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クルマ選びの新基準!? キーワードは「アクティブセーフティ」【令和の新殿堂入り傑作モノ】

【令和の新殿堂入り傑作モノ】

年々交通事故は減少傾向にあり、その一役を担っているのがカメラやセンサーを活用した「アクティブセーフティ」と呼ばれる安全支援システムだ。それらがどんなサポートをしてくれるのか、イラストを交えて分かりやすく紹介! 今後のクルマ選びにきっと役立つはず!

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クルマ選びの基準はスタイルや性能、燃費など、人により重視するポイントが異なるだろうが、“安全”を第一に考える人も少なくないはず。安全装備やシステムは、主にシートベルトやエアバッグといったパッシブセーフティと、カメラやレーダーを活用したアクティブセーフティに分けられるが、前者はすでに当たり前となり、現在普及が進んでいるのは後者である。

モータージャーナリストの島下泰久さんは「昨年11月からフルモデルチェンジされた新型車には、軽自動車やコンパクトカーも含め、緊急自動ブレーキの装備が義務化されました。名称、機能に違いはありますが、各社さまざまな機能を実用化しています」と話す。「ドライバーの安全、そして周囲の安全を守るためには、こういったシステムの普及が欠かせない」と島下さんは続ける。

「ペダルの踏み間違いから起こる急発進を防ぐ誤発進抑制機能や、運転者が急病などで運転を継続できなくなった時に車両を停止させたり通報を行なうドライバー異常時対応システムなども採用例が増えてきました。事故は起こすのも起こされるのも不幸でしかありませんから、こうした装備の充実は社会全体にとって嬉しいことですね」

安全性を高めるスバルの運転支援システム「アイサイト」搭載車の販売台数は、世界で累計500万台を突破するなど、安全に対する意識も急速に高まっているようだ。

「“転ばぬ先の杖”となるアクティブセーフティシステムを軸にしたクルマ選びが、これからは主流になってくるのではないでしょうか?」

モータージャーナリスト 島下泰久さん
日本のみならず世界中を駆け回るモータージャーナリスト。クルマ自体はもちろん、安全装備やシステムにも造詣が深い。YouTubeチャンネル「Ride Now」では、新型車を中心に試乗レビューも行っている

 

【主なアクティブセーフティの機能・システム】

■衝突軽減ブレーキ(プリクラッシュセーフティ)

車内のカメラでドライバーをモニタリングし、居眠りや急病などで運転の継続が困難になった場合、自動でクルマを減速・停止させるシステム。オペレーターに自動接続し、応答がない場合は救急や警察への連絡を行うタイプもある。

 

■ドライバー異常時対応システム

カメラやレーダーで前走車や歩行者を検知し、衝突の恐れが生じた際に、回避または被害を軽減するシステム。音やメーターの表示で注意喚起し、さらに衝突の可能性が高まった場合はブレーキをかけて速度を落とし、回避・被害の軽減を行う。

 

■アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)

前走車との車間距離や速度差を測定し、設定した速度内で自動で加減速を行う。走行中だけでなく、渋滞時など前走車の停止・発進に合わせて追従するタイプも多い。

 

■誤発進抑制機能

障害物があるにも関わらず、ペダルの踏み間違いなどでアクセルを強く踏み込んでしまった際に、急発進を抑制する機能。前方だけでなく後方発進時に対応するものもある。

 

■路外逸脱抑制機能

車線またぎなどの車線逸脱をステアリングの振動や警告、ステアリング操作によって回避する。車線の中央付近を維持する車線維持支援機能も似たようなシステムのひとつ。

 

■「ProPILOT 2.0」ならハンズオフも可能!

アクティブセーフティ技術を応用し、日産がアリアに搭載している「ProPILOT 2.0」は、7つのカメラ、5つのレーダー、そして12個のソナーで360度センシング。道路の白線や標識周囲の車両を検知し、高速道路などの一部区間・条件を満たした場合にハンズオフが可能となっている(ProPILOT 2.0のみ)。

また前走車との距離が近くなると「追い越しましょうか?」との提案が入り、ハンドルに手を添えてスイッチを押すと車線変更するなど、近未来感あふれるドライブも楽しめる。さらにナビと連動しているため、ジャンクションなど分岐時の走行もサポート。ICの入口から出口までは、ほぼ自動に近い運転感覚が味わえる。

前走車との速度差がある場合、メーター内に追い越しを提案する表示が出され、スイッチを押すとスムーズに車線変更する。

車内カメラでドライバーの状況をモニタリングし、居眠り運転時に音や表示で警告、緊急停止、救援要請まで行う。

専用キーで前・後の遠隔操作ボタンを使えば、車外からでもクルマを動かせる。駐車スペースが狭い所での乗り降りに便利。

 

■主な「ProPILOT」搭載車

「ProPILOT 2.0」

▼アリア

「ProPIROT」

▼サクラ

▼リーフ

▼キックス

▼ノート

▼ルークス

▼セレナ

 

■アクティブセーフティ搭載車でスマートドライブ!安心・安全の最新国産モデルSelect10

アクティブセーフティの解説に続き、ここではそれらを搭載したオススメのクルマを紹介。高額な輸入車ならいざ知らず、国産車しかも軽自動車や商用車にも、緊急自動ブレーキ以外のアクティブセーフティが搭載されるなど、安心感の高い最新の10モデルを紹介!

 

1. プロパイロット搭載で高速道路もお手のもの

高速道路などで前走車との車間、速度、車線内の自車の位置決めを高度に支援してくれるプロパイロット搭載!(島下さん)

NISSAN
「SAKURA」(239万9100円〜)

発表からわずか3週間で1万1000台を受注した日産のEV軽自動車。リーフの開発で培った技術を惜しみなく投入し、高い静粛性や滑らかな加速を実現している。プロパイロットも搭載。最大航続距離は約180km(WLTCモード)

 

2. 使い勝手に加え安全装備も充実

レジャー帰りの渋滞時などにも重宝するACCは、運転の負担を軽減するだけでなく、安全性の向上にもつながります(島下さん)

DAIHATSU
「ATRAI」(156万2000円〜)

最大積載量350kgの広くフラットな荷室を備え、車中泊やアウトドア好きから人気の高い軽自動車。両側パワースライドに加え、全車速追従機能付きのACCに車線の中央をキープするレーンキープコントロールも備えている。

 

3&4. 旅行などの長距離ドライブも快適

後方から車両が近づいていると、電動スライドドアの動作が停止するといった機能も設定されています(島下さん)

TOYOTA
「NOAH」(267万円〜)

TOYOTA
「VOXY」(309万円〜)

3ナンバーサイズとなり、さらに快適性がアップしたボックス型ミニバンの代表格。衝突被害軽減ブレーキだけでなく、ACCや高速道路での車線変更をサポートするレーンチェンジアシストも搭載。安全かつ快適に長距離ドライブが楽しめる。

 

5. 商用車ながら安全装備に抜かりなし!

後方障害物への衝突可能性が高まると自動でブレーキをかけるリヤパーキングセンサーは荷物満載時などに重宝(島下さん)

SUZUKI
「Spacia BASE」(139万4800円〜)

武骨でワイルドなスタイルが特徴の軽自動車。ラゲージには高さ調整が可能なマルチボードを採用するなど、遊びゴコロあふれる装備が充実。商用車ながらACCや誤発進抑制機能といった役立つ安全装備も数多く設定されている。

 

6. 体調が急変しても自動で安全に停止

体調急変時などにまず注意喚起。応答がなければ安全に車両を停止させるドライバー異常時対応システムを搭載(島下さん)

MAZDA
「CX-60」(299万2000円〜)

2.5Lガソリンや直6の3.3Lディーゼル、PHEVなど豊富なパワーユニットをチョイスできるミッドサイズSUV。運転手の疲労や眠気を検知し、休憩を促すドライバー・モニタリングと連動した「ドライバー異常時対応システム」を搭載。

 

7. 縦列駐車が苦手な人に最適

スイッチを押し続ければクルマが駐車してくれるマイパイロットパーキングは、駐車が苦手な人に最適です(島下さん)

MITSUBISHI
「eK X EV」(239万8000円〜)

三菱の軽自動車eKシリーズのEVモデルで、日常使用に十分な約180km(WLTCモード)の航続距離を実現している。ACCや車線維持支援機能に加え、自動で縦列駐車をする「マイパイロット パーキング」も設定。

 

8. トヨタセーフティセンスを全車に標準装備

事故リスクを先読みして、歩行者などに近づかないよう操舵、減速を支援する機能「PDA」がこのクラスにも(島下さん)

TOYOTA
「SIENTA」(195万円〜)

扱いやすいコンパクトサイズの7人乗りミニバン。ベースモデルが200万円を切る価格ながら、予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備。縦列駐車をサポートする「アドバンスト パーク」も設定する。

 

9. アクティブセーフティ満載のスポーツハイブリッド

トラフィックジャムアシストは、0〜65km/hの渋滞時にも加速、減速、操舵を支援。運転不可を軽減(島下さん)

HONDA
「CIVIC e:HEV」(394万200円〜)

シビックの素性の良さはそのままに“爽快な走り”を付与したハイブリッドモデル。衝突被害軽減ブレーキに加え、ACCや誤発進抑制機能(後進時にも対応)、路外逸脱抑制機能、歩行者事故低減ステアリングなど数々の安全機能を備えている。

 

10. 登場が待たれる期待のニューモデル

従来のステレオカメラに加えて、より広角な単眼カメラを追加。用途の異なる3つの目で、広く深い検知を実現(島下さん)

SUBARU
「CROSSTREK」(価格未定)

先月お披露目となったばかりのクロスオーバーSUV。このクロストレックは日本仕様として初めてアイサイトに加え広角単眼カメラを採用するなど、より高い安全性を実現。日本市場への導入は2023年以降の予定となっている。

>> 特集【令和の新殿堂入り傑作モノ】

※2022年10月6日発売「GoodsPress」11月号60-63ページの記事をもとに構成しています

<文/GoodsPress編集部>

 

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