サムスンのフォルダブルスマホ「Galaxy Z」シリーズの最新モデルが9月29日に発売されました。開くと約7.6インチの大画面を利用できる「Galaxy Z Fold4」はドコモ版は24万9700円、au版は24万9960円。縦折りでガラケーのような感覚で使える「Galaxy Z Flip4」はドコモ版が15万9500円で、au版は15万9870円。さらに楽天モバイルも取り扱っていて、最も安い13万9800円で購入できます。
スマホの新機軸として “フォルダブル(=折りたためる)” が注目されてから4年が経ちますが、日本では使っている人はまだそんなに多くはありません。ですが、世界では右肩上がりでユーザーが増えていて、2023年には出荷台数が3200万台を超えると予測されています。「Netflix」などで韓国ドラマを観ていると、登場人物たちが当たり前のようにGalaxyのフォルダブルスマホを使っており、「そろそろ自分も…」と気になっている人も少なくないのでは?
■Galaxy Z Fold4の3つの進化ポイント
Galaxy Z Fold4は、折りたたんだ状態では普通のスマホのように操作でき、開くとタブレットのように使えることが特徴。さらに、半開きにしてPCライクに使うこともできます。
パッと見の印象は従来モデルとさほど変わりませんが、実際に使ってみると、使いやすさが大きく向上していました。筆者が注目した進化ポイントは以下の3つです。
1. タスクバーによって操作がよりスムーズに
開いて約7.6インチのメインディスプレイを利用する際は、画面の下に「タスクバー」が表示されるようになりました。そこから使いたいアプリを選んで切り替えたり、アプリのアイコンをドラッグしてマルチウィンドウを起動したりと、より直感的に操作できます。
マルチウィンドウは前モデルと同様3つのアプリを同時に起動でき、それぞれ表示範囲を変えることもできます。
2. 軽くて薄くなり、画面占有率も向上
カバーディスプレイが約6.2インチ、メインディスプレイが約7.6インチというスペックは前モデルのGalaxy Z Fold3 5Gと同じで、4400mAhのバッテリー容量も同じ。ですが、Galaxy Z Fold4を手にすると、かなり軽くなったと感じました。
ヒンジがスリムになりディスプレイ周りのベゼルも細くなったため、前モデルよりも本体の高さが3mm小さく、折りたたみ時の厚さも1.7mmと薄くなっています。従来モデルは先進的なデバイスでありながら、やや分厚く野暮ったい印象があったのですが、Galaxy Z Fold4はハイエンド機らしい、かっこいい狭額縁デザインに仕上がっています。
3. カメラ性能がSシリーズ級に進化
GalaxyにはSシリーズとZシリーズのふたつのフラッグシップがあります。カメラ性能はSシリーズがリードし、Zシリーズのカメラのスペックは少し抑えられていました。しかし、Galaxy Z Fold4はメインカメラに約5000万画素のセンサーを採用し、ピクセルサイズを1.8μmから2.0μmへと向上させるなど、カメラ機能の強化が図られています。
Galaxy Z Fold4のリアカメラは超広角(約1200万画素)+広角(約5000万画素)+望遠(約1000万画素)で、望遠カメラは光学3倍で撮影可能。Galaxy S22と同等のスペックを実現しています。メインディスプレイでビデオ通話などを行う場合に使うフロントカメラは約1000万画素で、ディスプレイ内に搭載。前モデルよりも目立たなくなっていました。さらに、閉じたままでも自撮りができる約400万画素のカバーカメラも備えています。
カメラの使い勝手は短い時間しか試していませんが、直近で撮影した写真を確認しつつ、次の写真が撮れたり、卓上に置いて撮影したりできるのは非常に便利です。
■Galaxy Z Flip4の3つの進化ポイント
Galaxy Z Flip4は、折りたたむと手のひらでしっかり握れるほどコンパクトで、パカッと(音はしないが)約6.7インチの縦に長いディスプレイを利用できることが特徴。サムスンいわく「ターゲットはMZ世代(1980〜1990年代に生まれた若い世代)」とのことですが、折りたたみ式のガラケーを使っていた世代との相性も良さそうです。
デザインは前モデルのGalaxy Z Flip3 5Gを踏襲していて、ヒンジの改良などによってサイズが若干小さくなった程度。画面サイズやカメラのスペックは前モデルと同じ。チップセットを最新で最高峰のSnapdragon 8+ Gen 1にアップデートさせた正常進化モデルと捉えていいでしょう。注目すべき進化ポイントは以下の3つです。
1. カバーディスプレイのカスタマイズ性が向上
閉じた状態で利用できるカバーディスプレイは約1.9インチ。ここで通知やメッセージを確認したり、再生中の音楽を操作したりもできます。Galaxy Z Flip4では、カバーディスプレイでできることが増えて、受信したメッセージを確認した後に、定型文で素早く返信できるようになりました。
あらかじめ登録した連絡先にワンタッチで発信することも可能。また、カバーディスプレイにクイック設定パネルを表示させて、Wi-FiやBluetooth、機内モードのオン・オフ操作も行えます。
また、前モデルでもカバーディスプレイにお気に入りの画像を表示できましたが、Galaxy Z Flip4では15秒以内の動画を背景として表示させることも可能に。プリセットの画像コンテンツも充実し、カスタマイズの楽しさもアップしたようです。
2. バッテリー容量が増えた
スペックに大きな変化がないと思いきや、バッテリー容量は前モデルの3300mAhから3700mAへと増えています。わずか1割強の増量ですが、本体サイズをわずかに小さくしつつ、電池持ちを向上させていることは高く評価すべきでしょう。ドコモ版のスペックによると、前モデルのGalaxy Z Flip3 5Gでは「連続待受時間:約240時間/連続通話時間:約1170分」だったのが、Galaxy Z Flip4では「連続待受時間:約270時間/連続通話時間:約1370分」となっています。
前モデルを使っている友人から「Flipは使いやすいんだけど、電池がもうちょっと持てばなぁ」という話を聞いていたのですが、外出先で長時間、動画を見たり、ゲームをしたりする人を除けば、電池持ちを心配する必要はなさそうです。
3. 待望のパープルが登場
前モデルのGalaxy Z Flip3 5Gはグローバルでは4色展開でしたが、日本ではクリームとブラックの2色しか発売されませんでした。最新モデルのGalaxy Z Flip4も4色展開ですが、日本ではそのうちの3色が発売されました。ボラパープル、グラファイト、ピンクゴールドの3色で、パープルは前モデルでも話題になりつつ発売が見送られた色なので、“待望の日本上陸” と言ってもいいでしょう。
Galaxy Z Flipシリーズは、Foldシリーズよりも出荷台数が多く、デザインにこだわる若いユーザーが多いこともあり、アクセサリーが充実していることもアドバンテージ。外観のカスタマイズも楽しめるので、長く使い続けたいと考えている人のもオススメ。ちなみにサムスンによると、毎日100回開閉しても5年以上使い続けられる耐久性を備えているそうです。
■価格を重視する人は、値下げされた前モデルにも注目!
Galaxy Z Fold4、Galaxy Z Flip4ともに、外観には大きな進化は認められないものの、よりコンパクトになり、使用感は大きく向上した印象。“折りたためる” というギミックを意識することなく、フツーに使って大画面のメリットを享受できそうです。
「使ってみたいけど、予算的に厳しい」という人は、前モデルにも注目。今回は両モデルとも前モデルと比べた進化点を中心に紹介しましたが、それらがなくてもいいと妥協できるのであれば、前モデルのGalaxy Z Fold3 5G、Galaxy Z Flip3 5Gのほうが安く買えます。お店によっては大胆な割引が行われていることも。ただし、在庫がなくなり次第、販売終了となるので、前モデルを狙う人は早めに検討することをおすすめします。
>> Galaxy
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/480224/
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