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ahamo、povo、LINEMOで使うスマホ、どこで買えばいいの?

従来の料金プランよりも圧倒的に安い「ahamo」「povo」「LINEMO」に乗り換える人が増えています。しかし、申し込んでから「スマホはどこで買えばいいのか?」と迷う人が少ないようです。

結論を先に言えば、それぞれの回線に対応している機種であれば、どこでどの機種を買っても構いません。実際には「今買えるスマホはほぼどれでも使える」と言っても過言ではないのです。となると、逆に機種選びが難しく思えるかもしれませんね。ここでは、ahamo、povo、LINEMOのユーザーがスマホ購入に失敗しないように、できるだけわかりやすく説明していきたいと思います。

 

■まずは対応機種を確認しよう

ahamo、povo、LINEMOで使えるスマホは、各社それぞれ下記のWebページで調べられます。

▲ahamoの対応機種は、ahamo公式サイトのホーム→サポート→対応端末一覧で確認できる

▲povoの対応機種は、povo公式サイトのホーム→対応機種/端末で確認できる

▲LINEMOの対応機種は、LINEMOの公式サイトのホーム→動作確認端末で確認できる

なお、ここに掲載されていなくても、動作確認が行われていないだけで、実際には使える機種もあります。なので、現在、日本で販売されているほとんどの機種が対応していると言ってもいいでしょう。ahamoはドコモのサービスですが、auやソフトバンクが販売したスマホでも利用でき、povoやLINEMOも他社のスマホが使えます。

ただし、2021年9月までに大手キャリアから発売されたスマホの多くは「SIMロック」がかけられています。ドコモのスマホはドコモのSIMでしか使えず、auのスマホはauのSIMでしか使えない設定になっているわけです。SIMロックは解除できますが、中古スマホを購入したり、人から譲ってもらったスマホを使ったりする場合は、SIMロックが解除されていることを確認しましょう。

ひとつ注意すべきことを挙げるとすれば、5Gの対応周波数。5Gで使われる新しい周波数帯には「Sub6」と「ミリ波」があります。5Gスマホの全機種が対応する「Sub6」は「n77」「n78」「n79」というバンドが使われますが、このうち「n79」はドコモだけが使う周波数帯です。そのため、ドコモ以外が販売するスマホは「n79」に対応していないことがあります。とは言っても、ドコモは「n78」にも対応しているので、使えないわけではありません。「高速で通信できる機会がちょっと減る」程度に考えておくべきです。ahamoのユーザーは、購入したい機種を決めたら、スペックシートで「n79」に対応しているかどうかを確認するといいでしょう。

▲SIMフリーのスマホを買う場合は、対応周波数(バンド)を確認するようにしよう

なお、ハイエンドモデルの一部が対応する「ミリ波」は、各社が「n257」に対応しています。

 

■スマホはどこで買うのが便利でお得なのか?

これまで大手キャリアの料金プランを契約していた人は、「ドコモショップ」「auショップ」などのキャリアショップや、そのキャリアの製品を取り扱う量販店や専門店でスマホを買っていたと思います。その際、料金プランを変更したり、必要なオプションサービスに加入したりもできました。

総務省の指導もあり、端末と料金プランの分離が進み、最近は「自分が用意したSIMフリーのスマホをドコモの料金プランで使う」ということもスムーズにできるようになってきています。しかし、依然として、料金プランを紐づけた形でスマホを選んでいる人が少なくないようです。

ahamo、povo、LINEMOは「オンライン専用」という印象が強いため、「リアル店舗では買えない」と勘違いしている人が少なくないようです。しかし、実際にはオンライン専用なのは申し込みやサポートなど、通信サービスや料金プランに関する部分です。端末購入についてはオンラインで買わないといけないという縛りはありません。つまり、下記のどこでも買えるんです。ただし、購入に際しては注意すべきことがあります。

 

■キャリアショップはスムーズに買えないことも…

ahamo、povo、LINEMOで使うスマホは、キャリアショップで購入することもできます。端末と料金プランの分離により、料金プランの契約がなくてもスマホを購入でき、行政もそのように指導しています。筆者は各社の広報にも確認しましたが、その認識で間違いないようです。

しかし、実際には「予約が必要だった」「アンケート入力を求められたりして、時間がかかった」「オンラインショップの利用を勧められた」など、スムーズに購入できなかったという話も耳にします。筆者があるキャリアショップの店員に聞いたところ、キャリアショップは、契約に紐付けた販売を行うことで利益を上げる仕組みになっていて、ただ端末を販売するだけでは、ほとんど利益にならないとのこと。という事情もあってか、端末だけの販売に消極的な店が少なくないようです。

 

■キャリアのオンラインショップならお得な購入プログラムを利用可能

ahamo、povo、LINEMOのユーザー向けに、各社が利用を勧めているのがオンラインショップ。各社ともに料金プランの契約がなくても、機種だけを購入できるようになっています。オンラインなので実機に触れて確認することはできませんが、購入する機種を決めている場合は、自宅にいながら購入できるので便利です。

ドコモオンラインショップでは、購入したい機種を選んで「機種だけ(白ロム)購入の場合はこちら>」に進むと、購入できる画面に進みます。なお、購入に際してはdアカウントの作成が求められます。

▲ドコモオンラインショップでは、「機種だけ(白ロム)購入の場合はこちら>」に進もう

auオンラインショップでは、購入したい機種を選んで「スマホ単体購入の場合はこちら>」を選択すると、購入できる画面に進めます。

▲auオンラインショップでは、「スマホ単体購入の場合はこちら>」に進もう

ソフトバンクオンラインショップでは、「購入する機種を探す」を選択して「ラインナップ」を表示。「機種のみを購入する場合はこちら>」をタップすると、機種一覧が表示され、購入したい機種を選べます。

▲ソフトバンクオンラインショップでは、ラインナップの画面に「機種のみを購入する場合はこちら>」と表示される

なお各社とも、分割払いで購入し、一定期間使った後に端末を返却することで、分割払いの一部が免除されるプログラムを用意しています。ドコモは「いつでもカエドキプログラム」、auは「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクは「新トクするサポート」という名称です。端末だけを購入する場合にも、これらのプログラムを利用できます。実質的な端末代金を抑えたい人におすすめします。

なお、ahamoのサイトでもスマホを購入できます。取り扱い機種は少なめですが、少し古い機種が安く買える場合があるので、ahamoのユーザーはチェックしてみましょう。

▲ahamoは公式サイトでスマホやアクセサリーを購入できるが、取り扱い機種は少ない

 

■量販店ではSIMフリーモデルが狙い目。実機に触れられるのもメリット

量販店ではキャリアが取り扱うスマホのほかに、メーカーが直接販売する「SIMフリーモデル」も販売されています。ちなみに、2021年10月以降に新たに発売されるスマホにはSIMロックをかけないことが義務付けられたので、現在キャリアが販売するスマホもSIMフリーです。しかし、多くのメーカーがキャリア向けではないオープンマーケット向けのモデルを「SIMフリーモデル」と呼ぶことが定着しているため、本稿でも「SIMフリーモデル」と表記します。

量販店で購入する場合は、SIMフリーモデルを軸に検討することをおすすめします。SIMフリーでしか購入できない機種があったり、キャリア向けモデルよりも若干安い傾向があったりするからです。購入を決める際は、その端末がamaho、povo、LINEMOに対応しているかどうかを店員に確認しましょう。

 

■ECサイト・ネットショップはお得な価格で買えることも…

SIMフリーモデルはAmazon.co.jpや楽天市場、量販店のオンラインショップなどでも購入できます。また、スマホを直接販売するサイトを設けるメーカーも増えています。

▲Amazon.co.jpには「Mobile Collection」というページが用意されていて、SIMフリースマホやアクセサリーなどを購入できる。ahamo、povo、LINEMO、MVNOなどに申し込むことも可能

スマホの価格はオープン価格ではありますが、実際にはどこで買ってもほぼ同じです。しかしECサイトでの価格は、キャンペーンなどに施策によってかなり差が出ることもあります。また、メーカーの公式オンラインショップでは、独自の特典やサポートサービスを提供していることもあります。機種を決めたら、複数の店の価格やサービスを比較するのが賢明です。

▲ソニーストアではXperiaのSIMフリーモデルを購入でき、故障時などにサポートを受けられる「ケアプラン」にも加入できる

▲SIMフリースマホを多く発売しているシャオミの公式ストアは期間限定の割引が実施されることが多い

 

■買ったスマホを使うには、自身での初期設定が必要

購入したスマホをどうすれば使えるかについては、ahamo、povo、LINEMOの申し込み時に案内されます。また、各社のサイトでも確認できます。

▲SIMと一緒に送られてくる説明書を読んで設定しよう。ただし、新しい情報を知るために、公式サイトも確認したほうがいいだろう

ざっくり説明しておくと、iPhoneの場合は各社のnanoSIMを装着すると、それだけで通話も通信もできるように設定されます。ただし、iPhoneに他社(MVNOを含む)のプロファイル(設定などの情報)がインストールされていると、新たに装着したnanoSIMが有効化されません。インストールしているプロファイルがある場合は、あらかじめ削除しておきましょう。

▲iPhoneはSIMを挿すだけで自動的に設定される

▲設定できない場合は、「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」に進み、インストールされているプロファイルを削除しよう

なお、筆者は最新のiPhone 14 Proで動作確認をしましたが、機種やiOSのバージョンによってはSIMの差し替えだけでは設定されず、各社が提供するプロファイルのインストールが必要になる場合があるようです。その場合は、各社のサイトを参照してインストールしましょう。

▲機種によっては、公式サイトからダウンロードしたプロファイルをインストールする必要があるが、説明に従って行えば難しくはない

Androidの場合は、SIMを挿してからAPN(アクセスポイント名)を設定することで利用できるようになります。まずスマホにSIMを挿して、「設定」→「モバイルネットワーク」→「SIM」→「アクセスポイント名」などを選択してみましょう。ahamoは「sp-mode」、povoは「povo2.0」、LINEMOは「LINEMO」というアクセスポイント名があれば、それを選択すればOK。見当たらない場合は、「アクセスポイント名」の画面の右上の「+」をタップして、アクセスポイント名の情報を入力して保存し、それを選択する必要があります。

▲筆者はOPPO Find X3 ProというSIMフリースマホに各社のSIMカードを挿して、どのように設定できるかを確認した

▲「設定」→「モバイルネットワーク」→「SIM1(またはSIM2)」→「アクセスポイント名」で設定可能。ahamoのSIMを装着した場合は「sp-mode」が表示されるので、それを選択するだけでOK(左)。同じように、「povo2.0」も表示された(右)。なお、表示されない場合は、各社のサイトでAPN情報を調べて入力することで設定できる

▲LINEMOのSIMを装着した場合は「アクセスポイント名」に何も表示されなかった。LINEMOの公式サイトでAPN情報を確認し、それを入力して保存してから、「LINEMO」を選択することで開通した

なお、ahamoとpovoは、それぞれ専用アプリをインストールしておくと便利に使えます。LINEMOは「LINE」で「LINEMO」の公式アカウントを友だちに追加することで、自分の利用情報を確認したりできるようになっています。

▲専用アプリや「LINE」を使って、使ったデータ量を確認したり、追加購入したりできる

ahamo、povo、LINEMOの初期設定はそんなに難しくはありません。しかし、機種変更時には手順を忘れてしまいがちなので、あたらめて各社のサイトを参照して設定しましょう。いずれも新しいサービスなので、今後、設定の手順が変更される可能性もあります。また、各社がチャットでのサポートを提供しているので、「設定できない!」という場合はチャットで相談してみましょう。

最近、対応機種が増えているeSIMを使う場合は、スマホ内のeSIMに利用したい通信事業者の情報をインストールして有効化する必要があります。その後の設定の手順は、nanoSIMを使う場合と同じです。

▲iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」、Androidは「設定」→「モバイルネットワーク」→「eSIM」からeSIMの設定を行える。各社が案内する手順でeSIMを追加しよう

eSIMは申し込んだその日に使い始められる便利なサービスで、nanoSIM+eSIMで2回線を使い分けたりもできます。しかし、初めて使う際に手順に迷って苦労している人も少なくない様子。機種変更の場合にも再発行してもらったりする手間が生じます。自信がない人は、まずは一般的なnanoSIMを使うことをおすすめします。

▲初期設定に不安がある人は、設定の手順がシンプルな物理SIMがおすすめ

ahamo、povo、LINEMOを使い始めると、ほとんどのスマホが対応機種になります。初期設定もさほど難しくはありません。物価高で、なるべく出費を抑えたいご時世。毎月のスマホ料金を安くしたい人は、乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか?

 

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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