PC用のストレージとしてすっかりHDDに取って代わった感のあるSSDですが、書き込み回数に制限があるなど寿命や信頼性の面ではHDDのほうが優れているという意見もあります。
しかしながら、ストレージサービス会社のBackblazeの調査によると実はSSDよりもHDDのほうが平均寿命がはるかに長かったそうです。
4年目から5年目に故障率が上がるHDD、あまり変わらないSSD
Backblazeは同社のサービスにおいてブートドライブとして使用しているHDDとSSDを用い、故障発生率を比較しました。
同社はクラウドストレージやバックアップのサービスをおこなっており、HDDやSSDの故障に関して多くのデータを持っているものとみられます。
HDDとSSDの稼働年数に対して平均故障率を計算したAFR(Annual Failure Rate、年間平均故障率)は以下のような結果になったそうです:
グラフからは、HDDのAFRが4年目から5年目にかけて大きく上昇し、その後も上昇し続けていることがわかります。
これに対しSSDは5年目になってもAFRがあまり変わりません。
また、HDDは1年目から故障するものが多く存在するのに対し、SSDの1年目のAFRは0.00%です。
この結果からは、アクセス速度だけでなく信頼性の面からもSSDが優れているといえます。
なお、SSDの6年目以降のデータがないのは、Backblazeがストレージの種類をSSDに切り替えた時期が2018年のためです。
可動部品の存在が高い故障率の原因?
HDDのAFRが高い原因は可動部品が存在するためとみられます。
HDDの内部には回転するディスクや可動式の磁気ヘッドが内蔵されており、これらに摩耗や破損が起こりやすいのでしょう。
これに対してSSDには可動部品が存在しません。
一方、SSDには書き換え可能回数の上限が存在しますが、たとえばSamsungの980 PRO 2TBモデルの場合1,200TBW(Tera Byte Written)です。
つまり、SSD全体を600回書き換えることができることを意味します。
実使用環境では書き込みよりも読み込みのほうが多いことから、クラウドストレージサービスやバックアップサービスといった過酷な用途でもこの上限を容易に超えることはなく、それよりもHDDの持つ可動部品のほうが壊れやすいのでしょう。
Source: Backblaze, Samsung
(ハウザー)
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