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自販機プラモと組み合わせて「街中のハンターカブ」を再現!【達人のプラモ術<CT125ハンターカブ>】

【達人のプラモ術】
フジミ
1/12 ホンダ CT125ハンターカブ
03/04

ホンダ CT125ハンターカブの製作、さて第3回となる今回は、しっかりとインストを熟読して(←これ大事)、バックミラーやサイドスタンドといったパーツを取り付けてハンターカブの完成を目指します! さらにバイクのある情景を引きたてるアクセサリーとして自動販売機が登場! いやーバイクのジオラマは楽しいぞ!(全4回の3回目/1回目2回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中。

 

■車体が完成!

本キットはよくできているのですが、なぜかアクセルワイヤーやブレーキホース、メーターケーブルといったケーブル類が省略されています。パイピングはバイクモデルとしてのリアル再現のキモともいえる部分なので、ここは頑張って追加工作をしていきます。

工作自体は難しいものではなく、市販のパイピングケーブルを使って、実車写真等を参考にしながらケーブル類を追加すればOKです。

リアルに見せるためのポイントとしては、アクセルワイヤーやメーターケーブルは細いので外径0.5ミリのケーブルを使い、ブレーキホースは太めの外径1ミリのケーブルを使用することです。

ケーブル類の工作ができたら、付属のシールを細部に貼り込んでバックミラーやサイドスタンドといったパーツを取り付ければCT125ハンターカブの完成です!

▲完成したハンターカブCT-125。このあとエンジン周りや足回りにウエザリング(汚し塗装)を入れていく

▲ハンドルまわりはアクセルワイヤー、ブレーキのマスターシリンダーなどにパイピングケーブル、さらにフロンタイヤのハブから伸びるスピードメーターのケーブルを取り付けている

▲フロントブレーキのホースはキャリパーにピンバイスで1ミリの穴を開けてパイピングケーブルを瞬間接着剤で固定している

▲リアブレーキのホースは1.0ミリのパイピングケーブルを使用してスイングアームの添わせるように取り付ける

▲サイドスタンドは可動する。キットのままだと車体が傾き過ぎてしまうので、プラ板を挟み込んで自然な角度に調整

▲ケーブルの追加工作で使用したタミヤ「パイピングケーブル」。外径0.5ミリと外径1ミリを使用。ケーブル内部に金属線が入っているので、曲げクセがつけやすく自然なラインで車体に沿わせられる。ケーブルは取り付け部分にピンバイスで穴を開けて瞬間接着剤で固定すればOKだ。タミヤ「ディテールアップパーツ パイピングケーブル」(価格:0.5ミリ・1.0ミリ各330円 ※他に0.65ミリと0.8ミリがある)

▲色々使える紫外線硬化クリアーレジン。

前回、スピードメーターのクリアパーツを紫外線硬化クリアーレジンに置き換えたことは書きましたが、今回紙シールで再現されている車体両サイドのホンダウイングマークとリフレクター(反射板)にもクリアーレジンを薄く塗り重ねることで立体感が増して見えるようになりますよ。

 

■自販機キットとハンターカブ

さて完成したハンターカブを、どんなジオラマにしようかといろいろ考えてみたのですが、今回は1/12の自動販売機のキットを組み合わせてみました。

▲ハセガワ レトロ自販機シリーズ「1/12ブックベンダー」(1540円) 昔お世話になった…レトロ自販機シリーズでまさかのプラモ化

模型メーカーのハセガワからは、ハンバーガーやうどんといったレトロ自動販売機に続いて、アダルトなブックベンダー(ぶっちゃけエロ本自販機)が販売されて話題にもなりました。いや懐かしいですなぁ(笑)。まぁさすがにアダルト自販機はキビシイので、今回はPINK TAN社から発売されている清涼飲料水自動販売機をチョイス。

▲PINK TANK「1/12 自動販売機」(4400円) 本来はアクションフィギュア用のアクセサリーとしてキット化されている1/12スケールの清涼飲料水自動販売機。街中で見かけることの多いタイプをモデル化していて、本体は3色で成形されており、リアルなサンプルは印刷済みなので、塗装を施さなくてもリアルに仕上げられる。作例は本体部分を塗装

▲商品サンプルは自販機で良く見かけるモノだが、よく見ると、朝の紅茶(午後の紅茶)、はーい粗茶(おーいお茶)、いるはず(いろはす)といった具合に微妙に商品名が違っておりシャレが効いている

面白いもので、ハンターカブの背景に自販機を置いただけで、街中で「あーこれ見たことある風景だよなぁ」となるんですよ。

▲タミヤのストリートライダーと自販機を組み合わせて置いただけで、ツーリング中に「ちょっと休憩、コーヒーでも飲むか」といったシーンが再現できてしまう

前回使用したタミヤのストリートライダーを組み合わせてみると、バイクのある日常というタイトルが自然に思い浮かんできました。

1/12アクションフィギュア用の情景アクセサリーには、自動販売機だけではなく、ビールケースとかゴミ箱とか三角コーン等々、生活に溶け込んでいるアイテムが揃っているので、上手く組み合わせると日常の中の生活感溢れるハンターカブのジオラマが楽しめると思います。

レーサーレプリカに荷物を積んでも違和感アリアリになってしまいますが、ハンターカブなら全然OK。荷台にビールケース積んでサマになるバイクといったらスーパーカブとハンターカブだと思うワケです。

1/12スケールで、スーパーカブに装着されている出前機(マルシン出前機と言うそうです)なんかあったら面白いなぁと思っていたら、アオシマから塗装済みの完成品モデルで出ていました…。恐るべしアオシマ!

▲青島文化教材社「1/12 完成品バイク スーパーカブ50 出前機付」(3080円) マルシン製の出前機と岡持ちが付属し、岡持ちの中には丼まで入っている

 

■展示ケースを利用してジオラマベースを作る

タミヤのディスプレイケースを利用して、ハンターカブと自販機を配置するジオラマのベースを製作します。

底板の部分にまずグレーを塗装して、その上から情景テクスチャーペイントの「路面ダークグレイ」を筆で塗布することで、簡単にリアルなアスファルトを再現できます。

▲タミヤ「情景テクスチャーペイント 路面ダークグレイ」(880円) 細かいセラミック粒子を配合したペースト状水性塗料で、アスファルトや石の表現の質感が再現できる。厚く盛りつけたり、乾燥前なら表面に様々な表情をつけることもできる。

▲情景テクスチャーペイント「路面ダークグレイ」は筆塗りでアスファルトや石の表現の質感を手軽に再現できる

▲コンクリートのクルマ止めは、以前石こうで製作したものを流用。こうした小物がジオラマを引きたてる

▲テクスチャーペイントを塗装したベースにハンターカブと自販機を配置してみる

さて今回はここまで。完成したハンターカブと自動販売機。次回はジオラマベースとアクセサリーを組み合わせて「街中のハンターカブ、いつか見たバイクのある情景」を完成させます。乞うご期待!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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