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VWの人気SUV「T-Roc」のハイパフォーマンスモデル「R」は、ひと味違ったモデルが欲しい人にピッタリ!

フォルクスワーゲン「T-Roc(ティーロック)」がマイナーチェンジ。フェイスリフトを受けて2022年7月25日に発売されました。同時に高性能版「R」が新発売。日本で二番目に売れているという輸入SUV、さらに市場を拡大しようという勢いです。

フォルクスワーゲンといえば、ゴルフ、あるいはポロ。これらのハッチバックが”鉄板”でしょう。でも、もうひとひねりしたプロダクトに乗りたい、なんて人もいて、SUVに流れたりします。そこを救いあげているのが、T-Cross(これが売り上げ第一位)と、今回のT-Rocなのです。

■ひと味違うハイパフォーマンスモデル

▲バンパー左右に3連のLEDライトが縦に並ぶのが「R」

T-Rocは、今回3つのラインナップでの展開。1.5リッターガソリン「TSI」、2リッターディーゼル「TDI」は、基本的に従来からの継続。ただしフロントマスクのイメージが一新されLEDライトが個性を生んでいます。そして三番目のモデルが、221kW(300ps)の「R」。

どれもそれなりに個性があるし、違う目的をもったユーザーを対象にすえたような巧妙なラインナップです。市街地で乗ることが多いひとは「TSI」、ゴルフやキャンプのためにそれなりに長距離を走るなら燃費の面で「TDI」、そしてひと味(ふた味かな)違ったモデルが欲しい人には「R」という具合。

「SUVブームの中で、ハイパフォーマンスモデルは存在感を高めている」というのが、「R」モデル導入にあたっての輸入元のフォルクスワーゲンジャパンによる説明です。じっさい、2021年に日本導入した「ティグアンR」がティグアン中2割を占めているとのこと。

▲ボディの厚みがあるのがSUV的な機能性を感じさせる

▲4本出しのテールカッターが高性能車であることを示している

T-Roc Rは、さきに触れたように最高出力は221kWで「TSI」(110kW)の倍。最大トルクも400Nm(TSIは250Nm)に達します。静止から時速100kmまでの加速は4.9秒。悪い数字じゃありません。

▲タイヤとボディの均整の取れたいいプロポーション

加えて「R」は、フロントとリアが専用デザインになり、専用のスポーツサスペンション、「DCC」と名づけられたアダプティブシャシーコントロール、19インチ軽合金ホイール、大型ブレーキキャリパーを装備。

それにT-Rocのラインナップ中、唯一の4輪駆動となります。内装も、ステアリングホイールやシートも専用のものが装着されます。

▲「R」はナパレザー張りのシートが標準装備

▲シートにも「R」のロゴが入る

▲ホイールベースは2590ミリで後席空間も余裕がある

シートはサイドサポートの張り出しが大きくなり、ステアリングホイールは握る位置でグリップ形状が異なる立体的な断面です。ブルーの挿し色がところどころに使われているのも、特別感につながっています。

■運転が楽しく静かで乗り心地も快適

▲ドライブモード切り換えはダイヤルで行う

「R」のドライブフィールは、ひと言でいうと、落ち着いたスポーティさ。比較的フラットトルクですが、それでも2リッターエンジンがしっかり力を出すのは1500rpmを超えてからですし、そこからのパワーの盛り上がり方も、暴力的という感じは皆無。

頭が後ろにのけぞるような加速ではありません。じわーっと速度が上がっていきます。ただし、どこまででも速度が上がっていく感じです。気がつくと考えていた以上の速度に焦る、なんてこともあるかもしれません。静かだし、乗り心地が快適なのも、速度感を感じさせない理由のひとつでしょう。

どっかんという加速ではないですが、それでもカーブを曲がるときの車体の姿勢のコントロール性は高くて、じわっとゆるやかに車体を傾けていきながら、不安感が一切なく、カーブを駈けぬけていく感じ。いってみれば、大人っぽいのです。

どんな路面を走っているかの、いわゆるフィードバックは適度。疲れにくいかもしれません。いったん速度にのってしまえば、姿勢はフラットだし、速度域にかかわらず、アクセルペダルの微妙な踏みこみにも加速の反応はいいしで、運転が楽しめるはずです。

全長4245mmのボディサイズは、ゴルフの4295mmより少しコンパクト。ホイールベースも30mm短く、市街地では扱いやすさを狙ったのは明らかです。

荷室は445リッターの容積。小さすぎることはないでしょうが、荷物をたくさん運びたいなら、ゴルフやパサートのバリアント(ステーションワゴン)を選択した方がいいかもしれません。T -RocはナリはSUVですが、どちらかというとシティ派。とくに「R」は舗装路で、かつ、ワインディングロードがもっともふさわしい居場所でしょう。

▲「R」専用のステアリングホイールには青いステッチが入る

▲235/40R19タイヤに前後とも通気式ブレーキディスクが標準装備される

「R」の価格は626万6000円。さきに触れた「DCC」をはじめ、「ディスカバープロ」という純正インフォテイメントシステム、ナパレザー張りのスポーツシート(電動調節機能つき)などが標準装備です。

【Specifications】
☆Volkswagen T-Roc R
全長×全幅×全高 4250x1825x1570mm
1984cc 4気筒ガソリン 4輪駆動
最高出力 221kW@5300〜6500rpm
最大トルク 400Nm@2000〜5200rpm
価格 626万6000円

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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