【iPad Hacks_37】
iPadで無料で使える表計算ソフトの「Numbers」アプリを実践的に活用するならば、「ピボットテーブル」と「フィルタ」という2つの機能について理解しておくことが重要です。
iPad版Numbersの基本操作については、本連載の前々回と前回までで紹介しました。今回は、これらを踏まえたうえで、さらに実施的な表計算ソフトの使い方をするために、「ピボットテーブル」と「フィルタ」の使い方について解説しましょう。
■これらの機能を使う目的とメリット
「ピボットテーブル」と「フィルタ」という2機能を使う目的は、複雑な表組みの中から、必要なデータを抽出してシンプルで見やすい表組みを整えることにあります。
例えば上の例では、元となる表組みには「商品名」「価格(円)」「購入個数」「廃棄数」というカテゴリをまとめています。しかし、抽出後の表組みでは、「商品名」「価格」「購入個数」の3つに絞っているのがわかります。
このように、どの列を使うかを絞るのが「ピボットテーブル」の最も基本的な使い方だと思っておきましょう。
また、商品名について、元の表組では「A」〜「I」までの項目がありますが、抽出後の表組では「B/D/F/H/I」を除外していて「A/C/E/G」だけが表示されています。このように一部の項目を除外するために、「フィルタ」機能を活用します。
【今回の手順でピボットテーブルとフィルタを使う主なメリット】
(1)大量のデータから素早く必要な項目を抽出できる
(2)元のデータに変更を加えた場合も、簡単な操作で変更を反映できる
こうした変更は、もちろん手動の編集でも行えます。上述の例くらいの分量ならば、手動でもさほど手間は変わらないでしょう。しかし、表組み全体を確認するのに何度もスクロールをしなければいけないような大量のデータになってくると、手動での抽出には無駄な労力と手間がかかってしまいます。
一方、ピボットテーブルやフィルタを使えば、元が大量のデータからでも一瞬で必要な項目を抽出可能です。また、元の表組みに対して加えた修正も、簡単な操作で反映させることが可能です。例えば、何千行もあるデータに、複数の修正を加えた場合、抽出後の表組みにも手動で変更を反映させなくてはならないと大変です。しかし、ピボットテーブルとフィルタを使って作成した表組みならば、簡単な操作で修正を反映させられます。
■ピボットテーブルの使い方
では、以下では具体的な操作手順を見ながら、使い方の大まかな流れをイメージしていきましょう。まずはピボットテーブルを作成します。
ピボットテーブルが別のタブで作成されます。この時点ではデータが表示されていません。続けて、抽出したい項目を選択していく作業を行います。
チェックする項目を増減させれば、抽出後のピボットテーブルの構成は簡単に変わります。なお、ピボットオプションの「行」や「値」の欄で、緑色に表示されている部分はドラッグアンドドロップで、並び順などを変更可能です。
■元の表組みに対する修正を反映するには
この時点で、元の表組みの記載したデータを編集してみます。例として「価格(円)」の列の数値に「0」を書き足して、桁をひとつ増やしてみます。
しかし、ピボットテーブルに画面を切り替えても、数値の変更はすぐに反映されるわけではありません。実は、元の表組みのデータに対する修正を、抽出後の表組に反映するには、手動での操作が必要なのです。
具体的には「ピボットオプション」画面で、「ソースデータ」欄の「・・・」から「更新」を行います。
■「フィルタ」の基本の使い方
最後に、抽出後の表組みに対して、さらに「フィルタ」を追加してみます。表組みを選択した状態で、「三」のアイコンをタップして、「フィルタを追加」をタップ。
ちなみに、「クイックフィルタ」ではなく、「数字」など別の項目を選び、ルールを設定すれば、「〜以上」の数値を持つ項目のみを表示するといった使い方も可能。本稿では説明を割愛しますが、より、多くの項目数から抽出項目を限定したいときには、こうした機能を活用するのが重要になります。
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表計算ソフトの使い方は自由度が高いので、ピボットテーブルとフィルタ機能の用途も今回紹介したものに限られるわけではありません。しかし、本稿で紹介した手順をひと通り追って試すことで、基本的な操作の流れは分かるはずです。
より実践的な運用については、各々で試しながら最適な形を探してみてください。
<文/井上 晃>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/494572/
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