国際的な医学雑誌(International Journal of Environmental Research and Public Health)で公開された新たな研究調査によると、スマートフォン中毒者は健常者よりも認知能力や統制能力が低いことが分かったそうです。
スマートフォン利用を1日1時間に制限
スマートフォンの使用を制限されると感じる恐怖は「ノモフォビア(nomophobia)」と呼ばれ、先進国を中心に社会的な問題になっています。
今回スマートフォン中毒の調査を行った研究チームは、18歳〜65歳まで111人の被験者を対象とし、1日1時間しかスマートフォンを使用できない状況でどのような影響が起きるのかを調べました。
被験者にはスマートフォン中毒尺度(SAS-SV)や心理的一般幸福度指数(Psychological General Well-Being Index)といった調査に回答してもらい、そのうえでTikTok、Facebook、Instagram、WhatsAppといったアプリの使用からスマートフォンの利用頻度を調べました。
3日間の実験後、被験者は7日間連続でスマートフォンを自由に使用することができました。
中毒者は自己統制能力が低い
調査の結果、まずスマートフォン中毒のレベルが高い被験者は、コンプライアンス違反の割合が高いことが分かりました。利用制限を指示されているのにもかかわらず、1時間以上使用しているケースが見られたそうです。
また、スマートフォン中毒のレベルが低い被験者と比較して、視覚反応時間や聴覚反応時間が遅いほか、ワーキングメモリ(記憶力)、運動反応抑制能力、行動抑制能力が低いことも分かりました。
さらに、心理的一般幸福度指数のスコアも低いほか、物がなくなることへの恐怖や、物事を先送りにする傾向も確認できたそうです。
こうしたことから研究チームは、スマートフォン中毒のレベルが高い人は、自己統制能力(自分をコントロールする力)が低いことが分かったと述べています。自己統制能力が低ければ、日常生活に悪影響を及ぼすことは言うまでもありません。
なお、この研究では利用を1日1時間に制限すると知った参加者の一部が研究を離脱したため、中毒レベルが非常に高い被験者たちのデータが欠落しているそうですが、その事実こそが、いかにスマートフォン中毒が深刻かを物語っているでしょう。
Source:PsyPost
(kihachi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania