1992年に誕生して以来、THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)を代表するアイテムとして、アウトドアやストリートファッションを牽引してきた「NUPTSE JACKET(ヌプシジャケット)」は、今年で30周年!
「ヌプシジャケット」と聞けば“THE NORTH FACEのダウンジャケットだな”とイメージできる人がほとんど。本来、本格的なアウトドアウエアに位置される「ヌプシ」ですが、ここまでファッションアイテムとして浸透しているのは稀な例。
ザ・ノース・フェイスのコンセプトである“NEVER STOP EXPLORING(探究をやめない)”を体現し進化し続けるヘリテージモデルの歴史を振り返りつつ、気になる新作も併せて紹介します。
■「NUPTSE JACKET」誕生から30年。その歴史をひも解く
1992年、吸汗・保温・断熱・防風といったデスゾーンでの即応力が実装された“サミットシリーズ”のプロダクト群の一つとしてデビューしたのが「ヌプシジャケット」。なお、ヌプシジャケットは1980年代半ばの“エクスペディションシステム”と呼ばれる、ウエアを連結させるレイヤリングシステムの開発による成果のひとつでした。
ちなみに、「ヌプシ」のネーミングはヒマラヤ山脈エベレスト南西に連なる山嶺から着想。チベット語で「西の頂上」を意味する“ヌプツェ”に由来しています。
1990年代になると、メジャーチャートに台頭してきたヒップホップクルーがMVなどで「ヌプシジャケット」をに取り入れたことをきっかけにファッションアイテムとしてもフィーチャーされ始めました。諸説ありますが、マンハッタンやブルックリンの冬場でのMVのロケ撮影では、「ヌプシジャケット」の防寒性が重宝されたことや、「フードが収納できる襟型のおかげで、パーカのフードと干渉せずに着こなせた」などといわれています。
ヒップホップミュージックをきっかけに90年代後半には日本のストリートシーンに浸透。“裏原系”にも波及していき、日本においても憧れのファッションアイテムになったのです。この頃、素材面ではゴールドウインの“光電子ダウン”を採用するなど、日本の技術が反映されたモデルも誕生しました。
2006年、「Nuptse Bootie(ヌプシブーティ)」が本国アメリカで発表。積雪期のキャンプ用に開発された中綿入りの靴下のようなテントシューズにアウトソールを付け、雪上で履けるようにデザインされた防寒性に優れたブーツです。アウターだけにとどまらない、幅広いラインナップも魅力のひとつ。2008年には日本企画も発売されるようになり、日本での人気も上昇。その後、セレクトショップとの別注モデルやコラボが生まれるなど、“ヌプシ”の中でも人気のアイテムとなっていきます。
2018年はダウンジャケットの中綿に、再資源化したリサイクル素材“グリーンダウン”を使用。ブランドの設立からモットーとしている、自然を保護・復元、破壊抑止・改善する“トゥルーノース”の精神をさらに進化させています。
そして2022年、デビューから30周年を迎える「ヌプシジャケット」は、テキスタイルの染色工程を省くことで環境負荷にも配慮した「アンダイドヌプシジャケット」を発売。また、ヘリテージモデルである「ヌプシジャケット」は表地・裏地もそれぞれリサイクル素材にアップデートするなど、よりサステナブルな製品へと進化しています。
■2022年の新作「ヌプシジャケット」3選
改めて「ヌプシジャケット」を着てみた率直な感想は「びっくりするほど軽くて、びっくりするほどすぐに暖かい」ということ。これは「一度着たら手放せないな」と人気の理由にも納得。そんな「ヌプシジャケット」の新作を3点紹介します。
1.あえて染色しない。デザインしないという“引き算”のデザイン
本格的なアウトドアウエアは黄色や赤など派手なカラーリングを取り入れることが一般的。その理由としては、万が一遭難してしまったときに見つけやすくなるというメリットがあるからです。それをあえてせずに、潔く無染色で仕上げたのが「アンダイドヌプシジャケット」(4万700円)です。
パッと見は白いジャケットのようですが、よく見ると封入されたダウンが柄のように透けているのがわかります。“染色工程を省くことで環境に配慮する”というサステナブルな発想を、“今まで見たことがないダウンジャケット”というファッション性の高いアイテムへと昇華。ザ・ノース・フェイスの叡智を集結させた一着に仕上がっています。
2.GORET-TEX INFINIUMを使った“進化系”ヌプシジャケット
エンボスロゴやジップなどのディテールもブラックで統一された都会的なデザインの「GTXヌプシジャケット」(6万500円)。こちらは、GORET-TEX INFINIUM(ゴアテックス インフィニウム)を使用した防風・透湿性に優れた高機能モデル。また、中綿には“リサイクル光電子ダウン”を使用しているため、軽くて暖かいのもうれしいポイント。
表地に使われている30デニールのナイロン素材は軽量ながらもコシがあるため、ハリ感のある上質な印象。なお、フードはビルトイン仕様。フードのアリナシでスタイリングの幅もグッと広がります。
3.90年代らしいレトロなツートンカラーが新鮮
ビビットなイエローとマットブラックのコントラストあるツートンカラーが魅力の「ヌプシベスト」(2万9700円)。
ツートンカラーの由来は、サックやハーネスなどを背負ったときに擦れないように肩部分を補強したことから。こうした機能美は本格的なアウトドアブランドのザ・ノース・フェイスならでは。
本モデルは、当時の仕様はそのままに、身幅と着丈のサイズ感を2サイズUP。重ね着もしやすい現代的なシルエットにアップデートされています。また、前後にあしらわれたザ・ノース・フェイスのホワイトの刺繍が所有感を高めてくれること請け合い! 重ね着などで温度調整のしやすいダウンベストはひとつ持っていると重宝するでしょう。
また、写真のようにコンパクトにできることで、旅やキャンプなどさまざまなシーンに持っていける利便性も兼ね備えています。特に、どのくらい寒くなるか予想しにくい秋冬のキャンプシーンでは心強い味方となるでしょう。
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街中を歩いていて見かけない日はないほど、ファッションアイテムとして浸透しているザ・ノース・フェイス。中でも「ヌプシジャケット」は、過酷なアウトドアフィールドでも耐えられる機能性を持ちながら、これひとつでファッションを成立させてしまう、まさに才色兼備な1着。
すでに愛用している人もまだ挑戦したことがない人も、30周年を機に「ヌプシジャケット」をチェックしてみてはいかがでしょうか。
>> ザ・ノース・フェイス
<取材・文/宇田川雄一>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/489870/
- Source:&GP
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