日本のデザイン誌のインタビューに答えたAppleのヒューマンインタフェースデザイン担当副社長のアラン・ダイ氏とソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏は、iPhone14 Proシリーズで新たに導入したDynamic Islandがどのように開発されたのかを明らかにしました。
iPhone X以来5年ぶりの大きな操作の変化
フェデリギ氏は、iPhone14 ProにはiPhone X以来の大きな操作上の変化があったと述べています。
5年前のiPhone Xでホームボタンがなくなったことで、ロック画面の解除やホーム画面への戻り方、アプリの切り替えなど、iPhoneのさまざまな操作方法が根本的に見直されました。また、この新機能によってiPhoneの見た目も変わり、複数のアプリの起動方法や通知の方法、バックグラウンドで進行している動作をどう管理するかなども再考されました。
ダイ氏は、ノッチの代わりに導入されたDynamic Islandは、iPhoneのハードウェアとソフトウェアの境界線を曖昧にする、“Appleらしい開発”の一例と表現しています。
ある目的のために、ハードウェアとソフトウェアのパートナーが同じスタジオに集まり、一緒に問題を解決していくのです。また、この新機能により、アラートや通知、進行中のオペレーションなどを、ハードウェアとソフトウェアの境界を意識することなく、リアルタイムに表示することが可能になりました(後略)。
Dynamic Islandはカメラ機構のサイズ縮小から生まれた
ダイ氏によれば、Dynamic Islandは、TrueDepthカメラのカメラ機構が小さくなったことで、ディスプレイ上部の余分なスペースをどのように使うかという議論から始まったとのことです。
同氏いわく、Appleではさまざまななグループの人たちとの膨大な議論によりアイデアが出てくるとのことですが、ディスプレイ上部の余ったスペースで何ができるかというのは、昔から話し合われてきたトピックの1つであったそうです。
ステータスバーの領域は非常に重要
ダイ氏によると、iPhoneのステータスバーの領域は、小さいながらもiPhoneの体験の中で決定的に重要な部分であると述べています。「ピクセル一つひとつに込められた私たちの努力が、とても大きな効果をもたらす領域なのです」
Dynamic Islandは、この領域で「もっと特別なことをしよう、何かとてもエレガントでありながら、とても便利なもの」という発想から生まれてきた機能だそうです。
機能の使用体験がスムーズで自然に感じられるよう、デザインとエンジニアリングの両側から、細心の注意と技術でブラッシュアップすることで、全体が流動的なソフトウェアと思わせるようなDynamic Islandが完成したとのことです。
Source:AXIS via MacRumors
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-492977/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania