Appleの製品ラインアップが増えて複雑になり、「製品カテゴリーがわかりやすく、選びやすい」という、以前のAppleの魅力が失われたと、米メディアThe Vergeの記者が苦言を呈しています。
どのiPadを選ぶべきかがわからない
The Vergeの記者、ビクトリア・ソン氏は、現在愛用しているiPad(第6世代)に特に不満はないものの、もう少し軽量で処理速度の速い、新しいiPadを買おうと決めました。
そこでAppleのWebサイトを改めて確認しました。現在Appleからは、最新のiPad(第10世代)、そしてiPad(第9世代)に加えiPad miniとiPad Airが購入可能です。ソン氏にとって検討対象ではありませんが、11インチと12.9インチのiPad Proもあります。
ちなみにソン氏はガジェット・リビューワーであり、購入するiPadはすぐに決められると自信を持っていました。ところが改めてiPadのスペックや価格をチェックしているうちに、その自信を失ってしまったそうです。
10年前にはこんな風に悩まなかった
同僚にも指摘されたとおり、449ドル〜(日本では68,800円〜)のiPad(第10世代)は、エントリーレベルとしては高すぎると感じました。
また趣味のカリグラフィーのためだけに、USB-C – Apple Pencilアダプタにお金を使いたくないという思いもあります。
手持ちのiPad(第6世代)より高速、軽量かつケース色が選べるモデルとなると、iPad AirかiPad miniということになりますが、問題は両iPadともにiPad(第10世代)よりも高額だということです。
価格はソン氏にとって非常に重要なポイントなので、それを重視するとなると、残る選択肢はiPad(第9世代)のみでした。しかしiPad(第9世代)はiPad(第6世代)と比べてそれほど大きな性能向上を感じられないため、結局iPad購入を見送ったそうです。
ソン氏は今年、iPhone14シリーズへの買い替えの際にも、同様のジレンマに陥ったと告白、「10年前にはこんな風に悩まなかった」と述べています。
ラインアップがシンプルでなくなったApple
かつてのAppleの魅力は、選択肢が山程あるWindows PCやAndroid端末と比べ、ラインアップがシンプルでわかりやすいことだった、とソン氏は続けます。
事実、Appleはたしかに「ラインアップがシンプルであること」をウリにしていました。2012年の米メディアBloombergのインタビューに対し、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は次のように発言しています。
このテーブルには当社が製造しているほぼすべての製品が並んでいます。4個のiPod、2つのiPhone、2つのiPad。あとは数台のMac。これだけです。我々は何を作るべきか、必死に意見を戦わせます。優れた製品はそんなにいくつも作れないとわかっているからです。たくさんのものを作るからといって、それらが本当に優れた、楽しいものであるとは限りません。
少数のものだけに絞って作るというのが当社の基本原則です。世の中に大きく貢献できるものだけを作ります。
Source:The Verge
(lunatic)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-499436/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania