現在Appleが有しているブランドを築いた立役者である、元最高デザイン責任者(CTO)のジョナサン・アイブ氏が、デザインや人生観について自身の考えを語りました。
言葉が現実を規定していく
ジョナサン・アイブ氏のインタビューは、Wall Street Journalがデザイン部門でのイノベーター賞を彼に授与するにあたって、同氏に掲載されたものです。
アイブ氏はデザインを考えるうえで重要な存在として、言語を挙げ、思考プロセスの枠組みを作るためには不可欠なツールであると語りました。「もし私が椅子をデザインすると言ったなら、それが一体どれほど危険なことか考えてみて欲しい。単に『椅子』と言っただけで、1,000ものアイデアにノーを突きつけたことになるのだ」
いかにも歴史を変えてきた、様々なApple製品のデザインを手掛けてきた責任者らしい発言ですが、最前線に立ち続けてきたからこそ見える景色があるのでしょう。
「成功は好奇心の敵だ」
アイブ氏は「物を壊すことに興味はない。既存の価値一切を破壊することを私は美徳としてきた。成功したり、金銭のために会社を売り渡したりといったものだ」と述べ、「成功は好奇心の敵だ」とはっきり断言します。
「人々が完全に好奇心を失うときを考えると、恐ろしくなるし、吐き気すら覚える」「(好奇心の欠如が)多くの社会機能不全や紛争の根源なのだ」。Wall Street Journalが「(彼にとって)好奇心はほとんど道徳的、宗教的な性質を帯び帯びている」と評するのも頷けるでしょう。
これだけの成功を収めた人間としては異例のストイックさを持つだけあって、アイブ氏も自らのことを「強迫的だ」と認めています。しかし根本にあるのは、あくまでもデザイナーとしての原点です。「私は大いに役立つものを作るのが好きだ。実用性に重きを置く職人なんだよ」
退社後もAppleに協力
そんな彼は2019年にAppleを去り、自分のデザイナー会社LoveFromを立ち上げています。とはいえ、M1搭載iMacのデザインにも関わっているように、退社後もAppleとは良好な関係を続けています。
その証拠にWall Street Journalによる授賞式では、創業者スティーブ・ジョブス氏の元夫人ローレン・パウエル・ジョブズ氏がアイブ氏を紹介する予定となっています。
Source:WSJ via AppleInsider
(kihachi)
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- Source:iPhone Mania
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