FacebookとInstagramのアプリが、ユーザーの許可なくトラッキングを行っていたとして、これらのサービスを運営するMetaに対して集団訴訟が起こされました。
ATTを巧妙に回避
Metaが自社サービスのFacebookやInstgramで、Appleによる「アプリのトラッキングの透明性(ATT)」を回避し、ユーザーのデータを許可なく収集しているとして、米サンフランシスコの連邦裁判所に訴えられました。
この集団訴訟は、データプライバシー研究者で元Googleエンジニアのフェリックス・クラウス氏の研究結果がベースになっており、ユーザーがFacebookアプリで開く独自ブラウザで訪問したWebサイトに特殊なJavaScriptコードを埋め込むことで、ATTを回避していたことが訴状では指摘されています。
クラウス氏によれば、MetaはこのJavaScriptコードや独自ブラウザによって、あらゆるWebサイトで行動を追跡できるほか、通常の広告トラッキングよりもさらに進化しており、理論上は入力されたパスワードすら捕捉可能なのだそうです。
Metaにとっては死活問題?
iOS14以降、AppleはATT機能を導入し、サードパーティアプリによるトラッキングを、ユーザーが気軽に遮断できるようにしています。
ユーザープライバシー尊重の理念に基づくATTですが、MetaやAlphabetといった広告事業が収益の中核となっている企業や、彼らを利用して広告出稿を行ってきた企業は最適化された広告をユーザーに提示できないため、死活問題であることが再三主張されてきました。
そうした状況を打開するための一手としてJavaScriptコードの埋め込みがなされていたわけですが、裁判ではMetaの独自ブラウザの権限がどこまで正当化されるのかが焦点となりそうです。
Source:AppleInsider
(kihachi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania