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iPadは高いからマンガ専用機としてAmazon「Fire HD 8」を選んでみた

<&GP編集部員が買ってみた!使ってみた!>

アホみたいに持っていたマンガの単行本をまとめて処分しKindle(キンドル)に集約して早◯年。身軽になりました。場所取らんし、「あれ? これ持ってたっけ?」で同じ巻を2冊買うこともなくなりました。

当初はスマホで読んでいたんですが、スマホ機種変時にほぼタダで入手したiPadをリーダーにしたら、これがまた快適なんだな。先日電子版を解禁した浦沢直樹先生に「見開き読み推奨!」と言われる前から、iPadで見開きでマンガを読んでました。

そんなiPadもさすがにヘタリが見えてきて「このマンガ一気読みする!」みたいな時にはさすがにバッテリーが厳しい。いいかげん買い替えか? なんて思って最新のiPadを見てみたら、なにこれ、高くない? 現時点で入手できる一番安い無印iPad(第9世代)ですら4万9800円からですって。

そんな折、Amazon徘徊時に知ってしまったFireタブレット新モデル発売情報。そういえば電子書籍はKindleに一本化してるわけだし、これでいいんじゃない? iPadと比べて圧倒的に安いし。

というわけで、ワイヤレス充電器とセットになった12世代目となる「Fire HD 8 PLUS 32GB」(1万7980円)をポチ。本体だけなら1万3980円ですが、ワイヤレス充電の魅力には抗えません。

あまり深く考えずに買ったわけですが、当然ながら良い部分、気になる部分どちらもアリ。そこで、これまで使っていたiPadとの違いを軸にレビューしていきます。

 

■画素密度は感覚でも違いアリ

サイズは横向きにして縦137.3×幅201.9×厚さ9.6mm。重さは342gです。表裏両側にカメラが付いていますが、まだ試してません。おそらく今後も使わないかも。ベゼル(画面周辺のフチ)が太いですが、これまで使っていたiPadも似たようなモノなので、あまり気にならず。

裏側は滑り止めのようなエンボス加工が施されています。ただし素材はプラスチック。ぶっちゃけ滑りやすい。ちょっとかさばりますが、カバー着用推奨です。

純正カバー(3980円)は表面がファブリックになっていて、触り心地は上々。少々厚く重くなってしまいますが、この程度は誤差だと思うことにします。

それにこのカバー、スタンドにもなってくれます。動画を見たい人にとっては助かりますね。それに、カバーを閉じれば自動的にスリープになり、開くと起動するので、いちいち電源ボタンを押す必要がなくなります。これだけでも使うメリットはあるかと。

またmicroSDカードスロットが付いていて、最大1TBまで容量を増やせます。通信はWi-Fiのみなので、まとめて端末内に落としておきたい人にとっては、増やせるのはありがたいですね。

▲下が「iPad(第6世代)」、上が「Fire HD 8」

iPadに重ねてみると、かなり小さいことがわかります。画面サイズは、2018年に購入した手持ちの「iPad(第6世代)」が9.7型で、今回購入した「Fire HD 8 PLUS」が8型。ただしひとつ注意点が。このふたつ、ディスプレイの解像度が大きく異なります。

iPad(第6世代)=2048×1536ピクセル
Fire HD 8(第12世代)=1280×800ピクセル

【参考】iPad(第9世代/10.2型)=2160×1620ピクセル

画面サイズの違いはありますが、密度の差はひとめでわかります。そりゃもうiPadの方が圧倒的に美しい。解像度が高いと目が疲れるという場合もありますが、小さい字は高解像度のほうがやっぱり判読しやすい。ここは価格の差が如実に出ている部分です。

ちなみに昨年発売された10.1型の最新モデル「Fire HD 10」(1万5980円)は1080pのフルHDで解像度は1920×1200。iPadと遜色ないレベルです。画素密度だけで画面の精細感を比較はできませんが、感覚値としてはやはりiPadに軍配が上がります。

問題はこれがマンガを読む際にどう影響するのか。だってマンガ読む以外に使う気がないから。

▲厚さは「Fire HD 8」の方が多少あったりして

 

■はたして見開きで快適に読めるのか

では次に、マンガ単行本のサイズと比べてみましょう。

小B6判と呼ばれる少年マンガや少女マンガのサイズは174×112mm。一方「Fire HD 8」の画面は174×108mm(実測)。なんとほぼ同じ!

そしてB6判となる青年コミックのサイズは182×128mm。こちらは画面より大きくなりますね。

ということはですよ。これ、1ページ表示で読むにはいいけれど、見開きで読むには小さいってこと? これは百聞は一見にしかず。試してみるしかないでしょ。

▲いつものようにソファに寝っ転がってマンガを読む ※一部加工してあります

おぉ、さすがに見開きは少々厳しい。そもそも開いたのが、よりによって『HUNTER×HUNTER』だってのが間違いかも。電子版を意識して描かれている作品(『怪獣8号』など)なら、見開きでもなんら問題なく、青年コミックである『BLUE GIANT EXPLORER』も無理なく読めました。

▲縦にして1ページごとに表示させてみる ※一部加工してあります

おそろしいネーム(文字)量で有名な『HUNTER×HUNTER』ですが、1ページ表示にすると快適。単行本だと細かいルビを読むのに苦労しましたが、電子版ならピンチインで拡大表示ができるので、そんな苦労もありません。

もちろん見開きで読むほうが好きなので、横持ちが基本になりますが、見開き大ゴマのない作品なら縦持ちもアリかも。

そうそう、ワイヤレス充電器ですが、やっぱり快適です。

本体にはUSB-Cポートが付いていて、そこからも充電できますが、家で使うなら置くだけで済むのは本当にラク。ちなみにイヤホンジャックも付いてます。

下には凹みが付いていて、カバーを付けたままでも充電可能です。

また、Alexaの機能もあるので、カバーを開いた状態で音声コントロールを使って、スマート家電を動かしたり、Amazon Musicで音楽を流したり、Prime Videoで映像コンテンツを楽しんだりと、さまざまなことができます。動画に関しては、Netflix、DAZN、NHKプラス、ABEMAなどひととおりアプリが揃っている(要ダウンロード)のですが、残念ながらYouTubeのアプリはありません。ブラウザでYouTubeにアクセスしての利用となります。

*  *  *

小さくて軽いので、寝転がっても腕に負担かからず読みやすいという意味では、「Fire HD 8」は悪くない選択肢です。コスパもいいし。ただし、動画見たい、SNSやりたい、音楽聴きたいなど、1台であれもこれもというのであれば、がんばってiPadやiPad miniを購入したほうが、のちのちの後悔は少ないかもしれません。あと地味に指紋認証がないのがつらい…。

とはいえ、Kindleユーザーでマンガ大好き、マンガに溺れて過ごしたい、という人にとっては大いにアリ。腕の負担なんて気にならないぜ!なんて人は、画面が大きく解像度も高い「Fire HD 10」の方がオススメですが、そこまでこだわらないなら「Fire HD 8」で十分満足できるはず。いやほんと、悪くないですよ。

>> Amazon「Fireタブレット」

<文/円道秀和(&GP)>

 

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