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マフラー以外にもあった“官能音”! ヤマハ「MT-10」【青木タカオの二輪語ルシス】

【青木タカオの二輪語ルシス】

走り出しても話し出しても止まらない激アツモータージャーナリスト・青木タカオ氏が、気になるバイクをトコトン語り尽くす。今回もカタルシスを感じるまで存分に語ります!

*  *  *

モータージャーナリスト 青木タカオ氏
バイクが好きすぎて専門誌の編集部員となり、その後独立しジャーナリストに。初心者にも分かりやすい解説に定評があり、専門誌のみならず一般誌やWebなど数多くの媒体に寄稿する

■コーナー立ち上がりの吸気音にシビれます!

YAMAHA
「MT-10」(192万5000円〜)

レーサーレプリカ全盛期の1980年代はスペック至上主義とも言われ、バイクファンたちは「1馬力でも多く!」と数字にこだわっていました。しかし実際の走行ではその僅かな差が大した意味を持たないことに気付いたのです。

どんなにすごいマシンも、人間が操れなければ面白味はありません。ヤマハは早くから「人機官能」の開発思想を持ち、人機一体感の中に生まれる悦びや興奮、快感こそが重要とマシン開発を進めてきたのです。

最新型のMT-10/SPにもその理念は受け継がれています。

▲YZF-R1譲りの直4エンジンに、6軸IMUが組み合わされ、シフトダウンにも対応するクイックシフターなど電子制御も最新式に

意のままに操れるストリート最強のスポーツ性能を実現するべく、最高出力200馬力を発揮するスーパースポーツYZF-R1の997cc直列4気筒エンジンを心臓部としながら、クランクシャフトの慣性モーメントを大きくし、コンロッドをチタンから鉄に変更。公道での常用速度域で感じるトルク感を強く押し出し、荒々しいエンジン特性に刷新したのです。

▲アクセルを開けると同時に、ライダーへ向けて官能的な音の響きを伝えるアコースティック・アンプリファイア・グリル

さらに官能性にもこだわり、サウンドも徹底的に追求しています。バイクの音といえばマフラーが奏でる排気音ですが、なんと空気を吸い込む時の音、吸気音にも着目し、新たな手法でサウンドチューニングまで施しているのだから驚きです。

タンクカバー上面の左右には、吸気音の響きを強調する「アコースティック・アンプリファイア・グリル」を設置。断面積と長さの異なる3本の吸気ダクトを備えた新作エアクリーナーボックスは、各ダクトから出る音圧のバランスを調律し、コーナーの立ち上がりなど加速時、強烈なトルク感に加え、サウンドでも走る悦びが味わえるのです。これはバイクの愉しさを知り尽くしたバイク好きにこそ乗っていただきたい1台です。

▲モノフォーカスLEDライトをダブルで装着し、ツリ目のポジションライトも新採用。重厚だったマスクを小顔に一新した

 

>> 青木タカオの二輪語ルシス

※2022年9月6日発売「GoodsPress」10月号131ページの記事をもとに構成しています

<文/青木タカオ>

 

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