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日経、iPhone14シリーズを分解。部品コストが大幅に上昇

Apple iPhone14 Pro iPhone14 Pro Max
 
iPhone14、iPhone14 Pro、iPhone14 Pro Maxを分解し、部品価格を推計した結果を日本経済新聞が報じています。iPhone14 Pro Maxに使用されている部品価格の合計は、昨年のiPhone13 Pro Maxから60ドル以上も上がり、販売価格の約46%に達しています。

部品価格の合計は500ドル超え、主な要因はA16 Bionic

日本経済新聞によるiPhone14シリーズの分解記事は、スマートフォンの分解・解析・原価計算を行うフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズの協力を得て、部品価格から原価(部品価格の合計)を算出しています。
 

 
iPhone14 Pro Maxの部品価格を合計すると501ドル(約72,600円)で、2018年のiPhone XS Max以降は400ドル〜450ドルの範囲内だった部品コストが大幅に上昇している、と日本経済新聞は指摘しています。
 
部品価格上昇の主な原因は、iPhone14 Pro MaxとiPhone14 Proに搭載された最新鋭のA16 Bionicチップの110ドル(約16,000円)で、A15 Bionicと比べて2.4倍以上となっています。
 
背面カメラのCMOSセンサーは、明るく高画質な撮影を可能にするソニー製で、最も大きいセンサーは3割の大型化とともに、価格は5割高い15ドル(約2,180円)になっています。
 
Appleは、iPhone14 Pro Maxの最小容量モデルのアメリカにおける販売価格を1,099ドルのまま据え置いているため、部品価格の上昇はAppleの利益減少につながります。

半導体の内製化を進めるApple

AppleはiPhone14シリーズでもQualcommの通信用半導体を採用していますが、2019年にIntelの通信用半導体部門を買収したことから、今後は内製化が進むと予測されています。
 
iPhone13 Pro MaxとiPhone14 Pro Maxを比較すると、部品の供給元は米国の割合が22.6%から32.4%に上昇した一方、2位以下の韓国、日本、台湾、中国の割合はそれぞれ低下しています。
 

 
Appleは中国に依存していたサプライチェーンをインド、ベトナムなどに分散させる「脱中国」の動きを進めていますが、実現には時間がかかるとみられています。

iPhone14を修理しやすくしたことで約10ドルのコスト引き下げ

iPhone14は、側面と背面パネルの固定に溶接を使っていないことで10ドル近くコストを引き下げている、と分解を担当したフォーマルハウトの柏尾氏は分析しています。
 
iFixitはiPhone14を「この数年で最も修理しやすいiPhone」と称賛しましたが、こうした内部の設計変更は、消費者の「修理する権利」への配慮や、Appleがアメリカで開始したセルフサービス・リペア・プログラムのためと考えられます。
 
 
Source:日本経済新聞
Photo:Apple
(hato)

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