いた形状になっています。マンティスチェア 2.0では同様の形状になっていたようです。
前フレームの先端が黄色くなっています。これは座面のどこに入れるかをわかりやすくしたもの。背面側フレームの先端は色が付けられていません。
オリジナルモデルでもシートにあるフレーム差し込み穴は黄色くなっていましたが、フレームの先端は黄色くなっていませんでした。
上がオリジナルモデルで、下が復活モデル。脚カバーは小さくフラットで、お手入れのしやすい形状になっています。
「Mantis Chair」のタグは、マンティスチェア 2.0にはついていたようですが、マンティスチェアには「ALITE」と書かれたブランドタグのみで、収納袋の底に「Mantis Chair」と書かれています。
■ヘリノックスとの違いは?
せっかくなので、ヘリノックスとも比べてみました。「チェアツー」との比較(チェアワンを持っておらず)なので、当然背もたれの部分が長くなっている分、サイズは大きくなっています。
とはいえ収納袋はヘリノックスの方がしっかりしています。忠実に復活させるのもいいですが、せっかくならちゃんとポールがしまえるよう、もうちょっと袋を大きくしても良かった気がします。
チェアツーのポールのジョイント部分は樹脂製。もともとマンティスチェアのジョイント部分は破損が多かったようなので、こちらの方が堅牢なのかもしれません。
座り比べてみると、座り心地はだいぶ違います。
チェアツーは細身で、腰高。背もたれが立っている分、シャッキリ。座った状態は、途中が平らになっているエスカレーターのような形(わかりますかね)です。
マンティスチェアは腰が深く沈み込み、体が“N”の字のようになります。
チェアツーの方が立ったり座ったりしやすく、マンティスチェアの方がまったりできます。
せっかくなので、モナークチェアとも座り比べしてみました。
こう見ると、肩が上がって窮屈そうですが、座るとユラユラといい感じ。とはいえ、ご飯を食べたり、焚き火をしたりするときにはあまり向きません。
※ ※ ※
今回改めてマンティスチェアに座ってみたらやっぱりいい!
シートの幅の広さと腰入れの深さ、背もたれの角度が、のんびり空を見たり、ボーッとするのに、ちょうどいいんですよね。身長とのバランスも関係あるのかもしれません。背が低く、すっぽりと収まる感覚なので、座り心地の良さを感じるのでしょう。
最後に。どうにもフレームが使えないので、復活版のフレームにオリジナルのシートをつけられるか試してみました。お見事! ちゃんとハマりました。
現状、フレームだけでは販売していないそうですが、今後、アフターパーツが揃ったあかつきにはフレームだけ購入できる日が来るかもしれません。その日まで、「Alite by GRAND TRUNK」のマンティスチェアを使って、オリジナルは引き続き部屋の置物として飾っておくことにします!
<文/澤村尚徳(&GP)>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/476423/
- Source:&GP
- Author:&GP